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2023/7/15 10:30

フラッグシップモデルの第2世代「Nothing Phone (2)」を発表。独創性が光る透明スマホの新性能とは?

Nothing Technologyは7月12日、Nothingブランドの第2世代フラッグシップスマートフォン「Nothing Phone (2)」を発表した。日本での一般発売は7月25日で、同21日より公式オンラインショップで予約受付が開始される。価格は、メモリ8GB+ストレージ128GBが7万9800円、12GB+256GBが9万9800円、12GB+512GBが10万9800円(いずれも税込)。カラーはホワイトとダークグレーの2色を展開する。

 

必要な情報に一目でアクセスできるインターフェイス

革新的なデザインが話題となった「Phone (1)」の新モデルとして、この度発表された「Phone (2)」は、ディスプレイ、カメラ、バッテリー、OSなどさまざまな機能が改善された。プレス向けに開かれたNothing Phone (2)プレブリーフィングでは、同社のマーケティング責任者 兼 共同創立者のアキス・イワンジェリディス氏が、本製品の新たな性能やこだわりなどについて語った。

 

従来モデルと比べてより洗練されたバージョンの提供を目指すとした「Phone (2)」で、まず目を引いたのはなんといってもアイコニックな背面デザインだ。デザインは従来モデルと若干変化しているが、ひと目でわかるオリジナリティは健在。ゆるやかなカーブを描く隆起したガラス張りを背面に採用したことで、エルゴノミクス構造も実現している。

 

また、チャージングコイルを小型化するとともに位置を中央へ移動するなどの変更が加えられた。この背面の構成に関しては、配置をできるだけ左右対称にすることで、スムーズで一貫性を持ったデザイン、また上品なプレミアム感を出すことが狙いだという。その出来映えについてアキス氏は「洗練され、バランスの取れたデザインになった」と語った。

↑「Phone (2)」の背面デザイン詳細

 

さらにスクリーンを見なくても必要な情報を得られるよう、背面にはライトで着信通知を知ることができるGlyph Interfaceが従来モデルに引き続き搭載されている。Phone (2)では、Glyph InterfaceのLEDセグメントの数を増やすことでカスタマイズ性と機能性を改善。タイマーや充電残量インジケーター、音量チェッカーなどとして使用することができるようになった。

 

Uberとの統合もされ、Glyph Interfaceによって、配車やデリバリーの状況を追跡することができ、到着時には光でそれを知ることが可能となる。充電ケーブルもコネクター部を透明にすることで、デザインのトーンを合わせている

↑Glyph Interfaceでは画面を開くことなく、Uberで予約した配車やUber Eatsのオーダーの到着時間をライトで知ることができる

 

↑Phone (1)当時から幾度も試作を重ねて完成した新しい充電ケーブル

 

バッテリーについては、4700mAhの容量を搭載したうえに、最大15Wのワイヤレス充電が可能だ。加えて、、有線充電時には20分弱で50%まで充電することができる。また、ディスプレイに6.7インチLTPO OLEDを採用したことで、120Hzから1Hzのリフレッシュレートにも対応。スマートフォンを使用していないときの消費電力を節約できる。

 

ほかにも、新機能「Glyph Composer(グリフ・コンポーザー)」は、パーソナライズされたスマートフォンの背面と連動した着信音/通知音(Glyph Ringtone グリフ・リングトーン)を作曲できる。Phone (2)では、グラミー賞にノミネートされたエレクトロニック・ミュージックの世界的グループSwedish House Mafia (スウェディッシュ・ハウス・マフィア)とのコラボレーション「Glyph Sound Pack(グリフ・サウンドパック)」が備わっている。彼らの曲を自分でリミックスして楽しむことも可能だ。

↑「Glyph Composer」には、Nothing標準の着信音のほか、世界各地のミュージシャンの楽曲をキュレートした専用サウンドパックをダウンロードすることができる

 

モノクロの画面でユーザーの集中力を高める

Phone (2)に搭載されるNothing OS 2.0には、新機能として「モノクロームモード」がある。アキス氏は、現状、数多くのアプリがユーザーの注目を集めるための戦術として「さまざまな色」を使っていることを指摘。今回、モノクロームモードが搭載されたことにより、ユーザーは色に邪魔されずにアプリでやりたい作業などに集中できるという。

↑ユーザーがより直感的に操作できるよう採用されたアイコンのモノクローム表示

 

そのほか、アプリのラベルやグリッドのデザインのカスタマイズ、ウィジェットを追加すれば、ロックを解除することなく利用したい機能に直接アクセスができるなど、カスタマイズ性とユーザーの意思を尊重した機能が多数搭載されている。

 

18bit ISP搭載で従来モデルの約4000倍のカメラデータ処理能力を実現

Phone (2)はカメラ機能もアップグレードされた。フロントカメラには、従来モデルとはサイズ、性能ともに倍の32MP大型センサーを、リアカメラには、50MPのメインカメラと50MPのワイドカメラのデュアルカメラにスマートチューニング機能を搭載。メインセンサーはソニーの「IMX890」にアップグレードされた。

 

18bit ISP(イメージシグナルプロセッサー)も搭載されており、従来モデルに比べてカメラデータを最大4000倍処理することが可能となった。さらに、Advanced HDRアルゴリズムは、センサーのRAW領域内で露出レベルを変化させながら8フレームを撮影していく。これにより、実物に近い高精度の最終画像に仕上がるという。

 

動く被写体を検出して捉えるMotion Capture 2.0 も搭載されているので、例えば強風の日になびく髪の毛や子どもの日常シーンなどの撮影でも、ディテールまで表現しての撮影が可能となる。

↑新しいAdvanced HDRアルゴリズムは、従来の3倍のデータをキャプチャーする

 

このように、従来モデルに比べてより高度な機能とコンポーネントを搭載しているにも関わらず、Phone (2)は、5kgのCO2削減を達成した。また、ミッドフレームやボタン、SIMトレイチップには100%リサイクルアルミニウムを、プラスチック部分の80%にはリサイクル素材とバイオ由来素材を使用するなど、サステナビリティへの継続的な成果も実証している。

 

アキス氏は「日本の市場はファッションやカルチャー分野のまさに中心である。テクノロジー分野においても、日本はアーリーアダプターが多く、新しいトレンドをいち早く体験したいと思う価値観がNothing Technologyのデザインにマッチしたのではないか」と語った。さらに、日本での市場拡大については「我々にとって日本は4番目に大きな市場。急激に規模拡大を目指すのではなく、正しいパートナーを見つけ時間をかけて拡大をしていきたい」と今後の展望を語った。

↑Nothing Technologyマーケティング責任者 兼 共同創立者のアキス・イワンジェリディス氏

 

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