先日発売されたM3チップ搭載のMacBook Airは、同じチップを搭載したMacBook Proとほぼ同じベンチマーク結果を叩き出していました。
その一方で、M3 MacBook Airには、以前のモデルでは不可能だった「ふたを閉じた状態で2台の外付けディスプレイが使える」新機能があります。しかし、この状態で長時間にわたって使い続けた場合、本来の性能の半分程度に落ちる可能性があることが明らかとなりました。
テック系YouTubeチャンネルのMax Techが、定番ベンチマークテスト「3DMark Wild Life Extreme Stress Test」を20分間実行したところ、M3 MacBook Airはふたを閉じると初めは8083点の好スコアを獲得。しかし、冷却ファンを内蔵していないため放熱が追いつかず、次第にパフォーマンスが低下し始め、やがて5916点となり、ついには4198まで下がりました。
以前、同チャンネルはM3 MacBook Airをふたを開けたままテストしました。そのときはCPUが摂氏114℃、GPUが102.9℃もの高温に達し、性能も33%低下していました。一般的にコンピュータ搭載チップは高温になると破損を避けるため、わざと動作速度を遅くする「サーマルスロットリング」という仕組みが組み込まれているからです。
これまでMシリーズチップ搭載のMacBook Airは3世代にわたり、放熱のため薄いヒートシンクを採用してきましたが、ほとんど役に立っていないようです。
ふたを開けた状態では、M3 MacBook Airはキーボード部分に冷風を当てられてサーマルスロットリングを和らげられます。しかし、ふたを閉めた状態では空気の流れが完全に塞がれてしまうため、さらなる性能低下を招いている模様。
これはあくまで、負荷の重い処理をさせた場合のこと。ウェブ巡回やテキスト文書作成など、軽いタスクであれば熱くなりにくく、性能が下がる可能性は低くなるでしょう。また、ノートPC用の冷却用クーラーを使うのも有効かもしれません。
M3 MacBook Airのベースモデルは内蔵SSDのアクセス速度が改善していることもあり、適材適所でマシンを使いたいところです。
Source: Max Tech(YouTube)
via: Wccftech