アップルは新型のM2チップ搭載のiPad Airを発表した際、10コアGPUを搭載していると述べていました。しかし、その後に技術仕様ページをひそかに修正し、現在では一つ減らした9コアGPUにしたことが明らかとなりました。
先月の発表イベント直後、アップルが公式サイトに掲載したニュースリリースには、確かに「より高速な8コアCPUと10コアGPUを搭載」と書いてあります。
しかし、米国公式サイトの技術仕様は更新され「9-core GPU」(9コアGPU)という表記になっています。日本ほか米国外での技術仕様ページは更新が遅れ、まだ10コアGPUと書かれているものもあります。
以前の例では、アップルはまず米国向け公式サイトのページを修正。その後に日本向けなどの公式ページに修正を反映する流れであり、最も正しく新しい情報は米国バージョンと思われます。
注目すべきは、これまで発売されたM2搭載製品には、GPU9コア版がなかったことです。例えば、M2 MacBook AirはGPU8コア/10コアの2バージョンがあるだけ。このことから、iPad Airに使われたM2チップは、10コア版のうち1コアを無効化したものと推測されます。
さまざまな機能を統合したSoC(システム・オン・チップ)では、一部のGPUコアが無効化されることは珍しくありません。その理由としては、製造プロセスの不良でコアが基準に満たないこと、電力効率の優先(コアが少ないほど消費電力も少ない)、低価格モデルが高価格モデルを超えないようにすることなど、いろいろと考えられます。
現実的には、ほとんどのM2 iPad Airユーザーは10コアGPUと9コアGPUの性能差には気づかないはず。それでも、アップル公式の説明を望みたいところです。