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2017/12/4 22:30

【Spotifyで聴ける】“Tokyo”の魅力を再確認できる10曲を集めた「東京っていい街だな」プレイリスト

早くも師走に突入したこの時期は、不思議と「東京」という街の風情をいつになく感じてしまいます。年末年始に故郷へ帰省する地方出身者である自分、そして仲間たち。正月三が日を過ぎて帰京。東京生まれ東京育ちの地元っ子は、エアポケットのように閑静になった東京という街で正月を迎えます。

 

年始の東京の青く澄みわたった空を見上げると、「東京っていい街だなあ」と……あらためて、東京の良さを噛み締める人も多いのではないでしょうか。そんな東京の魅力や東京生活への憧れ、東京におけるさまざまな情景を描いた「東京」を歌った楽曲は、ご当地ソングも含めると膨大な数に及びます。

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今回は東京が持つきらびやかな側面と、郷愁にかられる側面とが歌われた楽曲をセレクトしてみました。サウンドアレンジが「東京っぽい(?)」というのもポイントかもしれません。「Spotify」アプリをダウンロードすれば有料会員でなくても試聴ができますので、東京を感じるプレイリストを楽しんでみてください。

※画面をタップすると曲が試聴できます

 

【東京っていい街だなあ10曲】

01.クリスタル・シティー/大橋純子&美乃家セントラル・ステイション
(1978年1月リリース)

実力派ソウルシンガーによる1977年に発表されたアルバム「クリスタル・シティー」のオープニングを飾るきらびやかな楽曲。麗しのストリングスとホーンセクションとが華麗に交差し、まさにクリスタルな輝きを放つアーバンなシティ・ポップス。それは夜の摩天楼・新宿西口にそびえ立つきらめきの高層ビル群を思い起こさせる。厳密には東京を歌っていないかもしれないが、ジャケットは当時の新宿住友ビルディングで撮影されているということでひとつご容赦を。

 

02.東京/五輪真弓
(1977年11月リリース)

名曲「恋人よ」における彼女のイメージを覆すような、瑞々しくもちょっとセンチメンタルな気分にもなるナンバー。アルバム・レコーディングでアメリカやフランスに頻繁に渡航していた彼女。久しぶりに自身が生まれた街「東京」に戻り、距離があったからこそ気づく東京の魅力を声高らかに歌い上げる。ラリー・カールトンやパトリース・ラッシェンを始めとした凄腕フュージョン人脈が参加したLA制作。6枚目となるアルバム「蒼空-TODAY-」に収録。

 

03.東京は夜の七時/野宮真貴
(2015年11月リリース)

ピチカート・ファイヴの永遠の名曲を野宮真貴自らがセルフカバー。オリジナル楽曲が持つきらびやかな都会のサウンドトラックといった趣から一転、4ビートで刻まれるクールなジャズタッチのアレンジを施すことで、東京のエレガントな世界観もグンとアップ。これから東京の夜の街に繰り出せば、ワクワクするような瞬間に出会えそうな予感。とはいえ、本来は会えなかったふたりを描いたちょっと悲しい歌でもあるのだけど。

 

04.代官山エレジー/藤井 隆
(2002年2月リリース)

松本 隆ならではの歌世界と、キリンジの堀込高樹による情感あふれる切ない旋律とが見事に溶けあった名作。舞台は今の時期と重なる冬の季節の代官山。甘酸っぱい失恋模様を藤井 隆がビターな味わいで歌い上げる。今では様変わりしてしまった代官山だが、代官山の象徴的なあの通り、あのカフェ。目をつむってこの曲を聴けば、2002年前後の代官山の景色が浮かびあがってくる。これこそが松本 隆が描いた「風街」というマジックかもしれない。

 

05.東京ららばい/中原理恵
(1978年3月リリース)

女優やバラエティタレントとして名を馳せていく以前の彼女のデビューシングル。前年に世界的にヒットしていたディスコソング、サンタ・エスメラルダの「悲しき願い」をモチーフに、ヒットメイカー筒美京平がラテンタッチに解釈したナンバー。午前3時のトーキョーベイ付近のバーでのひととき、明け方6時の山手通りでのまどろみ。都会の華やかさと孤独な側面とを松本 隆が綴る。当時、東京のご当地ソングがないことを意識して書いたとの逸話も。

 

06.東京迷子/思い出野郎Aチーム
(2015年8月リリース)

この夏に新作「夜のすべて」をリリースした話題のソウルファンクバンド。ファーストアルバム「WEEKEND SOUL BAND」に収録のインストナンバー「東京迷子」は、タイトルを踏襲した物憂げなサウンドが印象的で、リフレインする「東京迷子〜♪」というフレーズが、大都会に生きる誰しもがふとした瞬間に感じるロスト感を煽っているようだ。そんなちょっと無骨なソウルミュージックが、この東京砂漠には時折リアルに響いてくる。

 

07.TOKYO SNIPER/流線型
(2006年10月リリース)

音楽プロデューサーのクニモンド瀧口によるプロジェクト。70年代のユーミン、達郎、CTIにAORまでのエッセンスを柱に、現在進行形の視点で再構築したゼロ年代のシティ・ミュージック集。アルバムの表題曲は夜の首都高をクルーズしたくなるアーバンでしなやかなドライブミュージック。後半のハーモニカソロとフェンダーローズの饒舌な音色が、流れる車窓の景色とリンクしていくようだ。ちょっとアンニュイなヴォーカルは一十三十一(江口ニカ)とsaigenji。

 

08.東京っていい街だな/左とん平
(1973年リリース)

和モノ系DJ諸氏の間で愛され続けている、ある意味アフターアワーズに映える隠れた名作。事実、90年代半ばのクラブ界隈、特に小箱で明け方によくかかっていたのを記憶している。東京の澄んだ青い空を彷彿とさせるジャジーかつムーディーなサウンドメイクは、アレンジャーの深町純の手によるもの。そこに俳優の左とん平による東京でのちょっとお間抜けな別れ話を寸劇で、よく言えばトーキング・ブルースが被さる洒落た構成。いろいろあるけど、東京っていい街だよなあ。

 

09.東京/くるり
(1998年10月リリース)

このシングルを携えてメジャーデビューした彼らの衝撃は今でも忘れない。上京したばかりのストレンジャー(岸田 繁)が感じた慣れない東京という居場所、そして地元の「君」を思う愛しさ、寂しさ。バンドがメジャー契約を交わし、東京でチャレンジをしていく彼らの決意と心象風景を重ねてしまう。後半に向かって爆発していく叙情的なバンドアンサンブルは感動的。90年代半ば以降から「日本語ロック」の新たな可能性を追求する流れが再燃したが、その最高傑作とも言える。

 

10.ユリイカ/サカナクション
(2014年 1月リリース)

バンドの司令塔でもある山口一郎は北海道の小樽市出身。東京に居ながらにして思う地方出身者としての東京観が切り取られている。自分が生まれ育った街のことを想い、東京に住むことで生き急いでしまうリアルさを噛み締める。日本人ならではの郷愁感を浮かび上がらせる歌詞が、ダンスミュージックの四つ打ちのリズムの中を泳いでいく画期的な「歌」でもある。決して無機質にならずに、血を通わせた温もりのあるサウンドデザインは唯一無二。

 

東京に住む人もそうでない人も、「東京」をテーマにしたプレイリストを聴いてみて下さい!