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2018/3/22 21:15

【Spotifyで聴ける】「卒業」で思い浮かぶ曲と言えば……? 桜舞い散る季節に聴きたい昭和の名曲10選

桜の季節がいよいよ到来ということで、非常にベタですが、春を迎えるにあたって向き合うことになる「卒業」「旅立ち」「友達」といったキーワードで、今回は往年の歌謡曲やニューミュージックを中心にセレクトしてみました。

 

かつての仲間と久しぶりに会って、カラオケやミュージック・バー、スナックなどで流れていたら、思い出話に華が咲いて、ミドルエイジの皆さんは盛り上がるかもしれませんし、ヤングの皆さんにはフレッシュに聴こえてくることでしょう。そんな「飲み」を想定したシチュエーションも織り込み済みです。

 

「Spotify(スポティファイ)」アプリをダウンロードすれば有料会員でなくても試聴ができますので、ご自宅でお酒でもたしなみつつ、感傷に浸りながら楽しんでいただければうれしいです。

※画面をタップすると曲が試聴できます

 

【卒業、旅立ちの時期に聴きたい様々な形の10曲】

01.卒業/斉藤由貴
(1985年2月21日リリース)

担当編集者から真っ先に挙がってきたのがこの曲。同時期に同タイトルの楽曲が複数リリースされましたけど、個人的にもこれを越えるものはないと思われます。作詞は松本 隆、作曲は筒美京平と歌謡曲好きにはたまらない黄金コンビ。もともと「卒業」なるテーマで歌うことが決まっており、卒業における情景や心象風景を細かく描写していったという。主人公の女の子による不思議なくらい俯瞰した視点が、いま聴くととっても新鮮!

 

02.制服/松田聖子
(1982年1月21日リリース)

8枚目のシングル「赤いスイートピー」のB面(カップリング)曲で、聖子ファンにとっては鉄板曲。当時、すでに聖子プロジェクトに関わっていた作詞家の松本 隆が、松任谷由実に声をかけたのは有名な話。ユーミンは呉田軽穂名義で楽曲を提供することで合意。「四月からは都会に行ってしまうあなた」を想う「ただのクラスメイト」の私。誰しもが経験する淡い恋心を最後に袖を通す「セーラー服」を通して浮かび上がらせる。サビ部分よりもBメロの強さの確信犯ぶりがお見事。

 

03.二人の旅立ち/サーカス
(1979年10月9日リリース)

中年のカラオケの定番(?)「Mr.サマータイム」でおなじみの70年代を代表する男女コーラスユニットの6枚目のシングル。おそらくは駆け落ちするために見知らぬ街へと旅立つカップル。希望にあふれた喜びを快活なサウンドと爽やかなコーラスワークに乗せてハイウェイを駆け抜けていく。こんな旅立ちがあってもいいですよね。バンジョーを使ったアーシーなエッセンスも高揚感をさりげなく煽ります。作曲はゴダイゴのタケカワユキヒデということで、同時期のあの名曲の構成も見え隠れ。

 

04.旅立ち/ばんばひろふみ
(1979年10月21日リリース)

フォーク時代のバンバンを経て、ニューミュージックの世界で「SACHIKO」を大ヒットさせたシンガーソングライターの隠れた名曲。軽やかに刻まれるオリエンタルタッチなピアノの音色。ブラジル音楽のサンバなどで使われる楽器「クイーカ」がアクセントになったライト・サンバといった趣。舞台は船の上!  どうやら本気の旅立ちのようですが、「答えなど探すこともないさ すべて変わりゆくもの」と何が起こるかわからない未来図を噛み締めているかのよう。アルバム「ひとり海へ還る」に収録。

 

05.グッド・ラック/野口五郎
(1978年9月1日リリース)

大人の男女関係からの卒業、旅立ちということでピックアップ。哀愁系のディスコ歌謡としても機能しちゃいます。別れの明け方をハンサムに切り取った山川啓介による歌詞がイチイチ格好よすぎ。大御所の名アレンジャー、高田 弘によるきらびやかなストリングスアレンジは、サルソウル・オーケストラ(フィリーソウルの流れを汲んだディスコレーベル「サルソウル」のお抱えバンド)へのオマージュと解釈。最近では坂本慎太郎によるカバー曲が話題を呼び、若い世代の間でもスマッシュヒットした。

 

06.季節のない街角で/大橋純子&美乃家セントラル・ステイション
(1977年4月リリース)

少々強引ですが、「ひとりぼっちの自分との卒業」という視点でセレクトしてみました。ちょっとした寂しさと希望とが交差する感情を、まどろみを感じさせるメロウなサウンドに昇華させたアーバンな傑作。サビで繰り返し歌われる「昨日のなみだ忘れて Good Bye 明日はきっとすばらしい Good Day」。仕事も恋愛も多くの大人は日々これの繰り返しですよね。大橋純子&美乃家セントラル・ステイション名義のファーストアルバム「RAINBOW」に収録。

 

07.あの頃のまま/ブレッド&バター
(1979年6月リリース)

地元の茅ヶ崎を拠点に湘南サウンドをつむぎ続けるベテラン兄弟デュオが、4年間の活動休止を経て1979年に復帰する際に、友人でもあるユーミンが呉田軽穂名義で楽曲(作詞・作曲)提供したヒット曲。70年代の終焉を描いた作品ともいわれており、ターミナルで久しぶりに会った君と「人生のひとふしまだ 卒業したくないぼくと たわいない夢なんか とっくに切り捨てたきみ」と、夢と現実を線引きする瞬間をウェットに描く。大人になる上で、あなたが手放したものって何なんですか? ちなみにユーミンは2003年に「Yuming Compositions: FACES」でセルフカヴァー。

 

08.卒業写真/ハイ・ファイ・セット
(1975年2月5日リリース)

学生時代の卒業をテーマにした楽曲は数あれど、その象徴的な歌といえばやっぱりこの歌かもしれません。彼らのデビューシングルであり、楽曲提供したユーミン本人がその数か月後にアルバム「COBALT HOUR」でセルフカヴァーすることになります。「あの人」が高校時代の憧れの人ではなく、美術学校の恩師(女性)なのは有名な話。しかも卒業してからのストーリーだったりします。でも、青春時代に憧れだった人への記憶を、この曲に重ねる人もきっと多いはず。思わずセンチになってしまうアレンジは服部克久の手によるもの。

 

09.卒業/赤い鳥
(1974年7月5日リリース)

美しいコーラスワークを持ち味に、70年代前半を中心に活動したフォークグループの赤い鳥が、アルバム「書簡集〜ラスト・アルバム」で発表した1曲。解散を前提に作られた最後のアルバムの冒頭を飾る1曲で、「垣根こえて触れ合った あの固い夢を大事に乗せて」「さよならと書いた汽車が出るよ」と、共に過ごしたバンドメンバーへのメッセージとも受け取れる歌詞が印象的。解散後はハイ・ファイ・セットと紙ふうせんに枝分かれして、お互いが新たなスタートを切ることになります。かつての仲間との記憶をたぐり寄せてくれる、そんな楽曲かもしれません。

 

10.YOU’VE GOT A FRIEND/ジェイムス・テイラー
(1971年10月22日リリース)

最後は洋楽で締めたいと思います。邦題は「君の友だち」。アメリカの女性シンガーソングライターであるキャロル・キング自身のアルバム「つづれおり」(1971年)に収録され、その後、盟友でもあるジェイムス・テイラーによるカバー曲が全米で首位を獲得。「ただ名前を呼ぶだけでいい 僕はどこにいたとしても 君に会いに駆けつけるから」と、友人がいることの誇りと素晴らしさを静かに歌い上げている。春を境に離れていく友だち、新しく出会う友だち。節目節目で出会った愛すべき、信頼すべき友だちさえいれば、人生なんとかなるもんです。

 

2000年代以降のものではなく、あえてのオールドミュージック集でお届けしてみました。まだまだ見知らぬ卒業ソングや旅立ちソングがあるので、皆さんのお気に入りを「Spotify」でぜひ探してみてください。