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2022/8/8 6:30

加藤 諒「“真似していい?”って言われたりするので、結構、流行の最先端行ってるんだな、自分って思います(笑)」舞台「パタリロ!」~ファントム~

9月1日(木)から上演される舞台「パタリロ!」〜ファントム~に主演する加藤 諒さん。劇場版も含めるとパタリロ役は今回で5回目。原作者である魔夜峰央氏とのエピソード、前回の舞台から一新されたキャストのことなど、作品への愛が伝わるお話をいろいろ教えてくれました。

加藤 諒●かとう・りょう…1990年2月13日生まれ、静岡県出身。個性派俳優として舞台、映画、ドラマと幅広く活躍中。主な出演作は、ドラマ『ナンバMG5』『ネメシス』、映画『翔んで埼玉』『老後の資金がありません』『おそ松さん』など。Twitter

 

【加藤 涼さんの撮りおろし写真】

小林顕作さんからは「諒くんはすごく計算高くて腹黒いんだから、そこを出せばパタちゃんと一緒じゃん」とアドバイスを(笑)

 

──舞台「パタリロ!」としては4作目となりますが、新作公演が決まったときの心境はいかがでしたか?

 

加藤 うれしかったです。パタリロを『男はつらいよ』の寅さんみたいにずっと演じ続けられたらいいなって夢を持っていたので。初演と『スターダスト計画』のときの最後の曲は、“次回予告だNEXT!”と言って「次はいついつやるよ」って日程が入っていたんです。でも途中から具体的な内容が出てこなくなっていって、それ以降は“もうこれが最後かな”と思うようになりました。今回また新作を上演することができるので、うれしい気持ちでいっぱいです。

 

──パタリロを演じる上で、初演から何か変化はありましたか?

 

加藤 初演は初めて演じることもあり、パタリロって感情が破綻したキャラクターなので、まず「これをどうやって演じたらいいんだろう」ってつまずいたんです。そこから演出の小林顕作さんが導いてくださった感じです。「諒くんはすごく計算高くて腹黒いんだから、そこをちゃんと出していけばパタちゃん(パタリロ)と一緒じゃん」と、1つひとつアドバイスしてくださって、それを蓄積してパタリロというキャラクターが出来上がっていきました。

 

──ナンセンスギャグだけに、その主人公を演じるのは難しそうです。

 

加藤 難しかったです。説明ゼリフが多かったというのもありますが、説明ゼリフを普通に言うだけではパタリロではないし……ということで、顕作さんが「夜なべしているお母さんのようにしゃべってほしい」「ここは時代劇風に」といった演出してくださったんですね。そういう“〇〇風”を入れていくことで、顕作さんの指導の下、ここは感情が破綻しているんじゃないかと思うところを自分の中で繋げていく作業をしていきました。

 

僕たちが迎えるよーって雰囲気が舞台「パタリロ!」にもあると思います

 

──「パタリロ!」は原作者の魔夜峰央先生も太鼓判を押す加藤さんのハマリ役となりました。魔夜先生とも回を重ねるごとに変化はありましたか?

 

加藤 初演のときは稽古場にたくさん足を運んでくださったり、みんなでご飯に行ったりしました。でもコロナ禍になり『霧のロンドンエアポート』はご家族で千秋楽に来てくださったときしか会えませんでした。一番交流があったのは、劇場版「パタリロ!」の宣伝でいろんなところを一緒に回ったときですね。僕が「ミーちゃん(魔夜峰央)先生そろそろです」と呼びに行ったら、「はい、これ」って紙の裏に描いた落書きをくださいました(笑)。あとは印刷ミスだと思うんですが、表面に絵は描いてあるんですけど、裏面に「魔夜峰央」と印刷されていないレア名刺をいただきました。そういう関わり方をしてきましたね(笑)。

 

──舞台4作目ということで改めて感じる「パタリロ!」の魅力を教えてください。

 

加藤 座組そのものがギクシャクしたところがなく家族みたいなんです。そこに演出の小林顕作さんという近所の面白おじさんみたいな方が加わって、みんなでわぁ~って感じで稽古しています(笑)。原作の「パタリロ!」にも読み手の人をいつでも迎えてくれる温かさがあり、そのアットホームな感じが舞台にもある気がします。「いつでもみんな来ていいんだよ」って受け入れ体勢、僕たちが迎えるよーって雰囲気が舞台「パタリロ!」にもあると思いますね。そこが舞台「パタリロ!」の魅力かなと思います。

 

──『霧のロンドンエアポート』からはシーズン2ということで、キャストも一新されました。共演者の皆さんの印象はいかがですか?

 

加藤 フレッシュでしたね! みんなキャッキャしていて、自分が人見知りしちゃいそうでした。若い人たちの中に入っていけるかな、まぶしいんだけど! みたいな(笑)。前回はコロナ禍ということもあり、稽古終わりにご飯に行くこともできず、いつもより交流が少なかったんですよね。でもネットゲームが好きな子が多くて、ネットで繋がっていました。「桃太郎電鉄」や「モンスターハンター」をやりましたね。「はい、みんなそっち行って!」「はい、罠仕掛けました!」みたいなやりとりをして楽しかったなー。時々またみんなでゲームやりたいなって思います。みんなかわいかったです(笑)。

 

お兄様方がやってくださっていたことを僕がやらないと

 

──キャストが変わるとカンパニーそのものの雰囲気も変わりそうですね。

 

加藤 以前は30歳オーバーの方も結構いらっしゃって、お兄様方という感じがありましたね(笑)。顕作さんと何度もご一緒して、プライベートでも親交がある方もいらっしゃって、その方々が顕作さんからの「この作品の世界観はこうやって作っていくんだよ」ということを感じ取って引っぱってくださったんです。シーズン2では、お兄様方がやってくださっていたことを僕がやらないと、今回は僕がその立場になったんだって思いました。

 

──新作『ファントム』は濃いキャラクターも増えて、見どころも盛りだくさんになりそうです。

 

加藤 新しいキャラクターであるザカーリを演じるさとちゃん(佐藤永典)は同じ年で共演したことはありますが、ガッツリ同じ舞台をやるのは初めてなんです。顕一さんの學蘭歌劇『帝一の國』という舞台に出演していたさとちゃんがザカーリをどう演じてくれるのかという楽しみもあります。そしてミスターフーを演じるいくみん(井阪郁巳)は、同じ事務所で一緒に活動もしていたんですが、お芝居をガッツリやるのは初めて。彼がミスターフーという超能力者をどう演じるのかも楽しみですし、後藤 大くん演じるマライヒも含めた3人でバンコランを取り合うらしいので、その恋模様も見どころかなと思います(笑)。そしてタイトルにもなっていますが、ファントムの正体は誰なのかというミステリー要素も楽しんでいただけたらいいなって思っています。

 

「この瞬間がおいしい!」って切り取り方にグッときたら買ってしまいます

 

──ここからは「モノ」や「コト」に関するお話をお聞かせください。現場や仕事に必ず持っていくものがあれば教えてください。

 

加藤 前回はみんなとゲームする用のNintendo SwitchとポケットWi-Fiでしたけど……僕は持ち物がすごく少ないんですよ。荷物はだいたいリュックひとつ。持ち物というか、ウーバーイーツを配達する人が背負っているカバンがありますよね? あれがすごくイケてるなと思って(笑)。容量もいっぱい入るので、旅公演のときにウーバーのリュックを背負って行きます。以前飛行機で大阪に行ったことがあって、ちょうど芸人の丸山 礼ちゃんと会ったんですね。その後、荷物が流れてくるベルトコンベアに僕のウーバーイーツのリュックが流れてきて、出てきた時点でざわついていることが分かるんですよ(笑)。“やば、みんなざわついてる!”と思ったんですけど、リュックを取って背負ったら、礼ちゃんからすぐ「諒さんのかい!!」って連絡が来ました。

 

──何泊くらいからウーバーのリュックになるのですか?

 

加藤 2、3泊だとウーバーのリュックになりますね。旅公演に背負っていって、駅のホームでキャストのみんなに会うと、「え、その発想はなかった! 真似していい?」って言われたりするので、「結構、流行の最先端行ってるんだな、自分」って思います(笑)。

 

──今後役者さんたちの間で流行るかもしれないですね(笑)。ではつい集めてしまうものはありますか?

 

加藤 食品サンプルが大好きで、ガラスケースの棚にバーッと並べています。合羽橋とかに行くとお財布が緩んじゃいますね。「この瞬間がおいしい!」って切り取り方にグッときたら買ってしまいます。

 

──特にお気に入りの食品サンプルは?

 

加藤 僕は卵かけご飯が大好きで、卵かけご飯の食品サンプルはお気に入りですね。「まいづる」さんというお店で買ったものなんですが、今は閉店してしまったので幻の作品です。生卵がご飯の上に乗っていて、ちょっと醤油を垂らした感じが表現されていて、本当においしそうなんです。ふたをペリってめくった途中のツナ缶もいいんですよ。ツナのオイリー感が表現されていてお気に入りです。

 

──ではつい熱くなってしまうものは?

 

加藤 最近はガチャオタクですね。楽屋弁当シリーズがあるんです。今半、喜山飯店、おつな寿司といった食品サンプルがあってやっちゃいますね。発売日を調べて、これはすぐなくなってしまうであろうものは早めに回しに行くようにしています。最近は駅の中にガチャが置いてあって、自分が狙っているものがポッとあったりするので、そういうときは3回は回します。かぶったものはマネージャーさんにあげたりしますよ。「これ良くない?」って楽しさを共有したいので(笑)。最近よく一緒にいる友達もガチャにハマっていて、その子と動物園に行くことにもハマってます。今、動物園も僕の中で激アツ案件です。

 

──動物園にハマったきっかけは?

 

加藤 その友達が年に200回くらい動物園に行ってる人なんです。いろんな動物園に連れていってくれて解説もしてくれます。もちろん最初は動物をかわいいなと思っていたんですが、最近は動物を観にくる常連客や飼育員さんも気になってます。自分たちは(飼育員さんを)飼育男子と呼んでいるんですが、飼育男子の人たちにいろいろお話を聞いたりするのも楽しいです。多摩動物園に推しがいて、すごく優しい人なんですよー。

 

──推し飼育男子は新しいですね(笑)。

 

加藤 飼育男子グッズも本気で欲しいと思っていたんですけど、天王寺動物園に飼育員さんが写ったタオルハンカチが売っていて、「これレアじゃん!」と思って全種類買いました(笑)。

 

 

舞台「パタリロ!」〜ファントム~

東京:2022年9月1日(木)~9月11日(日)天王洲 銀河劇場
大阪:2022年9月17日(土)~9月19日(月・祝)サンケイホールブリーゼ

 

(STAFF&CAST)
原作:魔夜峰央「パタリロ!」(白泉社刊)
脚本:池田テツヒロ
演出:小林顕作
出演:加藤 諒、宇野結也、後藤 大、佐藤永典、井阪郁巳、原嶋元久、佐川大樹、田村升吾、武本悠佑、小沢道成、愛太、笹尾ヒロト、中村 中、丘山晴己

★日替わりゲストも出演!

 

撮影/関根和弘 取材・文/佐久間裕子 ヘアメイク/大西智雄 スタイリング/久保田姫月