どの町にもある、美味しい中華料理とお酒を気取らずに楽しめる懐の深い町中華。町々の趣ある町中華の名店をめぐる『町中華で飲ろうぜ』(BS-TBS/毎週月曜日22時~)が大人気だ。町中華を探訪するのは、通称・たまちゃんこと“町中華の黒帯”玉袋筋太郎さん、そして飲みっぷりと食べっぷりが見事な2人の美女だ。長年、たまちゃんと番組を盛り上げた高田 秋さんと坂ノ上 茜さんが卒業し、4月からは元乃木坂46で、ファッションモデル・女優の樋口日奈さんと、女優の清田みくりさんが選ばれた。番組二代目メンバーの1人・樋口日奈さんに、町中華の魅力と番組これから、そして「焼酎ソムリエ」の資格を持つほどの酒飲み(?)だという知られざるプライベートについても伺った。
【樋口日奈さん撮り下ろし写真】
『町中華で飲ろうぜ』は人情味が感じられて、見ていて心が和らぐ
──『町中華で飲ろうぜ』はご覧になっていましたか?
樋口日奈(以下、樋口) はい。『町中華で飲ろうぜ』を見るようになったのは、初代の高田 秋ちゃんがきっかけです。以前、秋ちゃんと2年半ぐらいラジオでご一緒させていただいたこともあって、秋ちゃんのInstagramを拝見していました。それで番組のことを知って、見るようになりました。
──番組で活躍されている秋さん、それから番組に対してどんな印象をお持ちでしたか?
樋口 秋ちゃん、たまさん、坂ノ上さん、皆さんすごく自然体だなと思って見ていました。飲んだり食べたりしたら味を一生懸命伝えなきゃいけない街ブラや食レポの番組とは全く違って、お休みの日に一緒に町中華へ行っているような感覚になるくらい自然体なんですよね。あと、番組の映像、それからオープニングとエンディングの曲も含め、見終わった後に「明日も頑張ろう」という気持ちになって、一日のいい締めくくりになるんです。それがこの番組の魅力なんだなって思いました。ちょっと気分が落ち込んでいる時に見ると、エンディングで泣きそうになるんです。なんだか人情味が感じられて、見ていて心が和らぐからかもしれません。
──ファンだった『町中華で飲ろうぜ』にご自身が出演されることになったわけですが、実際にロケをしたり、オンエアを見た感想はいかがでしたか?
樋口 ロケはすっごく楽しくて、初回のロケからお酒をたくさん飲んでしまいました(苦笑)。私自身は楽しかったんですけど、オンエアを見た時に些細なことにもケラケラ笑っていて、『あれ、もしかして私、ちょっと騒がしいかな?』って思いました。私を応援してくださっている方は、私の性格もわかってくださっているから「いつもの樋口だな」という感じで見てくれたと思いますが、長年いろんな方に愛されてきた『町中華で飲ろうぜ』の良さは、のんびりと見られる雰囲気ですよね。
でも、「初代のメンバーと同じようにやらなきゃ」とか、反対に「二代目の私が変えなきゃ、違ったものをお届けしなきゃ」とか、そういう気負いがあるわけじゃないんです。ただ、ロケであまり力みすぎなくていいんだなっていうことは、初回の放送を見て勉強になりましたし、ちょっと反省もしましたけど、これから番組をやっていく安心感にも繋がりました。
“サク飲みサク食べ”ができるのも町中華
──『町中華で飲ろうぜ』はお酒を飲む番組ですから、ロケが進むと酔いも進んでつい楽しくなっちゃったりしますよね。ロケの要素としてそこは難しくはないですか?
樋口 2回目のロケでは、初回の反省を踏まえて、落ち着いたテンションで行こうと初めはすごく気を付けていたんです。でも、お酒が進むとやっぱり楽しくなっちゃって……ロケが終わってお家に帰ってから、「また私だけが楽しんで終わったんじゃないか」っていう気持ちになりました。そこを反省しつつ、オンエアはもう一回自分を客観的に見て……あぁ、やっぱり見るのが怖いなぁ。カメラがあると、自然にスイッチが入ってしまう自分がいるんだろうなって気づいたんですが、『町中華で飲ろうぜ』に出演させてもらうことになったからには、私の中でこれまでとまた違う楽しみ方、取り組み方を見つけたいなって思いました。
──じゃあ、今後の番組での樋口さんの成長を見届けるしかないですね。
樋口 温かい目で見守っていただけたらうれしいです!
──ところで、樋口さんは小さい頃に町中華に行かれた経験がなかったとか?
樋口 そうなんです。家の近所に町中華のお店がなかったこともあって、あまり馴染がなかったです。13歳の時に芸能界に入ってから、ロケ弁で初めて中華料理を食べました。酢豚だったんですけど、「中華ってこんなに美味しいんだ」って気づきました。それまで意識していませんでしたが、いざ周りを見渡したら町中華は身近にあることにも気づきました。その後、大人になってからは一人で行くようになりましたね。
──お一人で町中華に行くこともあるんですか?
樋口 あります。舞台の稽古終わりや本番終わりに近くの町中華に一人で行くこともありますし、キャストの皆さんとご飯に行く時にも町中華に行くことが多いんです。一人で行って好きなものを食べるのもいいし、大人数でたくさんメニューを頼むのもいいっていう町中華の楽しみ方を、キャストの先輩方に教えてもらいました。サクッと行って食べて飲んで、サクッと帰る。その“サク飲みサク食べ”ができるのも町中華の魅力だなって思います。
番組で初めて葛飾区と江戸川区に伺って、改めていろんな場所にいろんな町中華のお店があるんだなって気づきました。これから、たくさんのお店と人に出会えるのが楽しみです。
来てくれるお客さんに寄り添う柔軟性が、町中華の魅力
──ロケで何かびっくりしたようなことってありますか?
樋口 町中華のメニューの数ですね。優に100を超える数のメニューがあるんです。お店の方にお話を聞くと、常連さんや来たお客さんの好みに合わせたり、中華ではなくてもお客さんの食べたいメニューを足していくうちに数が増えたということでした。お刺身があるお店もありました。そういうお客さんに寄り添うお店の方の姿勢にすごくびっくりしました。普通のお店ではあまりないことだと思うし、来てくれるお客さんに寄り添う柔軟性が、町中華の魅力なのかなと思いました。
──町中華のメニューでお好きなものってあるんですか?
樋口 ピータンですね。食わず嫌いだったのですが、町中華でピータンを初めて食べてみたらすごく美味しくて新発見でした。あとは餃子も好きですし、夏には冷やし中華もよく頼みます。
──番組は、秋さんはご自分の追求しているメニューとして「きくらげ玉子炒め」がありました。いずれ樋口さんも、追求するメニューが出てくるのかなと楽しみにしてます。
樋口 初めて食べた時、美味しさに衝撃を受けたこともあって酢豚も好きなので、酢豚は追求してみたいです。たまさんと秋ちゃん、坂ノ上さんは酸っぱい系のメニューをあまり選ばなかったと聞いています。私は酸っぱい系は結構好きなので、チャレンジしたいなと思っています。
──そもそも食べることはお好きなんですか?
樋口 好きですね。自制をかけないとたくさん食べてしまうので、普段から気を付けたりバランスを考えて食事するようにはしています。でも『町中華で飲ろうぜ』のロケでは気にせず食べたいから、事前にしっかり調整してロケの日を楽しみにしています。ロケではたくさん食べています。本当に美味しいんですよ!
──番組は、町中華で”飲む”ことがメインです。お酒はどのくらい飲まれるんですか?
樋口 お酒は、毎日飲むということはないし、一人で飲む時にもたくさんは飲まないです。でも、打ち上げや友達と飲みに行く時は我慢せずに飲みたいので、自分の中でストッパーをかけずに飲んでいます。翌日の早い時間に予定が入っていなかったら「よし、飲むぞ」って気分になります。飲む量は、一緒に飲む人がいれば飲むし、飲まないんだったら飲まないという感じで調整できるタイプです。
お酒が入るとその気持ちが溢れちゃって、ついダル絡みしちゃう
──番組を見てもわかりますけど、飲むと陽気になるタイプですか?
樋口 そうなんです。テンションが上がっちゃって、なんでも楽しくなってしまうんです(笑)。そうなる理由として、もともと人が好きだっていうのはあるんです。私はお仕事で一緒になったり、少しでも時間を共にすると、相手を自動的に「もう大好き!」ってなっちゃうんです。お酒が入るとその気持ちが溢れちゃって、ついダル絡みしちゃうのは友達から指摘されたことがあるので、気をつけたいと思います。
実は1回目のロケで、お店の方にハグしてしまったんですよ。私、特に意識せず自然としていたのですが、あとでスタッフさんに改めて教えてもらいました。その時は初ロケで緊張していたんですが、お店のお父さんがすごく優しくしてくださって、いろんなお話をしてくださったり、気にかけてくださったりしたから、もう「お父さん好き!」ってなっちゃったんだと思うんです。お酒を飲むと愛が溢れちゃうけど、これからはその距離感に気を付けて、ちゃんと言葉で伝えられるようになっていきたいと思いました。
──樋口さんは焼酎コンシェルジュ、焼酎ソムリエの資格をお持ちです。どんなきっかけで取得されたんでしょうか。
樋口 コロナ禍の時に、時間ができたことで何かを勉強したいと思ったんです。都内にあるアンテナショップへ行って、全国各地の焼酎を買って飲んでいるうちに、焼酎についてお勉強してみたいと思うようになりました。北海道の昆布焼酎を飲んだこともきっかけの1つです。お勉強したっていう気持ちがあると、またお酒の楽しみとか、嗜み方が変わってくるのかなと思って資格を取りました。ずっと続けていないと知識が薄れていってしまうので、たまに教材を見返したりもしています。もっともっと勉強したいなって思いますね。まだ知らないお酒、飲んだことがないお酒もたくさんあります。町中華のロケで、初めて紹興酒をいただいたんです。なんとなく私は苦手なのかなって思い込んでいましたが、いざいただいてみたらすごく飲みやすかったです。
町中華の裾を広げられるようにしたい
──ちなみに、番組ご出演にあたって秋さんからアドバイスをもらったそうですね。どんなアドバイスを?
樋口 秋ちゃんには”なーひー”って呼ばれているんですけど、「なーひーなら大丈夫だから、楽しんで」ということと、「頑張りすぎなくていいんだよ」とアドバイスをもらいました。秋ちゃんも、試行錯誤をしながら番組をやっていらっしゃったみたいで、「頑張って飲まなきゃとか、そういうことを考えずに楽しんだらいいと思う」ということを教えてくれました。
私も初めは不安でしたが、「スタッフさんが本当に愛のある方々だから緊張しすぎず、怖がらなくていいんだよ」って秋ちゃんが言ってくださったんです。「みんな家族のようだから大丈夫。絶対楽しいから」って。それで実際に撮影現場に入ってみたら、ほんとにそのとおりでした。
──すでに番組にしっかり馴染まれているように感じます。これからどんな番組にしていきたいですか?
樋口 番組ファンの皆さんに、素敵な時間をお届けすることが大前提で、新しいこととしては、等身大の私が町中華を楽しむことで、私と同年代の方や女性の方、まだ思い切ってお店に入れていない初心者の方に、町中華の裾を広げられるようにしたいです。それが今回二代目に選んでいただいた私が、できたらいいなと思っている役割の1つです。
ロケに行くときは毎回、お料理を食べやすい髪形だったり、お酒を飲みやすい洋服について自分の中で作戦会議をしています。最近は洋服を買う時に、「これだと飲んでも食べてもきつくならないぞ」とか考えるようになっています(笑)。町中華に行くときはこういう服装がいいよとか、そういう視点も新たな楽しみ方としてお届けできたらいいなと思っています。
(清田)みくりちゃんと私は、前任の秋ちゃんと坂ノ上さんと同じぐらいの年の差なんです。だから、みくりちゃんとはお互い違った楽しみ方、見せ方をできたらいいなと思っています。楽しみながら、試行錯誤して、番組に貢献できるように頑張ります。
長年の番組ファンの方にも認めてもらえるように頑張りたい
──番組内で、秋さんは“町中華姐さん”、茜さんは“町中華娘”なんていうニックネームで呼ばれていました。樋口さんにはどんなニックネームが付くでしょうね。
樋口 どうなるでしょうね。ニックネームは自然とついてくるものというか、番組に馴染みが出てくると生まれるものだと思います。 だから私自身も、どうなるんだろうって楽しみです。
──最後に『町中華で飲ろうぜ』のファンの方、それから樋口さんがきっかけで新たに番組を観るようになった方に、一言メッセージをお願いします。
樋口 町中華の良さは、温かみがあるところだと思います。1回行っただけのお店なのに、お店のお父さんの顔が忘れられなくて「あのお父さん元気かな」「またお店に行ってみようかな」ってふとした時に思い出したりするんです。そういうところが、他の飲食店さんに入った時とはまた違う感覚なんですよね。町中華に行くと心が温かくなるし、元気な常連さんからパワーをもらって自分も活気づく感じがするんです。自分も元気になるし、それから町中華のある町自体も盛り上がる感じがします。
町中華ファンの皆さんとは引き続き一緒に楽しめたらいいなと思いますし、今回私の出演がきっかけで番組を見始めたという方がいらっしゃったら、自分なりの町中華の楽しみ方を見つけてもらえたらと思います。私もまだ町中華の世界に足を踏み入れたばかりですけど、堅苦しいルールはないし、第一歩を踏み込みやすいところが町中華の良さなので、一緒に楽しめたらと思います。あと、周りのスタッフさんからのアドバイスや、番組ファンの方の声は素直に受け止めたいです。番組を見ていて樋口に何かアドバイスがあったらどんどん言ってほしいです。二代目として、長年の番組ファンの方にも認めてもらえるように頑張りたいと思います。
──力強い決意、しかと聞きました。二代目として引き続き番組を盛り上げて下さいね。番組のファンとして応援しています!
樋口 はい、よろしくお願いします!
町中華に飲ろうぜ
BS-TBS 毎週(月)午後10:00~11:00
6月24日(月)の放送は「浅草SP」。玉袋筋太郎は裏浅草、奥浅草を巡る。1軒目は大正時代に開業したという「あさひ」。3年前の冷やし中華SPで1度訪れた店。まずは瓶ビールとつまみに、「やきぶた」と大好きな「パクチー」をトッピングで注文。店のアルバイトで、民謡歌手の平山里美さんの素敵な歌声に、玉袋も思わずカタい「緑茶ハイ」を何杯もおかわり。その後、2軒目は台東区橋場の「洋食中華わたなべ」を訪れる。一方、樋口日奈は“表”の浅草を巡る。1軒目は、東武浅草駅から徒歩8分ほどの「ぼたん」。昭和23年開業で、過去に番組でお世話になった町中華。まずはいつもの瓶ビールに「餃子」を注文し、人生初の「天津飯のアタマ」を堪能して、お目当ての「オムライス」に大感激。1軒目から、浅草の老舗でこれまでにない町中華の成り立ちに触れる。2軒目は、5年前の第1回放送で玉ちゃんがお世話になった「中華カド」へ。
公式HP https://bs.tbs.co.jp/machichuka/
構成・撮影/丸山剛史 執筆/牛島フミロウ