昨年末アディダスが発表した「Ultraboost 19」は、”ランニングに対する考えをゼロから見直す”というコンセプトのもと、シルエットからコンポーネントまでを徹底的に見直した意欲作。制作過程においては、約4000人ものランナーと共同作業を重ね、よりリアルなランナーの声を取り入れたのだそう。
よせられたフィードバックの結果、多くのランナーが望んでいるのは”より少ないパーツで構成された、シンプルかつ高性能なシューズ“という1つの明瞭な答えにたどり着いたアディダス。ランナーの希望を実現させるために、従来のUltraboostに使用されていた17ものパーツをゼロから見直し、4つのキーコンポーネントを中心に再構築。ランナーが本当に求めていた、快適性を実現させました。
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Ultraboost 19が目指した快適性は、日常生活の中で「ランニングしたくなる」レベル。つまり、日々のウォーキングとランニングの両面で優れた機能性を確保していること。実際にどれほどの機能性があるのか、業界でもシューズ知識が豊富と定評があり、プライベートではアウトドアにも造詣が深い、ファッションPRプランナー・嶋田さんに一週間使い込んで頂きました。
–嶋田さんは日頃からランニングを行なっているとのことですが、どのようなスタイルで楽しまれているのですか?
嶋田 普段は基本的に仕事が終わった後、夜の時間帯にランニングをすることが多いですね。時間として1〜1時間半、距離として10~15km程度走っています。だいたい週3日ほど走ることが多くて、休みの日に関しては奥多摩など関東近辺の山に行って走ります。山に行く時は、いつもより長めの20~25km程度を目安に、ゆっくりと風景を楽しみながら走るのが好きですね。
–ランニングをする際のこだわりや、ルーティンを教えてください。
嶋田 特段こだわっていることはないのですが、走る時はルーティンとして必ず音楽を聞きながら走るようにしています。ジャンルは4つ打ち系のダンスミュージック! BPMも走るのに最適ですし、高揚感が得られるんですよ。あと、単純に走っているシーンや風景とリンクするというか、少しギラついた夜の風景とダンスミュージックってマッチするんですよね。都会で走るランナーならではの楽しみ方かもしれません。
–嶋田さんには、事前に『Ultraboost 19』を1週間ほど履いていただきましたが、シューズとしての率直な感想はいかがですか?
嶋田 ニット系のランニングシューズって、フィット感が弱いイメージを持っていたのですが、『Ultraboost 19』を履いてみてその印象は変わりました。初めて履いた時、あまりのフィット具合に「おっ!」と声を上げてしまうほどでしたね(笑)
本当に靴紐がいらないんじゃないかと思うくらいで、全体をキュッと締め付けてくれるんですよね。ただ、素材が柔らかいおかげで窮屈さは全く感じず、本当にいい具合に足に馴染みました。
–実際に走ってみた時の印象はいかがでしょう?
嶋田 走ってみると、推進力があるというか足の運びが凄くスムーズになった印象を受けました。時間を計測して走ってみたんですけど、いつもと同じ感覚で走っているのにも関わらずタイムが縮まったんですよ!本当にシューズを替えただけなのに、こんなに変化が出るものなのかと、正直驚いてしまいましたね。
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–ランニング後、身体の反応はポジティブなものでしたか?
嶋田 長距離を走った後の疲労感は全くありませんでした。今までのシューズだと、長距離を走ると身体のどこかしらに張りが残ったりして「少し走りすぎたかな」という感覚を覚えることが多かったんです。でも、Ultraboost 19に関してはそれが一切ない。このままもうちょっと走ってしまおうと思うくらい、身体へのストレスが少なかったですね。
–ランナーによって、シューズに求める機能性や役割は異なると思います。嶋田さんはランニングシューズを選ぶ際どのようなポイントを意識しますか?
嶋田 昔は「タイムを伸ばしたい」「少しでも速く走りたい」という気持ちが強かったので速く走るための機能面を意識していたのですが、一度大きな怪我をしてからランニングスタイルを変えたんです。今ではスピードやタイムよりも「長い距離を気持ちよく走ろう」という気持ちが強いので、シューズに求める部分も安定性や、フィット感、足のホールド感など、どれだけ怪我をしにくい作りになっているかを重要視するようになりました。
Ultraboost 19に関しては、履いた時のフィット感だけじゃなくてホールド感もしっかりとあったので、ケガ予防の観点からも優れたシューズだと感じました。走っている時に、かかと部分がブレないので足に余計なストレスをかけないんですよね。
また、“足裏感覚”のようなものも凄く感じました。今まで履いてきたランニングシューズだと、地面の凹凸はあまり感じたことがなかったのですが、Ultraboost 19はそれがダイレクトに伝わってくるんです。だから、自分の足裏で地面をギュッとグリップしているような感覚が得られましたし、着地時のクッション性もしっかりしているので足がナチュラルに推進していく心地良さを感じながら走ることができました。
–機能面の他、ルックスでこだわる部分はありますか?
嶋田 どちらかと言えば、シンプルなデザインのシューズを好んで履くことが多いです。あまりゴチャゴチャと装飾をしているものよりも、1つのテーマに沿っていて統一感のある見た目のシューズのほうが、ウエアにも合わせやすいですし飽きがこないんですよね。
–嶋田さんには、私服コーディネートでも『Ultraboost 19』を履いていただきました。今日のコーディネートのポイントを教えてください。
嶋田 Ultraboost 19に合わせるコーディネートのポイントは、全体を覆うニット感をどう活かすだと思います。今日の私のコーディネートも、格子状になってるニット構造に合わせて、ギンガムチェックのシャツを取り入れています。パーカーの裾からチラッっと見せることで、さりげなく統一感を出しました。
これからの春先なんかは、ざっくり目のコットンニットなんかと合わせてあげてもオシャレだと思います。シューズの形状も色味もシンプルなので、比較的どんな服にも合わせやすいですし、カラーバリエーションによってもスタイリングの趣向を変えられるので、アイテムとしても使い勝手が良いはずです。
–普段の私服にもスポーティーなテイストを取り入れているとお伺いしましたが、シューズやスニーカーにはどういったルックスを求めますか?
嶋田 私服に合わせるシューズも、なるべくシンプルなものが良いですね。今だと色んなハイテク系シューズも流行っていますけど、個人的には「デザインされすぎているな」という印象を受けちゃうんですよね。個性はあるんですが、逆に靴に履かれてしまっていて支配される感じというか……。
やはり好みとしては、ソリッドでシュッとしたタイプのスニーカーを選ぶことが多いです。ただ、統一感がある中でも一部分だけ差し色で違うテイストを入れてみるとか、シンプルながらどこか遊び心があるシューズには惹かれます!
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–嶋田さんが考える、Ultraboost 19に最適だと思うランニングシチュエーションはどういった場面でしょうか?
嶋田 やはり、都会を走るシティーランのシチュエーションですよね。ポイントカラーもピンクが入っていたりと、ネオンをイメージさせてくれますし、都会の光の中を走り抜けていくにはぴったりなシューズだと思います。
なんとなくのイメージですけど、渋谷・原宿が連なる明治通りをガーッと駆け抜けたりとか(笑)東京の中でも、特にスタイリッシュで洗練された風景の中を走っているシチュエーションを思い浮かべますよね。
–今回Ultraboost 19を履いてみて、どのようなライフスタイルを送る方にオススメしたいと思いましたか?
嶋田 普段の生活の中に、自然とスポーツ(運動)が組み込まれているようなライフスタイルの人には特にオススメです。歩いたり走ったりすることへのストレス感が軽減されるので、いつもはエレベーターを使うところを「今日は階段を登ってみようかな」と自然に思えそうですしね!“仕事も遊びもアクティブにこなす”、そんな都会的な生活を送っている人に最適なシューズなのではないでしょうか。
Ultraboost 19をあらためて紹介!
2015年の販売開始以来、抜群の履き心地とタウンユースでも違和感のないスタイリッシュなデザインで、多くのランナーを虜にしてきたUltraboostシリーズの最新モデル。従来のモデルを分解し、構造をゼロから見直すことで、17個のパーツから4つのキーコンポーネントを中心に再構成した「adidas running」渾身の意欲作。
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オプティマイズドBOOST™フォーム
初期のコンセプトとして、“着地時のエネルギーを推進力として還元し、ランナーとシューズの間にポジティブな反発を生み出す”ことを掲げていた「BOOST™フォーム」。今回の『Ultraboost 19』では、初代のUltraboostよりもBOOST™フォームを20%増量搭載したミッドソールを実装。
トルションスプリング
ミッドソールのオプティマイズドBOOST™フォーム内に組み込まれた、これまでよりも長いデザインのトルションスプリング。着地するごとにミッドソールと連動して、ランナーのスムーズな足運びを助ける。
プライムニット360
アッパーの「プライムニット360」は、靴下のように縫い目のない“シームレスウーブン”のテクノロジーを採用。まるで、シューズが足の一部になったかのような快適な履き心地と、これまでにないフィット感を実現。
3Dヒールフレーム
かかと部分に採用された「3Dヒールフレーム」。中心部を省き必要なものだけを残した革新的なデザインは、頑丈な作りながら「プライムニット360」に調和する素材で構成。足の動きに合わせ、かかとをしっかりとホールドしながら、同時にアキレス腱もサポート。
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執筆/山下貴將 撮影/小渕良知