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2018/3/27 21:38

【90年代の伝説ロボ!】ダイレンジャー「DX大連王」25年ぶりの再会に思うこと。地味なようで超スゴイ“豪華復刻版”というあり方

1993年に放送された、スーパー戦隊シリーズ第17作「五星戦隊ダイレンジャー」。最近では、女優の有村架純さんが作品の大ファンぶりを公言したことでも話題になった作品です。今回はこの「ダイレンジャー」に登場した合体ロボがとにかくスゴかったというお話。

↑バンダイ「五星戦隊ダイレンジャー 五星合体 DX大連王」(2017年「戦隊職人」版。以下の写真はすべて本製品のもの)

 

25年前とそっくりの巨大なパッケージ

中国武将をモチーフにした斬新なデザインと、鎧をまとうような美しい合体。「大連王」(だいれんおう)と呼ばれた巨大ロボは、バンダイから発売されたおもちゃのクオリティも相まって伝説的存在になった一体です。

 

それから20年以上が経った昨年、ファンからの声に応えるカタチで、バンダイは1993年発売のおもちゃ「DX大連王」を現代によみがえらせることを発表。単なる再発売ではなく、旧商品の細部を改善してクオリティアップを図る、言わば“豪華復刻版”としてのプロジェクトでした。

 

価格は2万3760円(税込)。さまざまな条件から、大人が本気を出さないと買えないレベルの値段が付くことになりました。そのうえで、一定数の予約申し込みがあって初めて販売が決まる「リクエスト販売」形式がとられ、2017年7月までの期間限定で受注を実施。

 

結果、この高価格ながらも受注開始後わずか1日でリクエストを達成し、販売が決定。さらに開始3日でリクエスト数は3000個を超えるなど、当初よりかなりの注目を集めながら受付を終了しました。

 

あれから待つこと8か月……。ついに商品がファンの手元に届く日がやってきました。

↑高さ50cmとなかなか巨大な「DX大連王」のパッケージ。このパッケージ自体も1993年版の見た目をほぼ忠実に再現しているのがポイント

 

5体の伝説獣が合体!

「大連王」は、龍や獅子など5体の伝説獣=“気伝獣”が合体して完成する巨大ロボ。「DX大連王」にはダイレンジャー5人のミニフィギュアも付いており、5体の気伝獣に乗せて遊べるようになっています。

↑気伝獣・龍星王(りゅうせいおう)。リュウレンジャーのミニフィギュアを頭に乗せることができる

 

↑細かく動く関節で、ウネウネした龍の体つきを巧みに再現している龍星王。気伝獣の状態で全長約54cmとかなり大きい

 

↑気伝獣・星獅子(せいじし)とシシレンジャーのミニフィギュア

 

↑気伝獣・星天馬(せいてんま)、星麒麟(せいきりん)とテンマレンジャー、キリンレンジャーのミニフィギュア

 

↑気伝獣・星鳳凰(せいほうおう)とホウオウレンジャーのミニフィギュア

「龍星王」25年ぶりの再会と感慨

「大連王」は、スーパー戦隊で活躍するメインのロボ(いわゆる1号ロボ)としては劇中での出番が遅めで、初登場は第8話まで待つことになります。そのかわりに、5体合体の中心になる「龍星王」は単独でも人型ロボに変形することができ、番組初期より活躍。当時は「龍星王」のおもちゃが単体でも発売されており、筆者の子ども時代にも「龍星王」だけは買ってもらえたことを覚えています。

 

この「龍星王」は単体で商品化されただけあって、当時から非常によくできていました。人型ロボが股を広げた状態を龍に見立てる変形機構が秀逸で、わりとシンプルな変形なのにとても楽しい。この変形を25年ぶりに体感できたのは感無量……! しっぽの黒いパーツ、当時はわりとすぐになくしたような気がする(笑)

↑龍星王の変形。まずは龍の頭と尾の部分を外す

 

↑龍の首の部分がロボの足に、前足・後ろ足はロボの両腕に変形する

 

↑龍のしっぽと頭部のパーツを取りつけて気伝武人・龍星王が完成

 

↑右の拳はパーツの差し替えに対応。新たに、手首を回転させロッドを振りかざす劇中のアクション(「飛龍棍大風車」)を再現できるようになった

 

5体合体のわくわく感が半端じゃない

そして、(個人的には25年越しの初体験になる)5体合体です。しかしその前に、「龍星王」以外の4体が合体するという設定がありました。

↑気伝獣・星獅子(せいじし)、星天馬(せいてんま)、星麒麟(せいきりん)、星鳳凰(せいほうおう)の4体を合体させた「天空気殿」

 

この「天空気殿」、プレート状の台座(台車)に4体をちょこんと乗せているだけなので“合体感”はそれほどないものの、合体前にワンクッションがあることで遊びの幅が広がっています。あと、台車を使ってコロコロ転がせるようになっているのがうれしい。子どもの大好きな転がし遊びは大人向けのおもちゃで省略されがちなギミックですが、当時ものの復刻版である「DX大連王」にとっては案外大事なポイントだったりします。

 

「天空気殿」に「龍星王」を加えたら、いよいよ5体の合体です。

↑気伝武人・龍星王を天空気殿に乗せた状態

 

↑5体が合体体制へ……

 

↑「星天馬」「星麒麟」が両足に、「星鳳凰」は腰に。「龍星王」を包む鎧のように合体していく

 

↑そして「星獅子」が胴体と両腕に

 

↑最後に兜のパーツを取りつければ完成!

 

↑腰には剣(大王剣)を携える

 

全高約34cmとボリューム満点、「DX大連王」の完成です。全身にはけっこう細かい模様が施されているのがわかりますが、1993年発売版ではそのほとんどが購入後に貼るシールで表現されていました。新しい「DX大連王」では全身が塗装済みになり、シールを1枚も貼らなくても写真のように完璧な出来ばえになるのがすごい。

細かいパーツの交換で必殺技シーンを再現!

完成したら直立させておくだけでも画になる「大連王」ですが、遊びはもうちょっと続きます。金・銀メッキがきらめく立派な武器を構えさせてみましょう。

↑ダイジャベリン(槍)と大王剣という2種類の武器を持たせることができる

 

劇中での「大連王」には、稲妻ほとばしる「大王剣」を構えてとどめの一撃とする「大王剣・疾風怒濤」なる技があります。新しい「DX大連王」では、この印象的な必殺技を再現するために細かい工夫が加えられました。

↑“疾風怒濤バージョン”の交換用マスクと大王剣

 

1つは、技を決める瞬間のイメージに近い黄色のクリアパーツ版「大王剣」。そしてもう1つは、(ゴーグルの奥に見える)両目が発光した瞬間を表現した頭部のマスク。これらが新たに付属し、付け替えが可能になっています。

 

さらに、旧商品の「DX大連王」ではロボの首部分が回らなかったため、これを改善し可動式にしたことで首の向きも調整できるように。実際にパーツを差し替え、写真を撮るときのライティングなどを工夫したらここまでイイ感じになりましたよ。

↑「大王剣・疾風怒濤」!!

 

実質的には作り直しなのに……“復刻”にこだわったすごさ

とにかくカッコよく、デカく、リッチな合体ロボとしてマニアには有名な「DX大連王」。中古玩具ショップではプレミアがつき、見かけるたびに「うらやましい……」と思っていた、あの憧れのロボがいま新品で遊べることがまず奇跡的でした。

 

20年以上前に生産が終わったおもちゃゆえに、当時の金型や設計データは残っておらず、実質的にはほぼ作り直しになったという本製品。それでも“リメイク”ではなく“復刻”の作りかたにこだわったのは、当時のおもちゃを知るファンからすると英断だったと思います。しかも、普通だったら「リニューアルVer.」など銘打つところを“商品名まで当時と同じ”にするという徹底ぶり(記事を書いていて、実にややこしい)。しかし、そうした常軌を逸したレベルのこだわりが、新しい「DX大連王」を輝かせてくれたことは間違いないでしょう。

↑「天宝来来(てんぽうらいらい)の玉」。「DX大連王」リクエスト販売3000個達成を記念した特典として商品に付属

 

そして現在。「DX大連王」の好評を受け、「ダイレンジャー」の2号ロボが再びリクエスト販売というカタチで予約を受け付けています。

↑バンダイ「五星戦隊ダイレンジャー DXウォンタイガー」(1万4400円/税込) ※画像は開発中のものです。(リクエスト販売の受付ページより転用)

 

ダイレンジャー6人目の戦士・キバレンジャーの専用ロボで、虎から人型に変形する「ウォンタイガー」。こちらも1993年当時の玩具をベースに、全面的にクオリティーを向上した豪華復刻版です。「DX大連王」のデキを見る限り、こちらもかなり期待できそう。

「DX大連王」を持っていれば、星天馬、星麒麟、星獅子、星鳳凰の4体を合体させて新たなロボ「牙大王」(きばだいおう)にすることもできます。

 

「DXウォンタイガー」の予約受付は2018年3月30日(金)23時まで。「これは!」と思った方はいますぐWebサイトにアクセスを。

 

■プレミアムバンダイ「五星戦隊ダイレンジャー DXウォンタイガー」リクエスト受付ページ
http://p-bandai.jp/item/item-1000119963/

 

(c) 東映