本連載ではGetNavi web編集長・山田佑樹が日々の生活で愛用している品々を紹介していきます。
【#愛用品 Season2-5:whatever inc.「積紙」】
●起
積紙と書いて「つみし」と読む。積木(つみき)を木ではなく、紙で作ったものというのが近い。「近い」というのは、この商品の本質は積む以外にもあるからだ。次の段で触れたい。
●承
楽しみ方は簡単だ。8種類20個のパーツを好きなように組み合わせていくだけ。積んでもいいが、パーツが蛇腹のような構造になっており、折り目同士を「噛み合わせる」ことができるのだ。このとき「スッと」、本当に「スッと」入っていく。これが気持ち良すぎる。スッと入るものの、噛み合わせがガッチリしているからしっかり自立する。重力に負けない。紙の可能性とチカラを感じられる。
●転
こんなとき惰性で文章を書くと、「クリエイティブが刺激される」とつい記したくなる。だが、斬新なプロダクトのため、どう遊んでいいか、どう組み合わせていいか途方にくれてしまうというのが本音だ。自分の貧相な発想力が顕在化する。小難しいことなんて考えずに手を動かせばいいのだが、そこに躊躇する、守りに入る、新しいことを怖れる自分がいることを気づかせてくれる。
●結
積紙は紙の色が美しい。パーツのどこをとっても均一で、光があたると影があたるのでは、また違う表情のカラーを覗かせる。企画したのはwhateverというクリエイティブスタジオで、コクヨと廣栄紙工とコラボして制作。本格派だ。
自分のアイデアが惰性になっているとき、流れ作業になっているとき、積紙をスッとしてリセットしてあげる。すぐに劇的に変わることはないのだけど、もしかしたら何かが変わるかもしれない。
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