大人気のサンドボックスゲーム『Minecraft(マインクラフト/略称マイクラ)』は10年以上前にリリースされて以来、プレイヤーが自分でプライベートサーバーを立てて、そこでプレイする人たちに対するルールを自由に管理できるようになっています。
しかし運営元のマイクロソフト(以下「MS」)は今後、プライベートサーバーや同社の定額制プラン「Realms Plus」で利用できるサーバーを含む、すべてのオンラインプレイからプレイヤーをアクセス禁止にする場合があるアップデートを展開すると発表しました。
先週初め、MSは(PCで遊べる)Java版マイクラ1.19.1のプレリリース版を発表しました。この最新版では、チャットの暴言を報告できるプレイヤー通報システムが試験的に実装され、「報告されたプレイヤーは、モデレーターの審査後にオンラインプレイとRealmsから追放される」ようになりました。
さらに更新された「なぜ私はマイクラから追放されたの?」ページでは、アクセス禁止になったプレイヤーは、あらゆるプラットフォーム(Java版以外)のマイクラにサインインすると「追放された」メッセージが表示されるとも告知しています。
そこには「禁止されたプレイヤーは、サーバーでのプレイ、Realmsへの参加、マルチプレイヤー・ゲームのホストや参加、マーケットプレイスの利用もできない」と申し渡されています。また、Minecraft Earthにもアクセスできず、Xboxプレイヤーは自分のワールドにも入れなくなるとのことです。
一応MSは「当社は、Minecraft EULAおよび当社の利用規約の明白な違反を除いて、プライベートサーバーに介入することはありません」と述べており、わざわざ個人サーバーに出向いてまでプレイヤーを罰することはないとも示唆しています。
さらに、不正確または無関係な通報をわざと送信したり、他の人にも同じことをするように煽ったりして通報システムを悪用すると「あなたのアカウントに影響を及ぼす可能性がある」ともクギを刺しています。そしてBAN(アクセス禁止)されたプレイヤーは、BANが不当だと感じた場合、異議申し立てをできるようになるそうです。
それでも、通報システムの悪用を懸念する声は少なからず上がっています。たとえば「Mojang(マイクラの開発元でMSの子会社)の意図が良いものである可能性が高いとは理解していますが、荒らしは“必ず”ウソの通報で人々を追放させるだろうし、それに対して運営側ができることはほとんど何もないでしょう」と反応する声もあります。
一般のオンラインゲームのように運営側が一括してサーバーを管理していれば問題は少なそうですが、Minecraftservers.orgには3万1000ものプライベートサーバーが登録されており、これは全体のごく一部に過ぎないとも思われます。新たな通報システムが、大混乱を引き起こさないように祈りたいところです。
Source:Ars Technica