Dreamware Enterprises社は、かつてセガが発売したゲーム機・ドリームキャスト用の周辺機器「ビジュアルメモリ」の次世代モデルと称する「VM2」を開発中であり、そのキャンペーンをクラウドファンディングで実施しています。特にセガからライセンスを得たとの表記は確認できず、このビジュアルメモリは非公式のファンメイド製品となる模様。
ビジュアルメモリとは、ドリキャス(略称)のゲームデータを記録するための画面付きメモリーカードです。モノクロ液晶と十字キーやA、Bボタンなどの操作系、さらにビープ音が鳴るスピーカーを内蔵しており、これだけで携帯ゲーム機として遊ぶこともできます。
このVM2は、ビジュアルメモリの欠点を全て取り除くことを目指したそう。バックライト付きの液晶画面は解像度も向上し、内蔵ストレージの128KBはオリジナルそのままですが、microSDカードにより増やすことができます。セーブデータが増え過ぎたときでも、残り容量に頭を悩ますこともなさそうです。
そして外部ポートとしてUSB-Cポートを備え、充電するときやPCと接続する際にも使用可能。さらに、PC接続時にはWindows GUIがサポートするそうで、PC上でセーブデータの操作や自作ゲームの転送ができると思われます。
VM2のファームウェアとソフトウェアは、クラファンキャンペーンの主催者であるChris Daioglou氏が1人で開発。原材料や部品はさまざまなサプライヤーに発注しつつ、組立はギリシャで行うそうです。
目標額の9万ユーロ(約1280万円※)に対して、記事執筆時点(9月22日)での調達額は116%に達しており、いまなおドリキャス人気が高いことが伺えますが、日本向けの価格は1個あたり1万6304円、2個では3万765円。3個では4万5367円とNintendo Switchをゆうに超えており、セガやドリキャス愛を試される金額ではあります。
※1ユーロ=約142円で換算(2022年9月22日現在)
気がかりなのは、セガ非公認製品だというのに筐体には「Dreamcast」、画面には「SEGA」と堂々と表記されているところ。これらはセガが権利を持つものであり、このまま世に出せば著作権などを侵害する恐れがあります。
カラーは白と黒の2種類あり、出荷は2023年8月予定とのこと。製品化までに、上記の権利問題をクリアにすることを望みたいところです。
Source:Indiegogo
via:The Verge
●お詫びと訂正
初出時、本文内の一部の記載において誤りと誤植がありました。
<訂正前>
内蔵ストレージは128KB(200ブロック)に増えたうえ、microSDカードスロットもあります。
<訂正後>
内蔵ストレージの128KBはオリジナルそのままですが、microSDカードにより増やすことができます。
<訂正前>
セーブデータが増え過ぎたかときでも
<訂正後>
セーブデータが増え過ぎたときでも
編集部の確認不足により、事実と異なる内容を記載、読者の皆様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしたこと深くお詫び申し上げます。