いま、ミニ四駆の塗装や改造のアイデアを競うコンテスト、コンクールデレガンス(以下:コンデレ)が盛り上がりをみせている。
8月28日に品川シーサイドフォレスト・オーバルガーデンで開催されたジャパンカップ「東京大会2」では188台もの作品がエントリー! ミニ四駆をキャンバスに多種多様なアイデアを盛り込んだ作品が展示されると、大会参加者のみならず、興味を持った通りすがりの人々も足を止め、展示スペース前には常に人だかりができていた。
今回、最優秀賞を筆頭に、入賞者のなかから5名の方々にインタビュー。作品製作のテクニックや裏話など話を聞いた。コンデレ参加者は必読の内容だ。
■最優秀賞
太陽さんの作品
「スパークルージュL.M」
最優秀賞は6回目という太陽さん。今回はスパークルージュをサーキットスタイルに仕上げた。
【製作秘話】
「もともと好きだったスパークルージュを、さらに自分の理想的な形に近づけた感じですね。プラ板やパテなどを貼り合わせ、各部を延長してワイド化しています。前後も左右も伸ばしました。あとはフロントスポイラーとリヤウイングを追加しています。スパークルージュが“ランチア・ストラトス”という70年代のレースカーに雰囲気が近かったので、その実車のイメージに近づけました」
■優秀賞
チームM4K イカキングさんの作品
「アンティークジュエリー 銀河とサンダーショット」
特殊な素材で「宇宙を閉じ込めた宝石」を表現。立体感のある塗装に注目が集まった。
【製作秘話】
「コンデレには10回ぐらいエントリーしていますね。おととしと去年は最優秀賞も頂いています。塗装は、アクセサリーで使う材料をミニ四駆のボディに使用しました。透明な樹脂にラメを混ぜて作った塗料をクリアボディに流し込むような感じですね。ポイントは宇宙っぽくなるように、青いラメがわざと貯まるような形でムラを作ったのと、立体感が出るようにクリアボディの下に針金のラインを入れて仕上げたところですね。シャーシやホイール、ローラーなどもアンティークっぽく見えるように汚し加工しています」
■優秀賞
Taimeiさんの作品
「ゴミバグエボリューション」
この日のジャパンカップ、第一次予選を通過! レース用マシンでこのクオリティは驚異的だ。
【製作秘話】
「私自身がいま、空冷ビートルに乗っていまして。乗るきっかけを作ってくれたのがタミヤさんのモンスタービートルだったんです。小学校のときにミニ四駆をやっていたんですけど、最近復帰しました。やるんだったらビートルで復帰したいな、って思って。このマシンで公認競技会に出ています。やっぱり見た目がかっこよくて速いマシンっていうのが理想ですからね。やはりレースに出ると、コースアウトなどでボディがキズ付くことも。壊れては直しての繰り返しですね。だから汚し塗装ではなくて、本当のキズ。割れている部分を少しシルバーで塗ったぐらいです」
■MCウッツ賞
ミヤビさんの作品
「まだ・・・走りたい。neme less.」
「かつて誰よりも走るのが好きだった。誰よりも速く走りたかった。マシンの限界はとうに超えてしまったけれど残された時間は短いけれど最期まで走り続けると決めた。ミニ四駆として、レースマシンとして生まれたから」という言葉が添えられた傷だらけのプロトセイバー エボリューション。映画のワンシーンのような、独自の世界観を作り上げている。
【製作秘話】
「最近、コンデレに参加し始めました。賞をいただいたのは今回で2回目です。やはり最優秀賞の壁は厚いですね。同じ土俵で勝負しても勝てないと思っているので、自分の得意分野で勝負するよう心掛けています。ボディのクラック(ひび割れ)は画材屋さんなどをまわって、割れる塗料をいろいろ探しました。パーツ部分は生産停止中の旧型スライドバンパーや、スタイリングメッシュ、それにアルミパーツやスペーサーなど、ちょっと地味なパーツを目立たせてあげたいなって思って使っています。マシンは、いちばん新しいものをと思ってプロトセイバー エボリューションを使用しました。次回も新作マシンで参加したいです」
■タミヤ賞
鈴木コンタパンチさんの作品
「グレートくまもとソニック」
“尊敬する熊本のコンデレマスターならび、ミニ四レーサーへ向けてのメッセージ”という熊本愛あふれるマシン。ボディを外すと、自作の内部構造(写真左)が現れる。
【製作秘話】
「製作には2か月ちょっとかかりましたね。内部は思いついたパーツを一個ずつ付けて作っていきました。フロントのタワーバーの赤い部分はローラー角度調整プレートで、ダクトはヘアバンド、ディスクブレーキはワッシャーを使っています。リアの消化器はプラパイプとプラボードで自作しました」
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