ヘルスケア
2017/1/21 15:16

日本古来の発酵食品が腸内環境を整えてくれる! 手作り「ぬか漬け」がいま大注目

「ぬか漬け」は日本の伝統食。その起源は江戸時代に遡るといわれ、長く日本人の食卓を彩ってきました。しかし、ここ数年は「ぬか床の手入れって大変そうだよね……」という思い込みなどにより、家庭で日常的にぬか漬けを実践している人はそう多くはありません。でも、決して難しいことはないんです! ポイントさえしっかり押さえておけば、ぬか床作りもそのお手入れも、楽しみながらできるんです。

 

今回は、「モザイクモール港北」にある「モアカフェ」で開催された「ぬか漬けワークショップ」に飛び入りで参加! 講師を務められた寺本りえ子先生にお話をいろいろと伺ってきました。ぬか漬けがどうして健康にいいのかという疑問から、その抜群のおいしさの秘密まで、根掘り葉掘り、糠から漬物を掘り出すように聞き出してきました。

 

身体に悪いものを摂取しないのは現代では不可能! 出すことが重要

世の中いろいろお漬物はありますが、そもそもなぜいまぬか漬けなのか。玄米を白米にする際に生じる「糠」に野菜などを漬け込むと、どんないいことがあるのか。みなさんが一番気になるところだと思います。

 

「心とカラダの健康のためには腸内環境がとても大切です。現代社会において、カラダに悪いものを一切摂らないということは、できれば理想ですが、なかなか難しいですよね。外食だとどこの食材かはわからないですし、また“悪いものを食べているかも”というストレスだってカラダによくありません。ですから、私は“悪いものを出すこと(=デトックス)”こそが重要だと思うんです。腸内環境をよりよくするためには、善玉菌のエサとなる乳酸発酵したぬか漬けがとても適しているわけです」(寺本先生)

 

腸は「第二の脳」とも言われ、カラダにとって良くないもの、危ないものを“入れないように判断する”場所とのこと。人間は、口から肛門まで、一つの「管」であり、筒状の存在。その管のなかでも大切なのが腸であり、その腸をきれいにしておくことこそが、健康の重要事項と先生は語ります。特に、腸の機能を活性化させるには、善玉菌を増やす効果のある乳酸菌を含む発酵食品を日常的に摂ることが重要だそう。その発酵食品こそが、今回の主役「ぬか漬け」というわけです。

↑ワークショップの前に、まずはぬか漬けの「おいしさ」以外のメリットを語ってくださいました
↑ワークショップの前に、まずはぬか漬けの「おいしさ」以外のメリットを語ってくださいました

 

寺本先生ご自身、ぬか漬けは子どものころからよく食べていて、大好きだったといいます。その味を求め、またその健康面でのパワーにも気が付いて、自身でも常備し始めて4年ほど経つそうです。

↑ワークショップでは、ぬか漬けの漬物が並べられ、参加者みんなで舌鼓。ゆで卵など意外な食材も大好評
↑ワークショップでは、ぬか漬けの漬物が並べられ、参加者みんなで舌鼓。ゆで卵など意外な食材も大好評

ぬか床作りは難しくありません!水分量には気を付けましょう

では、ぬか漬けのメリットがわかったところで、最初はぬか床つくりです。容器は? 水分量は? お手入れは――と、参加者のみなさん「?」マークがいっぱいでしたが、先生は「そんなに難しく考えないでOK」と言ってくれました。

 

細かい手順は最後に先生の著作である「JOY of AGING」に詳しいのでここでは省きますが、注意したい点は、以下の通り。特に初心者の方が失敗しそうなポイントを教えてもらいました。

 

「水分量が少ないと発酵しにくいので気をつけてください。ぬか床2kgを作るとして、生糠1kgに対し、水は約1リットルが目安。塩水としてかき混ぜ、手でギュッと握ってみたら、指の隙間からニュっとはみ出てくるくらいの固さがいいですね」(寺本先生)

↑柔らかすぎず、固すぎず。握った手の指の隙間からはみ出してくる程度を目指しましょう
↑柔らかすぎず、固すぎず。握った手の指の隙間からはみ出してくる程度を目指しましょう

うまみ成分(乾燥昆布、干し椎茸粉など)や防腐作用のある唐辛子を加えてかきまぜたら、捨て漬け野菜を入れ替え1週間〜10日間ほど繰り返します。発酵までは冷蔵庫にいれず、直射日光の当たらない20〜25℃くらいの温度環境下で手入れしましょう。

 

「捨て漬け」と呼ばれるこの作業は、ぬか床が健やかに発酵するための栄養分とうま味と適度な水分を補充するための準備期間。この作業が実は大事で、おいしく、効果の大きいぬか床をつくるためには欠かせません。

↑捨て漬け用の野菜はアクの少ないお野菜を。キャベツやキュウリ、人参に大根などがおすすめ
↑捨て漬け用の野菜はアクの少ないお野菜を。キャベツやキュウリ、人参に大根などがおすすめ

「はじめにぬかと塩水と昆布、椎茸粉、唐辛子をボールなどに入れてよく混ぜましょう。その後、龜や琺瑯などの、実際にぬか漬けをする容器に、まずぬか床を底に敷き詰め捨て漬け野菜と交互に入れて、最後はぬか床で表面をならして覆ってください。その後は、定期的なメンテナンスを行う必要があります。1日半~2日以内に一度ふたを開けて確認を。野菜の水分が抜けてきているようなら、野菜を新しいものに取り換えます」(寺本先生)

 

取り換えた後、二回目の捨て漬け時には、再度ぬかの状態をチェックしたほうがいいとのこと。においや触感などを確認してみましょう。

 

「捨て漬けは開始から1週間から10日くらいの間で3回やります。ぬか床から発酵のいい香りが漂ってきて、ふんわりしてきたら完成です。かかる日数は、保存温度や季節条件によっても変わるので、捨て漬け後半は、毎日様子を見るようにしてくださいね」(寺本先生)

↑捨て漬け中の状態。後半は日々チェックして、においや柔らかさを確認しましょう
↑捨て漬け中の状態。後半は日々チェックして、においや柔らかさを確認しましょう

失敗したらまたやればいいだけ。「ぬか床と仲良く」が大切です

ここまで来たら、あとは好きな食材を漬けて楽しむ「ぬか漬け生活」のスタートです。漬けるのはそんなに難しくありません。好きな野菜を洗い、水分を十分に拭き取って入れるようにしましょう。気になるのは「漬けておく時間」。野菜の種類やサイズによってかかる時間はまちまちなので、慣れるまではこまめに出してみて(6時間くらいから)、味見を繰り返しましょう。皮を剥くか剥かないかでも漬かり具合いが違ってきます。

 

「私のおすすめする食材を季節ごとに紹介しますね。春はたけのこ。香りと食感を楽しみましょう。夏はミョウガですね。おそうめんにも合います。秋はカリフラワー! 生でも茹でてもおいしいです。そして冬はさつまいもです。とにかく甘さとしょっぱさのバランスが絶妙。最後に年間通して大好きなのはゆで卵です。チーズみたいでおいしいです! アボカドも美味しいですよ〜」

 

このように、ぬか漬けは自分らしく、自分んちらしく楽しめるのもとても素敵なところ。ズッキーニや摘果メロンなど、ウリ科の野菜は総じておすすめだったり、干し椎茸はピクルスのようなおいしさになったりと、「何を漬けようなぁ」のワクワク感がとまりません!

 

最後にひとつ。ぬか床手入れにおいて、気を付けておいたほうがいいポイントを寺本先生が教えてくれました。

 

「産膜酵母に驚いて、ぬか床を捨ててしまわないようにしましょう。産膜酵母は、順調に発酵しているという合図であり、決して悪いカビではありません。混ぜ込めばいいだけなのですが(気になる方はスプーンで除去する)、これを知らないとぬか床ごと捨ててしまうなんていう失敗につながります。冷蔵庫をうまく利用して毎日のかき混ぜが負担にならないようにぬか床と仲良く付き合ってくださいね!」(寺本先生)

 

構成・文/@Living編集部

 

20170121-i01(7)
宝島社
「JOY of AGING」

アンチエイジングではなく、「エイジングを楽しもう」をコンセプトにした書籍。ぬか漬けを含む食を通じて、体の内側から美しく年齢を重ねる秘訣が満載。食材、調理だけにとどまらず、調理器具やおすすめのショップまで、読み応え満点の一冊。
1300円+税

 

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

http://at-living.press

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