ヘルスケア
エクササイズ
2018/4/5 20:30

独りじゃもう頑張れない君へ。体力の限界を集団で体感するフィットネス「レズミルズ」

105か国、何百万人ものフィットネスユーザーを熱狂させるプログラム、LES MILLS(レズミルズ)。その独自のフィットネストレンドが体験できる「レズミルズライブ東京2017」が昨年開催された。日本中から5000名のファンを集めたそのイベントでは、いったい何が行われたのか!?

 

レズミルズとリーボックが共同で開催する「レズミルズライブ」は、東京以外にもロンドン、ベルリン、パリ、トロント、フィラデルフィア、シドニー、上海などの主要都市を回るグローバルツアー。各地をレズミルズのトップインストラクターが回り、そこには数百名が一堂に会してプログラムを行う。そのプログラムにはプラスチックのバーベルを使ったBODYPUMP(ボディパンプ)、ボクシングや空手などの動きを取り入れたエクササイズのBODYCOMBAT(ボディコンバット)、30分の高強度インターバルトレーニングを行うLES MILLS GRIT(レズミルズグリット)など、全16プログラムで構成されている。

 

今回筆者が体験したのは、ボディコンバット、レズミルズグリットの2種類。普段から身体は動かしているものの、ほぼフィットネスプログラムは初体験。フィットネスの“ノリ”も分からないまま、会場に足を踏み入れた。

 

短時間で高い脂肪燃焼効果を得られる「レズミルズグリット」

5000名以上の参加者が集まっているだけあって、会場はものすごい熱気。ランニングや自転車などのスポーツイベントにはよく参加するのだが、同じ身体を動かすイベントなのに、どうも雰囲気が違う。なんだか浮かれているような感じ。

 

それも当然、このイベントは「ライブ」なのだ。海外アーティストのライブと同じ。国内外からレズミルズの人気インストラクターが集まり、ファンの前でプログラムを行う。会いに行けるアイドル、ではなく、一緒にトレーニングできるアイドル、といった感じなのだ。それゆえにプログラムが終わった後、お気に入りのインストラクターと握手や写真撮影をするなんて光景が、会場のあちこちでみられた。

 

さて最初のプログラムは、レズミルズグリット。時間は30分だが、その間、心拍数を最大近くまで高めて行う。いわゆるHIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)だ。短時間だが脂肪燃焼効果があるため、今ではさまざまなプロ選手もトレーニングに取り入れているという。つまり……キツいってことですね(笑)。

ハイテンションなインストラクターが登場して、プログラムはスタート。基本的に30秒動いて、10秒休んで、また動いての繰り返し。動き自体はサイドステップ、ヒザを抱え込んでのジャンプなど、難しくはない。

しかし早々にガツンと身体に効いてくる。こういうとき「ボディブローのように……」という表現があるが、そんなジワジワしたものじゃない。横っ面を激しく殴られた感じ。10秒のインターバルが待ち遠しいが、その時間で完全には回復しない。

本当はヒザを抱え込んでジャンプしなくてはいけないが、そんなことは、もうできない。しかも、まだ15分しかたっていないじゃないか……。

時々、インストラクターがステージから降りてきて、参加者をあおる。

 

ちなみにこれが「グリット」の際に計測した心拍数のデータ。下の方にある、青と緑のゾーンがいわゆる有酸素運動に最適な心拍ゾーン。赤は100mダッシュなどの際に到達する最大心拍数に近いゾーン。基本的に赤のゾーンに近いところで心拍数が推移しているので、30分近くダッシュを繰り返していたような状態だったと言える。そりゃキツいわ。

終わった直後はもう、口もきけないような状態。脚をガクガクさせて、床にへたり込む参加者も多かった。しかしこんな状態になるまで追い込めてしまうのが、グループレッスンのすごいところ。ひとりではこうもいかない。同じ目的をもつ参加者と一緒にやることで、半ば強制的な感じではあるが、動けてしまったという感じだ。

 

パンチやキックを基本に徐々に心拍数を高めていく「ボディコンバット」

次のプログラムは約40分後、レズミルズの中でも一番人気があるという、ボディコンバット。“ライブ”がはじまると華やかな照明で彩られ、まるでアーティストのようにインストラクターがステージ上に登場。そして最新の音楽で盛り上げていく。

レズミルズは3か月に1度、最新の楽曲、振付が提供されるのが特徴のひとつ。さらに振り付けも科学的に裏付けされた効果的な動きになっている。もちろん、ボディコンバットも同じだ。

ステージ上では複数のインストラクターがパンチとキックをくり返し、それを見ながら全身を鍛えていく。先ほどの「グリット」とは違い、独特な振り付けのため、初めのうちは戸惑ったが、何とかついていける。パンチやキックを基本として、ジャンプやスクワットを組み合わせていき、徐々に心拍数を高めていく。時間は60分。最大で740kcalを消費するという。

ステージ上のインストラクターがカッコいい。彼らの動きに乗せられて、またもやかなり追い込んでしまった。グリットほどヘトヘトにはならないが、気持ちよく汗をかける、そんなプログラムだった。

 

男女を問わず、“できるビジネスパーソン”がランニングをしたり、ジムで身体を鍛える時代。「ひとりでストイックに」ではなく、みんなでワイワイと、しかもオシャレで楽しく。ひとりで追い込めない時にはグループフィットネスを利用してみては? ステップ台を利用した「ボディステップ」、ヨガや太極拳、ピラティスがベースになった「ボディバランス」などプログラムもたくさんある。

 

「本当は雨も降ってたし、やめようと思ったけど来てよかった」という参加者の声が聞こえてきたが、まさにそのとおり。キツいフィットネスも最新の音楽、インストラクター、同じファンから力をもらえるレズミルズなら、続けることができるかもしれない。

 

写真/武智佑真