3.【入浴】40℃の湯船に15分間浸かること
忙しい現代人だからこそ、もっとも効果的かつ時間のかからない方法で、確実に深部体温を上げる入浴の仕方が大切です。
「深部温度を効率よく上げるためには、水温と時間のチェックが欠かせません。もっとも効果的なのは、40℃のお湯に15分間浸かること。これで深部温度が0.5℃上げられます。水温が40℃以下になってしまうと深部が温まるまでに時間がかかってしまいますし、反対に41℃以上になってしまうと、交感神経を刺激してしまって心拍数が上がり、目が冴えてしまい逆効果です」
佐藤計量器製作所「おふろ用湯温計 ぷかぷか」(1300円+税)「適温である40℃で入れるように、温度計できちんと測るといいでしょう。よく『給湯器の設定が40度だから測らなくていいのでは?』と聞かれるのですが、浴室や浴槽が冷えていると、お湯の温度が40℃でも実際入浴するときには40℃以下になってしまいますので、注意しましょう」
4.【入浴中】リラックスできるアイテムを使う
「入浴中は何も考えずにリラックスすることを心がけてください。仕事や気がかりなことに捉われないよう眠りに向けて心も整えていき、体の力を抜いていきましょう」
5.【入浴後】ストレッチをする
入浴後のストレッチは、呼吸を整え、ゆっくりリラックスしながら行うことがポイントです。
「せっかく温まった体が冷えてしまわないよう、ガウンやニットなどを羽織って行いましょう。冬にしたいオススメのストレッチは、腰椎の血流をよくするポーズ。座りすぎて硬くなった腰は滑らかに動かず、腰痛を引き起こしたり身体全体を硬直させてしまいます」
(1)
まずはあぐらをかいて座り、背筋を伸ばしたところから、口から息を吐きながら背中をゆっくり丸めていきます。肩を下ろして、手でお腹を守るようなポーズをし、ひとつひとつの背骨を意識してゆっくり丸い背中を作りましょう。
(2)
背中がぎゅっと丸くなったら、そこから今度はゆっくり姿勢を戻し、鼻から息を吸いながら背筋を伸ばします。骨盤からひとつひとつの背骨を動かすようなイメージで背中を反り、丸めた背中をじっくり伸ばしましょう。この動作を呼吸を繰り返しながら、ゆっくり5回行います。
(3)
続いてはうつ伏せになり、お腹に力を入れたまま片方の足だけ直角に折って上半身を起こします。足の付け根を刺激することで、股関節が柔らかくなり、腰痛の予防に効果的です。この姿勢のまま10秒キープし、足を変えて10秒行います。
(4)
今度は足を体の前に置いて折り曲げます。
(5)
足はその状態にまま、今度は前屈して自分の体の重みをかけて股関節やお尻のストレッチをします。このとき、頭頂部に握りこぶしを置いて頭も刺激しましょう。疲れや凝りを緩和させ、寝付きがよくなります。
6.【就寝前】眠る直前に頭皮のマッサージをする
身体が冷えないうちにベッドに入ったら、眠る前にもう一度、頭皮のマッサージをしましょう。手のひらでこめかみや耳の上のあたりを押し、頭を柔らかくします。
「マスクをつけていることが多くなったので、耳元にマスクの重みが常にかかるようになりました。普段より余計に耳やこめかみのあたりが疲れていますから、よくマッサージしましょう」
寒くてなかなか寝付けないという悩みを解消し、ぐっすりと眠るために、以上の6ステップを実践してみてください。
【プロフィール】
眠りとお風呂の専門家 / 小林麻利子
睡眠改善インストラクタ―。公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、生活習慣改善サロンFluraを開業。最新のデータ、研究をもとに、睡眠や入浴、運動など日々のルーティンを見直すことで美人をつくる『うっとり美容』を指導。生活に合った無理のない実践的な指導が人気を呼び、2000名以上の女性の悩みを解決し、講演活動やウェブ連載のほか、テレビ・雑誌でも活動中。『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイヤモンド社)、『美人をつくる熟睡スイッチ」(G.B.)が好評発売中。最新刊は『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)。
小林麻利子『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン刊)