ヘルスケア
2023/6/29 20:30

ダイエットを成功させる食事って?管理栄養士が教えるお手軽低カロリーメニューも紹介!

もう間もなく夏が始まります。冬と比べて肌の露出が増えるため、身体を引き締めてダイエットに取り組もうと考えている人も多いのでは? 今回は、管理栄養士の先生に食事の面からダイエットを成功させるポイントをお伺いしました。

 

<識者紹介>

管理栄養士:佐藤樹里さん

チャーハンを食べながら8kg減量した経験を持つ“チャーハン栄養士”として活動する。好きなものを食べながら減量するをモットーとし、これまで食べたチャーハンは5,000食以上。

 

ダイエットしたい人が知っておきたい食事の基礎知識

そもそも、体重が増えてしまう原因はどういった部分にあるのでしょうか? 佐藤さんに聞いてみると「基本的にはオーバーカロリーなことが問題」という答えが返ってきました。

 

「消費カロリーよりも摂取カロリーが増えてしまい、オーバーカロリーの状態が続くとおのずと体重は増えていきます。消費カロリーには、何もしていなくても生きているだけで消費する“基礎代謝量”、運動や日常生活で動くことで消費する“身体活動量”、食べ物を消化する過程で発生する“食事誘発性熱産生”の3つが挙げられます。この3つの消費カロリーの合計よりも、食事で摂取するカロリーが上回ることで体重が増えてしまうということですね。」(佐藤さん)

 

また、バランスの取れた食生活を維持することもダイエットには必須の条件だと、佐藤さんは話します。

 

「栄養バランスの良い食事とは、糖質(炭水化物)・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルが過不足なく摂取できていることを言います。1食で、主食(ごはんやパン、麺など)・主菜(肉や魚、卵など)・副菜(野菜やきのこ、海藻など)・乳製品や果物を食べて、日本人の食事摂取基準の1/3くらい摂れていると良いですね! 毎日忙しくて食事を用意するのが難しいという人は、サッと作れる丼もののような形にして一気に摂取するのがおすすめです。」(佐藤さん)

 

バランスの良い食生活に加えて注意したいのが、無理な食事制限を行った後のリバウンドです。

 

「リバウンドにもさまざまな要因がありますが、食事制限をしていた人がカロリーを我慢していた分、爆発的に食べてしまってオーバーカロリーになってしまうことが多いですね。また、食事制限をしていると身体が“省エネモード”になっています。そういう状態で食事をしてしまうと吸収率が上がってしまい、脂肪が蓄積しやすくなってしまうんです。だから、最近流行のファスティング(※)も、やり方を間違えるとリバウンドの危険性があるので注意してくださいね。」(佐藤さん)

※ファスティング:一定の期間、固形の食べ物を断つこと。

 

ダイエットを成功させるためには

ダイエットに必須な食事の基礎知識を教わったところで、実際にダイエットを成功させるためのコツをご紹介していきましょう。

 

1.規則正しい時間に食事をする

「無理のない範囲で、規則正しい時間に食事を行うのが大切です。食事の間隔が空きすぎてしまうと、血糖値が上がりやすくなってしまいます。朝昼晩と等間隔で食事をすることで、血糖値を安定させることを意識しましょう。」(佐藤さん)

 

2.寝る直前の食事は避ける

「寝ているときは日中よりも消化機能が低下しています。そのため、胃に物が残っていると消化がしにくいんです。可能であれば、寝る3~4時間前には食事を終わらせておくと良いでしょう。お酒も筋肉を分解させてしまう恐れがありますので、なるべく控えたほうが良いですね。」(佐藤さん)

 

3.よくかんで、ゆっくりと食べる

「早食いの人ほど肥満になりやすいというデータがあるくらい、ゆっくりかんで食べることは大切です。かむことで満腹中枢も反応するため、少量の食事でも満足感が得やすいですし、唾液や消化液もたくさん分泌されて消化しやすい状態になります。」(佐藤さん)

 

4.食べる順番を工夫する

「急な血糖値の上昇により結果的に脂肪がたまりやすくなることを防ぐ意味でも、1つの食事のなかで食べる順番を意識するのは大切です。ベジ・ファーストという言葉があるように、野菜を食べてから炭水化物(糖)を摂取したほうが血糖値の上昇が緩やかになりますので、意識してみてくださいね。」(佐藤さん)

 

5.偏った食事メニューに頼らない&好物を我慢しすぎない

「〇〇ダイエットのように、同じものばかりを食べるダイエットが流行ったこともありますが、偏った食事を伴うダイエットは危険です。確実に足りない栄養素が出てしまい、体内の栄養バランスが崩れてしまうんです。さまざまな食材から必須な栄養素を取り入れるようにしましょう。また、好物を我慢しすぎるのもメンタル的にダイエットを厳しいものにしてしまいます。お酒も食事も、好きなものを我慢しすぎずに適度にうまく付き合ってくださいね。」(佐藤さん)

 

食べ物の選び方について

ダイエットを成功させるための食事をするためには、食材の選び方も大切になってきます。同じような食材のなかでも、効果の高い食材をチョイスしてダイエットの成功に結び付けましょう!

 

●野菜のなかでも緑黄色野菜がおすすめ

「やはり、野菜は栄養バランス的にもおすすめな食材ですね。ビタミン・ミネラル・食物繊維など、ダイエットにも大切な栄養素を含むものが豊富。なかでも、色の濃い緑黄色野菜はビタミンやポリフェノールなどが豊富なので、積極的に取り入れてみてください。」(佐藤さん)

【代表食材】

ブロッコリー:ビタミン豊富で野菜のなかでもタンパク質が多い

トマト:ビタミンやリコピンが豊富

ほうれん草:ビタミンやミネラルが豊富

 

●タンパク質が豊富な食材を

「人間の身体は、ほぼタンパク質でできているといっても過言ではありません。食事誘発性熱産生の高いタンパク質を多く摂取するのは、ダイエットにとってかなり重要。そのほか、美容や免疫力を高める意味でも大切です。」(佐藤さん)

【代表食材】

鶏むね肉・ささみ:高タンパク質・低脂質の代表格

まぐろ(赤身の魚):高タンパク質に加え、低脂質で鉄分も豊富

 

●GI値の低い食材を

「GI値とは、食後の血糖値上昇に与える影響を表す数値のこと。GI値が低い食材のほうが血糖値の上昇が穏やかになるので、ダイエットにもおすすめ。同じような食事をするのであれば、GI値が低い食材を選んでみてください。」(佐藤さん)

【代表食材】

玄米:GI値が低く、ビタミン類も豊富

そば:GI値が低く、米・パンなどと比較しても低カロリー

 

おすすめのサラダメニューについて(低カロリー)

ダイエットにおすすめの食事メニューとして、効果的なのがサラダメニュー。やはり、野菜を中心にした食事は低カロリーでありながら栄養もたくさん摂れるため、ダイエットには欠かすことができません。ここでは、佐藤さんがおすすめするサラダメニューを教えてもらいます。

 

●海藻サラダ

「サラダのトッピングとして取り入れたいのが、わかめなどの海藻類。食事では摂取しにくいミネラルや水溶性の食物繊維が豊富なため、便通も良くなる効果が見込めます。」(佐藤さん)

 

●鶏むね肉サラダ

「高タンパク質・低脂質の代表的な食材である鶏むね肉も、ダイエット時には積極的に取り入れたいですね。サラダだけでは物足りないという人でも、鶏肉が入ることで満足感も得られると思いますよ。」(佐藤さん)

 

●ブロッコリーサラダ

「野菜のなかでもタンパク質含有量が多く、ビタミンも豊富なブロッコリーを中心としたサラダもおすすめです。ブロッコリーのビタミンは水溶性で水に溶けてしまいますので、ゆでるよりも蒸すほうが良いでしょう。」(佐藤さん)

 

●番外編:ネバネバ丼

「サラダではありませんが、納豆・オクラ・めかぶ・しらす・キムチ・生卵などをご飯の上に乗せるネバネバ丼は、手軽なうえにバランス良く栄養が摂れるおすすめな1品です。発酵食品も入っているので腸内環境も整えてくれますよ!」(佐藤さん)

 

コンビニで購入できるダイエット食

コンビニ食は手軽に買えてすぐに食べられるため、忙しい現代人にはうってつけ!ここでは、ダイエット時におすすめのコンビニ食を佐藤さんに教えてもらいます。

 

●ゆで卵

「コンビニでは、1個からゆで卵が購入できるのですごく便利ですよね!卵は完全食と言われているほど優れた食材なので、小腹が空いたときにもおすすめです。」(佐藤さん)

 

●ギリシャヨーグルト

「通常のヨーグルトよりもタンパク質が豊富なギリシャヨーグルトは、ダイエット時に大活躍してくれる食材。おやつ感覚で食べたいときにも最適です。」(佐藤さん)

 

●サラダ

「コンビニのサラダだけでも良いので、野菜は多少なりとも食べておくべきです。その際は、ドレッシングはノンオイルのものにするなど工夫するようにしましょう。」(佐藤さん)

 

●プロテインドリンク

「朝食欲がないという人は、代わりにプロテインドリンクだけでも飲むのがおすすめ!タンパク質が豊富ですし、昼食時の急な血糖値上昇を防ぐ効果も見込めます。」(佐藤さん)

 

食事以外で注意すべきこと

ダイエットを成功させるためには食事はもちろん大切ですが、そのほかにもしっかりとした睡眠や適度な運動も欠かせないと佐藤さんは話します。

 

「ダイエットに限らず、食事・運動・睡眠の3つの軸は健康的な生活を送るうえでは大切な要素です。まずは、睡眠。睡眠不足の状態だと、食欲を抑制するホルモンがあまり分泌されません。また、睡眠中に分泌される成長ホルモンも筋肉づくりには欠かせません。

 

次に運動ですが、代謝を高めるという意味においても適度な運動は必須。軽いランニングやストレッチを取り入れることで、ダイエット効果もより高いものになりますよ。」(佐藤さん)

 

撮影/我妻慶一 文/マイヒーロー