近年、「闇バイト」による強盗・窃盗事件が増加し、住宅の防犯対策がますます重要になってきました。そこで今回は、スマートフォンアプリやWi-Fiと連携することで不審者の侵入や窃盗を未然に防ぎ、不安を軽減してくれるスマート家電を紹介。スマート家電に詳しいIT・家電ジャーナリスト安蔵靖志さんを招き、2024年に注目したオススメの防犯スマート家電5つを紹介してもらいます!
1.「設置しやすさが魅力。窓から侵入しやすい低層階の住宅にオススメです」
アンカー
実売価格2万4990円(税込)
屋外用ソーラーパネル付きセキュリティカメラ。AIによるモーショントラッキング機能を搭載しており、人やペットの動きを検知すると水平方向に360°、垂直方向に70°回転し、対象に追従して広範囲を撮影できます。高画質な3Kかつ135°の広角カメラと、8倍ズームに対応した2K望遠カメラのデュアルカメラを搭載し、車のナンバープレートや人の顔などを見逃すことなく確認できます。
【安蔵さんのオススメポイント】
設置することで、誰がいつ来たのかがわかるため安心感は大きいです。ソーラーパネル搭載で配線も充電も不要なため、設置のしやすさも魅力。一戸建てのほか、1~2階の低層階マンションなど、玄関や窓から侵入しやすい住宅にオススメです。
2.「自動で無締りを防止。もう『カギかけたっけ……?』と不安になることはありません」
SwitchBot
実売価格1万7980円(税込)※発売は2023年11月。指紋認証パッド(写真右)は別売
玄関ドアのサムターンに後付けできるスマートロックです。無段階可変構造のアタッチメントを採用し、どんな鍵にもしっかりフィット。サムターン部分はワンタッチで鍵を開け閉めできる「クイックキー」設計で、出かけるときはボタンを押してドアを開け、ドアを閉めれば自動でオートロックされます。開錠はスマホやApple Watch、スマートスピーカーなどを使って行うほか、NFCタグやリモートボタンなどを用いた施解錠も可能。別売の指紋認証パッド(税込1万980円)と組み合わせれば、指紋での解錠やパスワード入力による解錠も可能です。
【安蔵さんのオススメポイント】
住宅侵入窃盗の約半数が「無締り(非施錠)」で起きているので、オートロック設定にしておけば無締りを防ぐことができて安心。外出後に「カギかけたっけ……?」と不安になることもありません。別売の「SwitchBot 指紋認証パッド」を導入すれば、登録した指紋で開錠できるため(指紋は複数登録可能)、キーレスで外出できるうえ、家族全員で使えるのも便利です。
3.「外出先から訪問者を確認できるので安心。すでにドアホンがある方も切り替える価値あり」
TP-Link
実売価格9900円(税込)
300万画素の2K解像度カメラを搭載したスマートドアホンキット。スマートAI検知機能により、人物、車両、ペット、荷物を検知し、リアルタイムでアプリに通知。双方向オーディオにより訪問者とリアルタイムで会話が可能です。フルカラーナイトビジョン機能を搭載で夜間でも鮮明な映像が確認でき、IP65相当の防水・防じん設計で屋外設置も安心。バッテリーは最長6か月間使用でき、配線不要な点も特徴です。
【安蔵さんのオススメポイント】
Wi-Fiを介してアプリで操作できるため、配線不要でスマホ対応のドアホンとして使えます。在宅時に訪問者をチェックできるうえ、外出先から訪問者を確認でき、訪問者とコミュニケーションを取ることもできるので安心。戸建て・マンションを問わず、ドアホンの機能に不安を抱えている方は、こちらをメインとして切り替えてみてはいかがでしょうか。
4.「忘れっぽい人には必須のアイテム。失くした物を探す大きな手掛かりになります」
Life360
実売価格3980円(税込)
探し物を「音」で見つけるスマートトラッカー。スマートフォンとBluetoothで接続し、鍵、財布、パスケース、自転車など、Tileをつけた物の場所を「音」を鳴らしてお知らせします 。最後に検知した場所をアプリが記録してくれる機能も便利。ボタンを押すと家族や友人グループに向けてSOSを通知する機能も搭載しています。Tileのその他のラインナップとして、接続距離が長いプレミアムモデル「Pro」(税込5780円)、カードサイズの「Slim」(同5180円)、裏面シール付き最小モデルの「Sticker」(同3200円)などを用意。
【安蔵さんのオススメポイント】
忘れっぽい人、物を失くすことが多い人には必須のアイテム。Bluetoothで最後に接続した場所・時間がわかるので、失くした物を探すときの大きな手掛かりになります。音を鳴らすことで探す手間が省けますし、置き忘れや置き引きにも素早く気づくことができますね。ラインナップにはカードタイプやより小型のものもあるので、用途に応じて使い分けてみてください。
5.「ドアや窓の開閉状態をスマホに通知。見守りにも使えて安心です」
ラトックシステム
実売価格4980円(税込)
「smalia スマートリモコン RS-WBRCH1」(税込7980円)と組み合わせて使うことで、ドアや窓の開閉状態をスマホに通知。「防犯対策として9時~17時の間に窓が開くとスマホに通知」「18時~21時の間にドアを開けると照明をON」など、時間帯で個別に設定することも可能です。また、「クローゼットのドアを開けると自動で照明をON」など、ドアの開閉をトリガーとした操作もできます。
【安蔵さんのオススメポイント】
玄関ドアや窓の開閉状態をスマホでチェックできるので、侵入者対策にぴったり。一戸建てで窓が多く、カギの閉め忘れが気になる家庭にオススメ。ドアの開閉をチェックすることで家族の帰宅をゆるく見守れるほか、離れて暮らす家族の見守りにも使えて安心です。
2025年にはハブが不要なデバイスが出てきてほしい
まだまだ一般家庭に浸透しているとは言えないものの、新築マンションなどでスマートロックの導入事例が増えており、月額料金なしで使えるスマートドアホンも増えてきました。防犯対策においてはスマートデバイス普及への下地ができあがりつつあると思います。
個人的には、今後、スマートハブ(家庭内のスマートデバイスをまとめて制御する機器)が不要な機器がもっと出てきてほしいですね。たしかに家全体をスマート化するにはハブは必要ですが、「スマートロックのみ」「ドア・窓センサーのみ」など、一つだけ導入したいとき、ハブが不要だと導入のハードルがグッと下がります。スマートデバイス初心者に興味を持ってもらうためにも、メーカーの努力に期待したいところです。