世界でも高い家電シェアをもつ「ハイセンス」の日本法人ハイセンス・ジャパンから、日本向けに開発された大容量冷蔵庫が登場しました。それがハイグレードタイプの「HR-DCH450KK」と色違いの「HR-DCH450KW」、そしてスタンダードタイプとなる「HR-DC450KW」とカラーが異なる「HR-DC450KB」の全4製品です。いずれも定格容量450Lの5ドアタイプ冷凍冷蔵庫で5月中旬に発売予定。気になる新製品を発表会にてチェックしてきました!

日本特有の“狭い場所”にも置ける特殊なドアを開発
家電量販店などで目にする「ハイセンスの冷蔵庫」といえば、単身世帯向けのコンパクト製品がほとんど。今回の新製品は、ハイセンス・ジャパンが日本においてはじめて発表した450Lタイプのファミリー向け大容量冷凍冷蔵庫となります。特徴のひとつが「日本向けにデザインされている」こと。新製品のような5ドアタイプの冷蔵庫は日本では定番の形ですが、実はこのように「野菜室と冷凍室が独立した引き出しタイプ」の冷蔵庫は世界的に見るととても珍しい設計なのです。ゆえに、グローバルで販売されている製品をそのまま日本に持ち込んでも、日本の実情には合わないのだとか。


狭小化が進む日本の住宅事情に配慮して搭載した機構もあります。それが冷蔵室の扉の「ぴたよせドア」という仕組み。

冷蔵庫の扉は断熱材が入っているため、それなりに厚みがあります。このため、扉のヒンジ(蝶つがい)横に壁があると扉の角が壁につっかえてうまく開きません。

そこで、新製品は扉のヒンジに「2軸ヒンジ」を採用。扉をスライドさせながら開くことで、扉を開いたときに角が本体より外に飛び出ない特殊な構造になっています。このため、新製品は壁の真横に設置しても扉が90°まで開きます。

さらに、新製品は本体下面から熱を逃がす「底面排熱」を採用。そのため、本体左右に各3mm、背面0mm、上部に5cmという最小限の放熱スペースでの設置が可能です。また、底面から放熱することで、長く設置していても冷蔵庫背面が熱くなることがないとのことで、放熱で壁紙が焼けるリスクが抑えられる点もメリット。先述の「ぴたよせドア」を含めて、設置の自由度を大きく向上させています。
「美味しく保存」するための機能もしっかり搭載
450L容量の冷蔵庫ではリーズナブルな価格の製品ながら、食材を美味しく保つための機能もしっかり搭載しています。たとえば、冷蔵室にあるチルド室は用途に応じて2つの温度帯が選べる「セレクトチルド室」。0~3℃帯の低温で肉や魚などの生鮮食材を保存する一般的なチルド室として利用できるほか、チルドよりさらに低温の-3~0℃帯で食材を微氷結させる保存方法も選択可能です。微凍結モードでは生鮮食材を凍るギリギリの温度で鮮度を保ちつつ、カチコチに凍らせないので解凍不要で調理が可能です。

野菜室には庫内中央に冷風を遮る「冷気ガード」を配置。このパーツにより庫内の乾燥を抑えることで他冷蔵室より湿度を高く保って野菜を長持ちするそう。

また、製氷室横にある速冷室では、食材を-24℃で凍らせることが可能。食材を素早く凍らせることで、美味しさをキープした状態で冷凍保存できるといいます。

このほかハイグレードモデルのみ、イオンの力で冷蔵室の付着菌や浮遊菌を99%抑制する「HI-NANO α」(ハイナノアルファー)機能を搭載しています。冷蔵庫は食材を保存する場所だけに、清潔性をキープする機能があるのはうれしいところ。このほか、ハイグレードモデルのみ搭載する機能として、スマートフォンとの連携機能などがあります。

デザイン・コストパフォーマンスともに魅力的
新製品はソリッドで高級感のある本体デザインも魅力的。特に、ハイグレードモデルは表面にヘアライン加工を施してあり、高級感は上々です。

ハイセンスは白物家電では認知度が低いゆえに、そのサポート体制に不安を感じている方も多いはず。しかし、一般的な冷蔵庫のメーカー保証が1年であるなか、本製品はメーカー保証が3年と長期の保証を行っています。加えて、同社はユーザーサポートを全国に約300拠点を用意しており、実はユーザーサポートも整っていることがわかりました。
「ぴたよせドア」と底面排熱で設置の自由度が高く、「セレクトチルド室」を備えるなど鮮度保持機能もしっかり搭載したハイセンスの新製品。450Lの大容量かつこの高級感で20万円以下というのは、かなりコストパフォーマンスに優れていると感じました。ファミリー向けモデルを探しているなら、ぜひ一度チェックしてほしいですね。