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2017/7/18 18:51

いま、なぜこの2アイテムが注目なのか? 身体の芯まで冷やす「フローズンデザート家電」の革新を家電のプロが解説

ドウシシャ「電動ふわふわとろ雪かき氷器」 vs ハイアール「アイスデリ プラス」 第1回

梅雨も終盤にさしかかり、いよいよ夏本番を迎えようとしている。暑い夏を快適に過ごすためにはエアコン・扇風機選びなども重要だが、身体の芯まで冷やしたいのであれば「フローズンデザート」が作れる家電がオススメだ。特に最近注目されているのが、「台湾式かき氷」(味を付けた氷を使ったかき氷)を作れるドウシシャの「電動ふわふわとろ雪かき氷器」と、冷却機能を搭載するハイアールのアイスクリームメーカー「アイスデリ」だ。今回は、この似て非なる2つのアイテムを対比させながら紹介していこう。

↑ドウシシャが2017年3月に発売した「電動ふわふわとろ雪かき氷器 DTY-17」(実売価格5270円)
↑ドウシシャが2017年3月に発売した「電動ふわふわとろ雪かき氷器 DTY-17」(実売価格5270円)

 

↑ハイアールが2017年5月に発売した「アイスデリ プラス」(写真左、実売価格1万7090円)と「アイスデリ」(写真右、同1万4620円)
↑ハイアールが2017年5月に発売した「アイスデリ プラス JL-ICM720A」(写真左、実売価格1万7090円)と「アイスデリ JL-ICM710A」(写真右、同1万4620円)

 

「電動ふわふわとろ雪かき氷器」は味付きの柔らかい氷も削れるのが魅力

一般的なかき氷器は冷凍庫で冷やした氷を使ってかき氷を作るものだが、こちらは冷凍庫の氷はもちろんのこと、付属のケースで凍らせたジュースなどを使った「台湾式かき氷」を作れるのが特徴となっている。

↑ドウシシャの「電動ふわふわとろ雪かき氷器」は味の付いた氷を削って作る「台湾式かき氷」を楽しめるのが最大の特徴だ
↑ドウシシャの「電動ふわふわとろ雪かき氷器」は味の付いた氷を削って作る「台湾式かき氷」を楽しめるのが最大の特徴だ

 

「電動ふわふわとろ雪かき氷器 DTY-17BK」は2016年に発売された初代モデル「DTY-16BK」をブラッシュアップしたモデルだ。本体サイズはほぼ同じだが、本体下部の器を置くスペースが前後左右に広がったことで、より大きな器を入れて大きなかき氷を作ることができるようになった。

 

「電動ふわふわとろ雪かき氷器」シリーズの大きな特徴は先述した通り、水だけで作った通常の氷以外にもジュースや、練乳と牛乳を混ぜ合わせたものなど、味の付いた氷を使える点にある。混ぜ物の入った氷は通常の氷に比べて柔らかい。コンビニなどで買える透明なロックアイスに比べて、冷蔵庫で作った氷は多くの空気が含まれるため柔らかいのも同じことだ。そのため、一般的なかき氷器ではうまく削れないことが多い。

 

その点、電動ふわふわとろ雪かき氷器シリーズは刃の高さ(氷を削る厚さ)を変えることができる。これによって、硬い氷でも柔らかい氷でも、かんなで木材を削るように薄く氷を削れるようになっている。また、気分によって昔ながらのザックリとしたかき氷を味わえるというのもうれしいものだ。

↑DTY-17BKで作ったかき氷。牛乳と練乳を混ぜて凍らせた氷を削った上に、さらに練乳をかけている
↑DTY-17BKで作ったかき氷。牛乳と練乳を混ぜて凍らせた氷を削ったうえに、さらに練乳をかけたもの

 

製品には「製氷カップ M」が2個付属しており、直販サイトで販売(1個100円)もしている。残念なのは冷蔵庫で凍らせた「バラ氷」を使えない点だ。作り置きの氷がなくなった瞬間にかき氷が作れなくなってしまうので、製氷カップをいくつか追加購入しつつ、できあがった氷はジップロックなどのチャック付きストックバッグに入れ替えて保存しておくとよさそうだ。

 

「アイスデリ」は容器を事前に冷凍する必要がないのが画期的

一方、ハイアールが2016年4月に発売した「アイスデリ」は、アイスクリームメーカーの歴史を塗り替える画期的な製品だ。2017年5月にはその上位モデルとなる「アイスデリ プラス」を発売。さらにファミリー向けの大型モデル「アイスデリ グランデ」もラインアップに加わった。

↑同じく2017年5月に発売した上位モデルの「アイスデリ プラス」
↑2017年5月に発売した「アイスデリ JL-ICM710A」

 

↑2017年5月に発売した「アイスデリ」の第2世代モデル
↑同じく2017年5月に発売した上位モデル「アイスデリ プラス JL-ICM720A」

 

↑同じく2017年5月に発売した大容量モデル「アイスデリ グランデ」(実売価格1万6460円)
↑2017年5月発売の大容量モデル「アイスデリ グランデ JL-ICM1000A」(実売価格1万7490円)

 

数十年前から「アイスクリームメーカー」という製品は存在しているが、従来の製品は冷凍した容器に材料を入れてかき混ぜると、アイスクリームやシャーベットができあがるという仕組み。原理としては氷水で冷やしながら生クリームをホイップしたり、湯煎しながらカスタードクリームを作ったりするのと同じようなものだ。筆者が子どものころは、本物のアイスクリーム(牛乳と生クリーム、卵、砂糖だけを使ったもの)をスーパーマーケットなどで購入することは困難だったので、本物のアイスクリームのおいしさは別格だった。

 

ただし、こちらの最大の問題は「容器を事前に冷凍しておかなければならない」ということだった。容器は一度使ってしまうと温度が上がってしまうため、連続してアイスクリームを作ることができない。しかも容器は冷凍庫で約8時間ほど冷やさなければならなかった。というわけで、一度は購入して作ってみたけど、面倒くさくて戸棚の肥やしにしてしまったという人も多いのではないだろうか。

 

アイスデリシリーズが画期的なのは、冷却装置を内蔵している点にある。小型ワインセラーやパソコンのCPU向け冷却装置などに採用されている「ペルチェ式冷却器」を搭載することで、コンパクトながら冷却しながらの調理が可能になった。つまり事前に容器を冷却しておく手間が不要になったというわけだ。

 

ちなみに事前冷却式の場合は約30分でアイスクリームを作れるのに対し、アイスデリシリーズは約40分~120分で作れる(容量やメニューによって異なる)。場合によっては事前冷却式に比べて調理時間がかかってしまうこともあるものの、事前に冷却しておかなくていいという手軽さは圧倒的な魅力だ。

 

昨年登場した初代モデルの「アイスデリ」と、大容量モデルの「アイスデリ グランデ」はアイスクリームの定番の硬さに仕上げられる「かため」と、クリーム感のある「やわらか」という2種類のメニューを搭載している。今年登場した「アイスデリ プラス」は、それに加えてサクサク食感を楽しめる「シャーベット」、シャリシャリ半冷凍のフローズンドリンクを楽しめる「フローズン」、さらには約0℃で冷たいジュレなどを作るのに向く「ジュレ」、冷製スープなどを楽しめる約5℃の「冷スープ」と、全部で6つのメニューを搭載した。

 

では、これら2機種を使えば、どのように暑い夏を涼しく過ごせるのか、次回以降に紹介していきたい。

↑アイスデリ プラスで作ったアイスクリーム
↑「アイスデリ プラス」で作ったアイスクリーム

 

↑「ジュレ」モードで作ったジュレを使って仕上げた「冷製パスタトマトのジュレ添え」
↑「ジュレ」モードで作ったジュレを使って仕上げた「冷製パスタトマトのジュレ添え」