ツインバード工業が4月11日に発表した「業績予想の修正に関するお知らせ」に、「第4四半期に予定していた重点商品の発売が次期にずれ込んだこと等により、売上高は当初計画を下回る見込み」という一文が記載されています。この「重点商品」というのが、今回発表されたコードレススティック型クリーナー 「TC-E261S」です。昨年8月にTV番組の「カンブリア宮殿」で開発過程が紹介されて、翌日から大反響。期待に応えるためにこだわり抜いた結果、当初年末以前だった発売予定が5月7日までずれこんだといいます。さて、発売日をずらしてまでこだわった新製品、業界最軽量の1.5kgということですが、いったいどのような仕上がりになったのでしょうか。
コールセンターに寄せられた5つの課題をフィードバック
ツインバード工業のコールセンターは、本社の商品開発部のすぐ近くにあります。そのため、コールセンターに入ったユーザーからの声を製品開発にフィードバックしやすい環境となっています。そのコールセンターに集まった掃除の問題点が次の5つ。それは「メンテナンス」「重さ」「ユーザビリティ」「パワー」「デザイン」です。
発表会では、同社の開発生産本部プロダクトディレクション部マネージャーの古川泰之さんが登場。新製品では、先述の5つの問題点をどのように解決してきたのか、次のような内容で説明しました。
①紙パック式にすることで「メンテナンス」をより手軽に
サイクロン式の掃除機や、ダストカップ式の掃除機は、ゴミを捨てる際にホコリが舞い上がります。また、フィルター部分に微細なゴミが目詰まりし、お手入れが必要となる場合も少なくありません。フィルターを掃除したら手も汚れます。その問題を解決するために採用したのが、スティッククリーナーでは珍しい「紙パック式」です。ゴミ捨ては、紙パックを捨てるだけなので簡単です。しかも、本体と一緒に最初から12枚の紙パック(同社の基準で1年分)が同梱されているので、買ったその日から気軽に使えます。紙パックは家電量販店での販売も予定しており、価格は12枚入りで1200円(税抜)。
②モーターの軽量化などで「重さ」の課題をクリア
汚れに気が付いたら、すぐに掃除をするには、持ち運びやすさや軽さが大切です。新製品の本体重量は約1.5kgと業界最軽量。紙パック式を採用したことで、ダストボックスを省くことが可能になり、さらにモーターの軽量化にこだわりました。発売が遅れたのは、納得のいく軽さとパワーのバランスを調整するのに時間がかかったからだそうです。実際持ってみると、片手でも楽に持てて、階段の昇降時なども手軽に使えそうです。
③ヘッドにボールキャスターを搭載し「ユーザビリティ」を向上
部屋の中には、家具や段差が結構あります。狭い場所や家具と家具の間をスイスイと掃除できたらとてもラクですよね。新製品ではヘッドにボールキャスターが搭載され、前後、左右、ともに180°傾けることが可能。狭い場所の掃除もスムーズで、部屋の隅や家具の下の掃除もしやすいので、モップのような感覚で気軽に掃除できます。
④パワーブラシ搭載と70Wの吸い込み仕事率で「パワー」を実現
カーペットを掃除できるようにパワーブラシを搭載。また、先述の通り、軽さとパワーのバランスの調整に苦労しながらも、吸い込み仕事率は70W(強モード)と、コードレスでは十分なレベルを実現しました。バッテリー持続時間は強モードで約7分、標準モードなら約30分です。充電時間は3時間。
⑤ムダをそぎ落として暮らしになじむ「デザイン」を追求
掃除機は使っている時間よりも、使っていない時間の方が長い家電です。同社では「美しいデザインを採用し、気が付いた時にいつでも使えて美しく暮らせる」ように、ムダをそぎ落としたミニマルなデザインを採用したそうです。
何の抵抗もなく掃除できるライフスタイルを提供したい
なお、ツインバード工業が掲げる新製品のコンセプトは、「“掃除する日”が消えた。」。「掃除する日の予定をたてたり、掃除することを意識しなくても、キレイな部屋が当たり前になるライフスタイルをこの掃除機とともに提供していきたい」と、同社の古川マネージャーは語ります。なるほど、佇まいが美しく、どこにでも置いておけて、軽くて手軽に使える掃除機があれば、食事の前にサッとテーブルを拭くのと同じ感覚で掃除ができるかもしれません。覚悟を決めずとも、気軽にチョコチョコ掃除できるようになるのがうれしいですね。