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美容家電
2018/12/5 21:00

何か足りない…? いや、これが完成形! 斬新すぎる「鼻なしドライヤー」に大ブレイクの予感

近年、髪へのやさしさと使いやすさを追求したドライヤーが登場して話題を集めるなか、12月10日、また新たなコンセプトを持つヘアードライヤーが発売されます。それは理美容家電メーカー「カドークオーラ」が開発した「BD-E1」(実売予想価格2万8000円・税抜)。本機は、一見して「ほかのドライヤーとは違う」とわかる斬新な“ノーズレス”のフォルムが特徴です。いったいどのような経緯で生まれ、どのような機能を搭載しているのでしょうか? 発表会の内容から探っていきましょう。

↑カドークオーラのヘアドライヤー「BD-E1」はブラックとホワイトの2色展開。”ノーズレス”なデザインが斬新です

 

カドークオーラ

BD-E1

 

日本の空調家電メーカー・カドーと韓国の財閥系商社が組んで発売する第1弾

今回、新しいドライヤーを発表した「カドークオーラ」は、日本の家電メーカー「カドー」と韓国の大手財閥「SKグループ」の商社「SKネットワークス」が今年4月に設立した合弁会社です。カドーは「空気をデザインする」をコンセプトに掲げ、デザイン性の高い空気清浄機や加湿器などの製品を多数生み出し、業界では一定の地位を確立しています。

 

ところが、「近年の消費者志向から、これまでにない家電をグローバルに展開していく必要性がある」(代表取締役・古賀宣行氏)と感じたことから、グローバルな販売力を持つSKネットワークスと協業。カドークオーラを設立し、主に美容家電、健康家電を開発、販売していくとしています。そんな同社の第一弾となる商品が、今回発表されたBD-E1なのです。

 

なお、今回の協業で最初に声をかけてきたのはSK側からとのこと。斬新なデザインで知られる加湿器に惚れこみ、コンタクトを取ってきたのがそもそものきっかけだといいます。

↑カドークオーラの代表取締役・古賀宣行氏。「カドーの得意とするデザインと開発力、SKネットワークスのグローバルな販売力を生かし、リーディングカンパニーを目指していきたい」と話します

 

↑「美容家電業界の中でもひときわ目立つ日本で開発される美容家電は、世界市場でもその価値を認められることになる」と期待を寄せるSKネットワークス副社長・専務取締役のファン・イルムン氏

 

遠赤外線と2.2㎥の大風量で速乾性を実現

BD-E1の開発にあたってこだわったのは、「風質」「風量」「風温」の3つ。この「トリプルトリートメントテクノロジー」に、BD-E1の革新性が込められています。

 

「風質」の面では、まず、吹き出し口の最前面のセラミックカートリッジを設置。さらに熱源となるニクロム線にもセラミックコーティングを施した「デュアル遠赤外線」により、高い遠赤外線効果を髪と地肌に届けることを可能にしました。なお遠赤外線は「温熱効果のほか、細胞の活性化、新陳代謝の促進など健康作用にも効果がある」(古賀氏)としています。さらに、マイナスイオンユニットを搭載することで、高い風質を実現したとのこと。

↑吹き出し口のセラミックカートリッジには、遠赤外線効果の高いオーラストーンに、テラヘルツ鉱石の粉末をブレンド

 

「風量」の面では、高性能なDCブラスレスモーターと、鼻のないノーズレス形状により、約2.2㎥/分を実現。一般的なドライヤーの風量が1.3㎥~1.5㎥/分であるため、かなりパワフルであることがわかります。ちなみに一般的なブラシモーターの寿命が500時間であるのに対し、DCブラシレスモーターの寿命は約2万時間以上と、約40倍の長寿命を備えています。

 

「風温」の面では、最大で85℃と低温に設定(室温30℃時)。これは80℃の風温を長時間髪に当てると、キューティクルやCMC、18-MEAなど髪を保護する成分がダメージを受けてしまうことから、同社は髪を傷めず乾かせるマックスの温度として割り出した温度だそう。低温ながら、遠赤外線効果と大風量により速乾性を実現したほか、消費電力を一般的な1200Wより低い1000Wに抑えることができました。

↑低温のため熱く感じにくく、髪を傷めにくいので安心して使えます

 

ノーズレスだと腕や手首への負担が軽くなり、髪に近づけて使える

デザインを考えるにあたり、同社はまず「プロである美容師が満足するクオリティを持つドライヤーこそ、ユーザーに満足してもらえるドライヤーである」と考えました。というのも、美容師にとってドライヤーは意外と重労働。1日あたり多い人で1日20人近く、しかも髪の長い人だと1人あたり15分から20分、ドライヤーを使ってスタイリングするため、手首にかなりの負担がかかります。なかには腱鞘炎になってしまうこともあるのだとか。

 

そこで同社はまず、ドライヤーのノーズ部分をカットすることで、重量約400gという軽量化を実現。さらに、ノーズがあると吹出口を振りながら風を当てようとして手首に相当な負担がかかりますが、ノーズがなければ余計な遠心力もかからず、軽く感じます。髪や顔との距離が近くなるため、腕を高くあげることなく、当てたい場所に近距離でしっかり当てられるなど、使いやすさの面でもメリットがあるのです。

↑ノーズがないと自分の手のような感覚で使え、後頭部も乾かしやすくなります

 

↑BD-E1(左)を一般的なドライヤーの模型(右)と比べた場合。ノーズがあるかないかでは、大きさはもちろん、重さもかなり変わってきます。この状態でドライヤーを振ると、ノーズがあるぶん手首への負担はかなりのもの

 

ヒーターとモーターの間を遮熱することで「Pフォルム」を実現

ただし、このアルファベットの「P」を思わせるフォルム(Pフォルム)を実現するには、ただノーズをカットすればいいという簡単な話ではありません。一般的に、ドライヤーはノーズ部分にヒーターを搭載することでモーターが高温になることを防いでいますが、BD-E1は円形モーターの上にヒーターを配置。そのぶんしっかりとヒーターとモーターの間を遮熱することで、モーターに熱が伝わることを防いでいるそうです。

 

ちなみに、同社が調査した範囲では、BD-E1のような外観のドライヤーは世の中に存在していないとのこと。現在、日本、中国、台湾、香港、韓国の5か国に向けて、意匠登録の手続きを進めているといいます。

↑送風口を下に向け、洗面台の隅にすっきり置けます。別売り(写真)のドライヤースタンドはマグネット式なので、安定して設置できます

 

↑ボディの下に指を掛けるくぼみを設けたのもポイント。手の甲にフィットし、手を離しても安定するバランスの良さも特徴です

 

美容業界から普及していく可能性もある

続いて、プロの美容師代表として、美容室の運営と商品企画を手がけるウィルクアント代表取締役の田中大祐氏によるデモンストレーションも行われました。ボサボサだったモデルさんの髪をスプレーで濡らしたあと、全体をドライしていくのですが、その使用感について「(ボディの)軽さにびっくりしました。ノーズレスだと使いやすさも違う」とコメント。また「手が疲れにくいので、女性やお子さんが使うにもよさそうですね」という感想も。

↑ボサボサだった髪が、簡単なドライとブローでまとまりのあるツヤ髪に

 

さらに田中氏は温度についても言及。「今の時期はオーバードライ(乾かしすぎの状態)になると、髪が乾燥して静電気で広がりやすいのですが、(本機だと)温度が低いのでオーバードライになりにくいですね」と感心していました。軽量で扱いやすく、髪と地肌にやさしいのに速乾。しかも置きやすく長寿命といった特徴から、まずは美容業界から普及していく可能性もありそうです。斬新なデザインもあいまって、話題の高級ドライヤーとして注目されることは間違いありませんね。

↑スタイリングノズルを取り付けた状態

 

ヘアードライヤー「BD-E1」

メーカー希望小売価格:2万8000円(税抜)

サイズ/質量:W110×H250×D60mm/約400g

定格消費電力:1000W

風量:2.2㎥/分

温風温度:約85℃(室温30℃風量「2」設定時)

 

協力:楽天市場