今年も大掃除の季節がやってきました。わが家は築13年。購入したばかりのころは毎年大晦日に大掃除をしていましたが、だんだん面倒になり、ここ数年、大晦日は掃除することなくのんべんだらりと過ごしております。その結果、窓・網戸は汚れ放題、駐車場や玄関までのアプローチも黒ずんでしまってコケまで生える始末……。
静音性に配慮したケルヒャーの日本専用モデルをお試し!
そんな長年の汚れでも簡単に洗い流せないかと、以前からケルヒャーの高圧洗浄機が気になっていましたが、豊富なラインアップの中からどれを選べばよいのかがさっぱり分からず、購入に二の足を踏んでいました。しかしこのほど、日本専用モデルとして静音コンパクトタイプの「高圧洗浄機 K 2 サイレント」が登場するとの知らせが。「サイレント=静か」というわけだから、住宅密集地に立地するわが家にぴったりなのではないか…? というわけで、さっそく使ってみました!
吸音材の採用や空気の流れの改良で、静音化と軽量化を両立
ケルヒャーの高圧洗浄機は水冷モーターモデルと空冷モーターモデルに分かれています。空冷モデルは、モーターを空気で冷やすために空気の取り込み口があることから、作動音が外に漏れやすく、使用中は大きな音がします。水冷モデルは空気を取り込む必要がないので開口部がなく、吸音材や振動抑制ダンパー、音を漏らさない本体カバーなどが取り付けられます。これにより静音化を図ることができるのですが、水冷機構ほか部品が多くなるため、本体重量が重くなるというデメリットがありました。
さて、今回使用するK 2 サイレントは、従来は音が大きいとされていた空冷式。吸音材の採用や空気の流れを改良することで、従来モデルの「K 2」より約50%ほど体感音をカットしたとのこと。空冷式なので水冷機構やその他部材がないため、重量は5.8kgと片手で持ち運びできる重さ。これなら女性でも持ち運べるでしょう。なお、水冷式で最小サイズの「K 3 サイレント」の本体重量は10.3kgと、男性でも持ち運びに苦労する重さです。
また、最大吐出圧力10MPa、吐出水量は最大360L/hと、性能は水冷モデルのK3 サイレントと同等。これで、価格は2万4818円(税込・ケルヒャーオンラインショップ価格)とK 3 サイレント(3万5618円)よりお安くなっています。本体サイズは53.8×29.3×30.3cmとコンパクトなので物置の隅にひょいと入れておけるのもいいですね。
付属品はトリガーガン、8mの高圧ホース、バリオスプレーランス、サイクロンジェットノズル、フォームノズルと、庭や窓、クルマを掃除するには必要十分。ただ、実際に使ってみると、「アレがあったほうがいいなあ」というものが出てきます。これは後ほど説明しましょう。
ホースとワンタッチホースジョイント、電源が必要
では実際に使ってみましょう。まず、庭の水道ホースを本体につなぎます。K 2 サイレント本体とはワンタッチホースジョイントで接続するので、手持ちのホースについていない場合は、インターネットやホームセンターなどで購入しましょう。高圧ホース+トリガーガン+ジェットノズルを本体に取り付けたら電源を接続して本体のスイッチをオン。あとはガンのトリガーを握るだけで高圧水が噴射されます。
サイクロンジェットノズルは黒ずみや苔もパワフルに落とす!
サイクロンジェットノズルは、細く絞った高圧水を高速回転させながら噴射することで、強力な洗浄力をもたらすもの。イメージでは「削るように洗う」(※正しく使えば、素材を傷めることはありません)といった表現がぴったりで、コンクリートの汚れなども難なく落としてくれます。ずっと気になっていた玄関に続くアプローチと駐車場のコンクリートが黒ずみ、ところどころに生えていた苔も、このノズルを使えばみるみる汚れが落ちていく!
外構の石畳も経年劣化で黒ずんでいたのですが、ケルヒャーのパワーでピカピカに蘇りました。ただ、汚れを剥がした泥水が結構飛び散りますので、隣家が近い場合はブルーシートなどでガードするか、アクセサリーパーツのデッキクリーナーを購入したほうがよいです。かなり強い力で水を噴射するので、水の飛び散りは相当なもの。自分の靴、ズボンまで泥水が飛び散りますので、玄関やベランダの床といった狭い場所を洗浄する場合にはデッキクリーナーは必須と思われます。
なお、サイクロンジェットノズルは汚れを強力に落とすのでクルマには使えないのでご注意を。塗装があっという間に剥げてしまうので絶対使ってはいけません! また、家の外壁にも使用しないほうが良いでしょう。外壁には防水の塗装が塗布してあるので、それが剥げると雨水が壁に浸透してしてしまい、壁が傷む原因となってしまいます。
【動画】
サイクロンジェットノズルは回転しながら強力に汚れを落としていきます。使い所を間違えないように!
なお、本機の静音性に関してですが、筆者にとってこれが初めての高圧洗浄機なので比較できませんが、どうなの? と問われれば、「そこそこの音量はあります」と答えるでしょう。とはいえ、深夜早朝に使うのははばかられる音量ですが(使う人はいないと思いますが)、日中ならばまったく問題のない音量です。
悩んでいた網戸や窓の桟が一瞬でキレイに!
次に窓掃除です。実は、窓掃除でいつも悩んでいたのが網戸の処理。網戸の細かい目に詰まった汚れはどうすれば効率よく掃除できるのか…? と思っていろんなグッズを買ってきて試したのですが、どれもイマイチ。すぐにブラシが汚くなって何度も水洗いする必要があったり、表を拭っただけでは汚れが取れず、裏からも拭わなければいけなかったり……と面倒なことこのうえなし。
そんな悩みを吹き飛ばすべく、K 2 サイレントで一気にブシャー!! とやってみました。強烈な水圧で網戸の汚れが吹き飛び、窓の汚れと一緒に下に流れていきます。念のため、網戸をずらして窓も水洗い。このあと、ビシャビシャに濡れた窓を吹き上げる必要がありますが、ここで同社の窓用バキュームクリーナー WV 1 プラス(7538円)が活躍しました。雑巾を絞って拭いての繰り返しがないので楽ちんです。
また、窓の桟の部分もどうやって掃除したらよいか悩む場所ですよね。というわけで、窓の桟も新築以来、初めて掃除しました(笑)。いやまあ汚いこと! 「強」で吹き付ければ、たまった泥や落ち葉のかけらも一気に吹き飛ばすことができました。
バリオスプレーランスとフォームノズルでクルマのお掃除もカンタン
そしてクルマの掃除。クルマを洗浄する場合は、バリオスプレーランスに付け替えます。このランスは、「弱」~「強」に無断階で水圧を変えられるので、思い切って「強」でやってみました。
まずはバリオスプレーランスで表面の砂や花粉、こびりついた虫などを吹き飛ばします。次に、付属のフォームノズルに市販の洗浄剤を入れ、ガンの先に装着。すると泡が吹き出すようになるので、クルマ一面を泡だらけにしたあと、スポンジなどでボディを撫で、汚れを落としていきます。その後、再度バリオスプレーランスで泡を洗い流し、あとは雑巾で拭き上げればおしまい。一般的なホースだと水圧が低すぎて汚れが落ちにくいのですが、K 2 サイレントは汚れに応じて水圧を調節できるのが便利でした。
ベランダの泥や苔もみるみる落ちる
2階のベランダにも使ってみました。こちらも泥がたまっていて、苔まで生えています。水道は庭にしかないのでドラムホースを庭から引き上げて使ってみましたが、水圧には全く問題ありませんでした。バリオスプレーランスの「強」で使ってみたところ、ベランダの泥汚れや苔がみるみるうちに洗い落とされていきます。
先程、アクセサリーパーツのデッキブラシの購入を推奨しましたが、もう一つ、必要かなと感じたのが延長ツールです。付属品だけではベランダのない2階の窓には水流が届きません。例えば、2階の窓を洗浄するには延長パイプが必要なのですが、悩ましいのがその価格。「延長パイプ4M」で2万3544 円と、K 2 サイレント本体とほぼ同じ。うーん。2階の窓は我慢して手拭きにするか、脚立を伸ばしてK 2 サイレントの付属パーツだけで洗浄するか…悩むところです。
汚れが一気に落ちる爽快感をぜひ味わってみてほしい!
とはいえ、本機によって、ずっと見て見ぬふりをしていた汚れが一気に落とせたのがうれしい限り。特に、2階のベランダのドロドロと苔がキレイに取れたときは、ものすごく気持ちがよかったです。そして、洗車と窓・サッシの掃除は、不精な私にとってもっとも気が重い掃除なのですが、本機だと、細かいことを考えずに一気にブシャーっとできるのもいい(晴れた日にブシャーっとやると最高です!)。活躍する頻度はそれほど多くはないですが、本機があると間違いなく便利ですし、あの爽快感はなかなか味わえるものではありません。いま、気になる汚れが頭をよぎったあなた、いまから大掃除がイヤだなーと思っているあなた、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。