家電
冷蔵庫
2019/1/24 20:15

「本末転倒」を克服! 新たな「瞬冷凍」で時短効果を高めた三菱電機のAI冷蔵庫

近年、時短ができる生活家電がブームになっています。その背景にあるのは共働き家庭の増加。総務省によると、2017年の時点で共働きの家庭は1188万世帯にものぼるそうです。夫婦ともに忙しいなかで、ちょっとでも家事をラクにしたい……そんな意識が、ドラム式洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機、自動調理鍋、ロボット掃除機といった時短家電の購入へと向かわせるのです。

 

もっとも時短したい「料理」に役立つ冷蔵庫

三菱電機によると、主婦にとって最も時短したい家事は「料理」だそう。確かに、下ごしらえ、調理、配膳のすべてをやると1時間は軽く超えてしまいますが、これらを仕事から帰ってきてから毎日こなすのはつらいものです。さらに、食材の買い出しもあるし、食べた後の片付けもあります。かといって、スーパーの惣菜ばかりの食卓はイヤ……。

↑主婦が時短したい家事のトップは「料理」。続いて「掃除や片付け」「買い物」となっています

 

そこで三菱電機では、調理の負担を少しでも軽くしようと、「切れちゃう瞬冷凍A.I.」を搭載した冷蔵庫の新製品「MXシリーズ」を発表しました。もともと、食材がサクッと切れる「切れちゃう瞬冷凍」自体が時短機能なのですが、新製品ではさらに進化して、野菜も生のまま瞬冷凍できるようになりました。

↑瞬冷凍室を開いた状態のMXシリーズ

 

凍ったまま包丁で切れる便利な機能「切れちゃう瞬冷凍」

「切れちゃう瞬冷凍」は過冷却現象を応用した冷凍保蔵方法で、その仕組みは次の通りです。まず、食品をゆっくり均一に冷やすことで凍結点を過ぎても凍らない過冷却状態にした後、温度変化を与えることで食品全体に一瞬で多量の氷核を形成。さらに約-7℃まで冷却し続けることで、氷核を基に微細な氷結晶が食品全体に均一に作られます。これにより、凍結による細胞の破壊を抑え、美味しく冷凍できるというもの。

 

約-7℃という比較的高い温度で冷凍するため(一般的な冷凍室は約-18℃)、凍ったままでも包丁で切ることができ、薄切り肉や魚の切り身を一片ずつ剥がすこともできる人気の機能です。

↑「切れちゃう瞬冷凍」したひき肉の例(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

「野菜は凍らせる前にゆでる」という本末転倒を解消

「切れちゃう瞬冷凍」は、人気の機能ではあったのですが、これまで生のまま瞬冷凍ができたのは肉と魚だけ。野菜は一度ゆでる、レンジにかけるなどの下処理が必要でした。しかし、そもそも主婦が求めているのは料理の時短です。ゆでるなどのひと手間が必要になるのは本末転倒。肉・魚と同様、野菜も生のまま冷凍できれば、週末にまとめてカットして保存できるのに……。

 

ということで、新モデルでは「切れちゃう瞬冷凍」の温度制御を改善して、野菜も瞬冷凍できるようにしました。具体的には、凍らせるための刺激となる温度変化を野菜に影響の少ない温度帯まで上げ、それ以降の冷却もより時間をかけるようにすることで、生のままでも美味しく冷凍できるようにしたものです。

↑野菜を瞬冷凍するため温度制御の方法を変更。この1つの制御で肉・魚・野菜が瞬冷凍できるようになりました。なお、実際の温度や時間は「企業秘密」だそうです

 

カット野菜がカンタンにほぐせるのですぐ使える!

なお、カットした野菜は簡単にほぐせるので、そのままフライパンに投入することもできます。また、加熱後のドリップ量が通常冷凍に比べて3割ほど抑えられるので水っぽさがなく、ゆで汁へのビタミンCの流出量も大幅に抑制できます。つまり、冷凍してもシャキシャキで美味しい野菜が楽しめるわけですね。なお、切れちゃう瞬冷凍による野菜の保存期間は約2周間です。

↑実際に瞬冷凍したもやしの比較。通常冷凍したものは塊になっていて手では簡単にほぐせませんが(左)、瞬冷凍したもの(右)は最初からパラパラしているのでそのまますぐに鍋やフライパンに投入できます

 

↑瞬冷凍した野菜は解凍後の水っぽさが抑えられ、シャキシャキ感が持続するとともに、茹で汁へのビタミンCの流出も抑制されます

 

瞬冷凍室に食材を収納すれば瞬冷凍が自動スタート

新製品のもう一つの進化は、「切れちゃう瞬冷凍」にAI(人工知能)が搭載されたこと。これによって切れちゃう瞬冷凍機能が自動化されました。実はこれまで、瞬冷凍室に食品を入れるたびに、冷蔵庫メイン扉の液晶タッチパネルで、いちいち瞬冷凍のスタートを操作する必要がありました。新製品では、瞬冷凍室に食材を収納すれば、自動的に切れちゃう瞬冷凍の制御が始まるようにしたのです。

 

ただし、ここで問題が。瞬冷凍は時間をかけてゆっくり冷やすため、途中に瞬冷凍室を開け閉めすると、自動的に最初からやり直しとなってしまうため、なかなか刺激を与える工程に入らず、いつまでたっても凍らないのです。そこで三菱電機では、AIを搭載することでこの問題の解決を図りました。

 

6ドアすべての扉に搭載されたセンサーの開閉情報を収集し、その家の生活パーンを分析。開閉が活発な時間帯は「食材の投入もある」と見て、投入されるたびに食品を瞬冷凍できるように制御し、開閉が収まる時間帯は「冷蔵庫を使わない」と判断して、再スタートを行わずにそのまま冷凍し続けてしっかりと瞬冷凍までもっていく、というものです。

↑全室のドアセンサーで生活パターンを分析、AIがユーザーの行動を学習します

 

↑AIがユーザーの使い方を予測。普段寝ている時間帯は、扉を開閉しても新たな食材の投入はないと判断して、そのまま瞬冷凍の制御を継続します

 

自動化により、面倒なパネル操作がなくなるとともに、「切れちゃう瞬冷凍」のし忘れがなくなり、また、AI制御があるおかげで、「いつまでも瞬冷凍されない」という事態も防ぐことができたのです。

 

MXシリーズは3タイプを2月21日に発売します。市場想定価格(税別)は、容量572LのMR-MX57Eが40万円前後、503LのMR-MX50Eは36万円前後、455LのMR-MX46Eは35万円前後。また、新たに5ドア片開きのMR-MB45Eシリーズも追加。こちらは容量451L同29万円前後で、発売は2月26日です。

↑新製品のラインアップ

 

実は筆者の家でも同社の冷蔵庫を使っています。「切れちゃう瞬冷凍」が目的で購入したのですが、パートの後に買い物をして帰宅する妻は、バタバタしているうちに、よく瞬冷凍のスイッチを押すことを忘れることがあります。これでは何のためにこの冷蔵庫を買ったのか分からない……。しかし、自動化されればこうしたトホホなことはなくなるし、野菜も瞬冷凍できるとなると、間違いなく妻の家事負担は減ることでしょう。今年は消費増税もあることですし、あなたも、この機会に冷蔵庫の買い替えを考えてみてはいかがですか?