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冷蔵庫
2019/1/31 20:00

超オシャレ、ただ横幅が…世界的デザイナー「冷蔵庫のトレンド」に逆らう理由

冷蔵庫は大型化が進み、キッチンの中で圧倒的な存在感を放つだけに、デザインが重要となってきます。そんななか、アクアが世界的なプロダクトデザイナー、深澤直人(ふかさわ・なおと)さんと組んだ最上位の冷蔵庫「TZシリーズ」(品番AQR-TZ51H)を発表するとのこと。いったいどんなデザインなのか? これはぜひ見てみたい! というわけで、この「TZシリーズ」、実際に見に行ってきました。

 

扉の曲線から上下の扉の隙間までこだわったデザイン

↑ダークウッドブラウン(左)とサテンシルバー(右)の2色展開

 

本機は定格内容積512L、4ドアタイプの冷凍冷蔵庫。発売は3月上旬からで、実売予想価格は27万円(税抜)です。先述の通り、デザインを手掛けたのは、世界的なブランドのデザインやコンサルティングを多数手掛ける深澤直人氏。無印良品の壁掛式CDプレーヤーや±0の加湿器、auのケータイINFOBARなどをデザインして話題となり、ドイツのiF金賞やレッド・ドット・デザイン賞、英国のD&AD賞、アメリカのIDEA賞をはじめ、国内外のデザイン賞を多数受賞していることでも知られています。

 

そんな深澤氏がデザインした本機、かの名作チェア「HIROSHIMA」を彷彿とさせる美しい曲線が特徴です。扉には開閉時に手になじむ曲線を採用し、上下の一枚扉に見えるよう上下の扉の隙間を狭くするなど、細部にまでこだわっているとのこと。

↑扉の曲線は、開閉時に手になじむ曲線、樹脂質感、厚みなど、細部にまでこだわっています

 

↑家具のように、一枚扉にみえるよう上下の扉の隙間を狭くするなど、細かい調整が難しかったそうです

 

トレンドに逆行して薄型化し、取り出しやすく、通路を広くした

なお、大型冷蔵庫では、買い換え時にフィットしやすいよう、横幅を狭くしつつ内容量を大型化するという傾向にあります。しかし、本機はその流れに逆行し、500Lクラスで最薄の635mmの薄型設計を採用し、そのぶん横幅は830mmと広くなっています。例えば、520Lの日立R-HW52Jは横幅650mm、517Lの三菱電機MR-WX52Dも横幅650mmですので、これらに比べて、約18cm横幅が広い計算になります。その理由を、アクアのマーケティング本部 冷蔵庫企画グループ ディレクター 山本陽護氏は以下のように説明してくれました。

↑アクアのマーケティング本部 冷蔵庫企画グループ ディレクター 山本陽護氏

 

「冷蔵庫の奥行きがあるということは、そのぶん引き出しも奥行きがあるということ。キッチンの奥に冷蔵庫を設置すると、カウンターにあたって引き出しが全部開けられず取り出しにくいことがあります。また、冷蔵庫の奥行きがあると、そのぶんキッチンの通路が狭くなるので、人がすれ違うのが難しいということも。実は、当社も深澤さんとお話するまでは、横幅を狭くすることにこだわっていたのですが、冷蔵庫の使いやすさについて深澤さんとお話をして、奥行きを薄くする方向で開発を進めることになりました」(山本氏)

↑キッチンの奥に冷蔵庫がある場合、手前のキッチンカウンターがあるため、引き出しにくいと感じることがあります

 

↑手を伸ばすと、奥まで手が届くので食品を取り出しやすいです

 

省エネ面での不利を補うため、幅が広い真空断熱材を採用

ただし、薄型設計にすると、設置性以外でもクリアすべき課題が出てきたといいます。

 

「横幅が広くなると扉の開口部も広くなり、庫内の冷気が逃げやすくなるのでそのぶん省エネ性能では不利になります。それを補うため、同社では本機用に幅が広い真空断熱材を用意し、キワまでしっかり隙間なく真空断熱材を配置して省エネ性能にも配慮しました。ここまで幅広い断熱材を使っている製品は、なかなかないと思いますよ」(山本氏)

7つのロングLED庫内灯で庫内が明るく見やすい

冷蔵室を開くと、7つのロングLED庫内灯によって、庫内が明るく見渡しやすいのがわかります。冷蔵室の一番下に野菜を入れる「旬鮮野菜ルーム」にもLEDを配置しているので視認性はバッチリ。先述の山本氏によると、「上から下までしっかり見渡せるよう棚の透過性にもこだわりました」とのこと。

↑冷蔵室には7つのロングLED庫内灯があるので、明るく見渡しやすいですね

 

野菜室には野菜に冷気が当たりにくい構造を採用

なお、本機は、上段下段に分かれたスペースのうち、下段が全て容量180Lの冷凍室になっているため、野菜は冷蔵室内の「旬鮮野菜ルーム」に収納します。こちらは一見、一人暮らし用に冷蔵庫によくある収納ケースのようですが、野菜が乾燥しないよう、工夫が施されているとのこと。

 

「直接冷気が当たると野菜が乾燥してしまうので、半密閉構造を採用し、旬鮮野菜ルームを外から冷やすようにすることで、冷気を野菜に当てないようにしています。また、冷えすぎると食材が乾燥するので、ルーム内の温度変化を1℃以内にコントロールして食材の乾燥を抑制。さらに、葉物野菜をたくさん収納したときに、余分な湿気を放出して結露を抑制できるよう”HCS-Vフィルター”を搭載しています」(山本氏)

↑冷気が直接当たらない工夫を施した「旬鮮野菜ルーム」(写真下)

 

↑HCS-Vフィルターを搭載して野菜の水腐れを防ぎます

 

ドアポケットや冷凍室にも使い勝手を高める配慮が

ほかにも、扉部分には2Lのペットボトルを左右で6本収納できるボトルポケットを搭載しています。おもしろいのが、ふた付きポケット。ニオイが気になるチーズやキムチ、食品とは別で保存したい化粧品などを入れるのに便利です。

↑扉にはふた付きのポケットがあります

 

↑卵ケースは、1パック分+4個と、たっぷり収納できます

 

続いて冷凍室をみていきましょう。たっぷりと180L入る冷凍室は、6つのボックスに分かれているので整理がしやすいです。上段には、「フリージングトレイ」を備えており、一気に冷凍して食材のおいしさを封じ込めます。

↑ボックスの深さが違うので、下段は大型の冷凍食品、中段は食パンなど、食材にあわせて収納できます

 

↑フリージングトレイは上下に設置されているので、食材によって使い分けができます。温かいごはん(60℃まで)もそのままラップして冷凍できるのも便利

 

「アンチフロスト機能」搭載で冷凍焼けを防ぐ

このほか、冷凍室には食材の「冷凍焼け」を防ぐ「アンチフロスト機能」を搭載しています。これは、冷凍室の霜取り運転の際に、暖かい空気が庫内に流れこむのを防ぐように風路を遮断するという機能。冷凍室内の温度変化を抑えて食材の冷凍焼けを防ぎます。

↑冷却器についた霜を取る「霜取り運転」ではヒーターを使用。その暖かい空気が庫内に流れこまないように「フレッシャー・シールド」で風路を遮断します

 

TZシリーズは、家具のような落ち着いたデザインがとても素敵。インテリアとして所有する満足感を得られる冷蔵庫だと感じました。そのうえ、食品の取り出しやすさ、整理のしやすさ、省エネへの配慮など、基本的な性能も頼もしいです。他社の最上位機種だと40万円超のモデルがあるのを考えると、税抜27万円はお手ごろかも。設置幅さえ許せば、大いにオススメしたいモデルです。

↑キッチンやリビングの空間になじむ冷蔵庫は自慢にできそうですね

 

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