思い返せば、ダイソンが格段に進化を遂げたスティック型コードレスサイクロン掃除機「Dyson Cyclone V10」を発表したのが2018年の春。本機は、モーターとサイクロンをパイプの直線上に配置してゴミの分離効率を上げたり、10年の歳月をかけて開発した小型でパワフルなV10モーターを搭載したり、小型ながらロングライフなバッテリーを搭載したりと、これまでの同社クリーナーの歴史の中でも大きな転換点となるモデルです。創業者のジェームズ・ダイソン氏がV10の発表をもって「もうコード式クリーナーは作らない!」と宣言してしまうほどの自信作でした。あれから1年、そのダイソンがまたクリーナーの新製品を発表しました。それが、「Dyson V11 コードレスクリーナー」(以下V11)です。
従来のダイソンより吸引力を25%高めた「Dyson V11 コードレスクリーナー」
こちらは5100億円以上を投資して開発したダイソン デジタルモーター V10(DDM V10)をさらに改良したダイソン デジタルモーター V11(DDM V11)を搭載。さらにDDM V11には3段階ディフューザー(※)を搭載し、最初の2つのディフューザーがモーターから出る空気の流れを整え、乱気流を低減します。これにより、回転数はそのままに、吸引力が先代モデルのV10より25%アップしました。また、3つめのディフューザーが騒音を低減するので運転音が11%低減しています。
※ディフューザー…空気の吹き出し口のこと
Dyson V11 コードレスクリーナー
ダイソンV11は、液晶ディスプレイで運転の残り時間を1秒単位で表示
特に大きな改善点は、本体に搭載されたカラー液晶ディスプレイ。「コードレスクリーナーの導入に至らない大きな障害の一つに、運転時間に対する不安がある。掃除をしている最中に止まってしまうのではないかという不安だ。新搭載の液晶ディスプレイにはリアルタイムに残り時間を1秒単位で表示することで、この不安を解消した」とコードレスクリーナー製品開発責任者であるケビン・グラント氏は説明します。
バッテリー残量表示はアタッチメントを変えると変化する
バッテリーの残量表示は、エコ/中/強の3段階の運転モードを切り替えることで変化するだけでなく、アタッチメントを変えることでも変化します。例えば、ミニ モーターヘッドの場合はバッテリーの負荷がさらに加わるので運転時間は短くなります。また、センサーがモーターの負荷を見ているので、掃除する場所の状況、床や畳、ソファやカーペットによっても運転時間が変化。「ユーザーが使うほどに学習し、ユーザーの使い方に合わせてバッテリー残量を正確に表示する。使えば使うほど賢くなっていく」(グラント氏)とのこと。
なお、最長運転時間は、エコモードが約40分/60分(クリーナーヘッド/非モーター駆動ツール装着時・以下同)、中モードが約20分/30分、強モードが約8分/5分。フル充電に要する時間は3.5時間です。
このほか、液晶ディスプレイにはメンテナンス情報も表示します。例えばゴミが詰まった場合、どこを開けてゴミを取り除けば良いのかをイラストで表示したり、フィルターの洗浄タイミングに通知したり、フィルターやダストカップがきちんと装着されていない場合はアラートを出したり、といった具合です。