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調理家電
2019/5/15 20:30

このウマさ、確かに「神鍋」だ! レトロすぎる台湾の「大同電鍋」で魯肉飯を作ってみたら

台湾好きの間でここ数年ブームになりつつある「大同電鍋」をご存じですか? 台湾の老舗電機メーカ「TATUNG(大同)」が製造販売する電気調理鍋で、日本でもオンラインショップを通じて購入できます。

 

大同電鍋は、台湾では一世帯に1.7台以上あると言われるほど人気の調理家電。そんな大同電鍋こそ、昨今ブームの”ほったらかし家電”の元祖といっても過言ではありません。

今回は大同電鍋を実際に使って、シュウマイと魯肉飯(ルーローファン・豚の角煮丼のこと )を作ってみました。「神鍋」とも言われる大同電鍋の人気の理由をご紹介しましょう。

 

炊く、蒸す、煮込みがスイッチひとつでできる

TATUNGの公式オンラインショップでは、6合炊きのMサイズと10合炊きのLサイズが購入できます。Mサイズは6人用(実売価格1万1800円)、Lサイズは10人用(実売価格1万3800円)となっています。カラーは緑、赤、桃色、白の4色。台湾ではさらにいろいろなカラーが売られているそうです。

↑今回使用したのはMサイズの緑。サイズは高さ240×幅310×奥行き255mm、重さは3.2kg

 

大同電鍋は「炊く」「蒸す」「煮込む」の3つの調理と「保温」に対応しています。蓋(ふた)は二重になっており、内蓋は冷蔵庫で保存するときだけ使います。

↑内蓋は調理中には使わない。ちなみに外釜の丸洗いはNG

 

↑内釜を使って「炊く」「煮込む」といった調理を行う。付属の計量カップは電鍋専用で、分量は日本の米の計量カップと同じ

 

ごはんを炊くこともできるので、炊飯器として使うのもアリ。ご飯を炊きながら、おかずを同時に温めるといった使い方もできます。とはいえ、最近の台湾の家庭では炊飯器でごはんを炊き、大同電鍋でおかずを作るのが一般的なのだとか。

 

スーパーで買ってきたシュウマイが、ジューシーに蒸し上がる!

まずはシュウマイを蒸してみることにしました。大同電鍋の外釜に1/2カップの水を注ぎ、高さのある耐熱皿か脚付きの網を置きます。その上に裏返したスチームプレートを置き、クッキングシートを敷いて、シュウマイを並べて外蓋をする――準備はたったこれだけ!

↑あとは外蓋をして、スイッチを入れるだけ。野菜を蒸すときなどは、外釜に直接スチームプレートをセットして、その上に野菜を載せるだけでいい

 

大同電鍋に驚くのが、スイッチはただ「オンにするだけ」という点。水がなくなるとスイッチがオフになる仕組みで、外釜に入れる水の量で加熱時間を調整するというなんともシンプルな調理家電なんです。

↑スイッチのつまみを下ろすと加熱が開始する。拍子抜けするくらいのわかりやすさだ

 

完成時には音が鳴らないので、気付いたら完成していました。音が鳴らないというのだけはちょっと不便かも……。

 

15〜20分ほどの加熱を終えて完成したシュウマイは、電子レンジで温めたときよりもふっくらしていて、お店で食べるときのようなジューシーな仕上がりに! もちろん、普通の蒸し器でも同じように仕上がりますが、火を使わずに気付いたら完成しているというのがいいですね。

↑普段は面倒なので蒸し器を使わずに電子レンジに頼っていたが、大同電鍋を使って温めたほうが手作り感がある

本場さながらの「ルーローファン」は完成するか!?

続いて挑戦したのが、台湾料理のド定番「ルーローファン」。私が台湾を訪れるときには必ず食べる料理なのですが、家で思う存分食べたい! というときに、この大同電鍋は欠かせません。

↑用意した4人分の材料はこちら。豚バラブロック500g、干ししいたけ4枚(小ぶりのものだったので多めに使用)、ネギ1本、ニンニク1片分(今回は瓶詰めの刻みニンニクを使用)、生姜5g(今回は瓶詰めの刻み生姜を使用)、オイスターソース大さじ2、濃口しょうゆ大さじ3、酒大さじ3、砂糖大さじ2と1/2、五香粉小さじ1/5、ごま油大さじ2。お好みでパクチー適量、たくあん適量も用意しよう

 

作り方はそう難しくありません。豚バラ肉を1cmの棒状に切り、続いて3cmほどの長さにカット。フライパンにごま油を入れて豚バラ肉を炒めたら、みじん切りにしたネギ、ニンニク、生姜を投入。ニンニクと生姜の香りがしてきたら内釜に移し、オイスターソース、濃口しょうゆ、酒、砂糖、五香粉(ごこうふん・中国の代表的なミックススパイス)を加えてよく混ぜましょう。

↑豚バラは表面に焼き目が付くくらいでいい。しっかり火を通すのは大同電鍋の仕事だ

 

↑外釜に200mlの水を入れて蓋をしてスイッチをオン。あとは完成を待つだけ

 

4人分をひとりで平らげてしまいたくなるおいしさに仕上がった

30〜40分ほどで加熱が終わったので、あとは保温スイッチをオンにしておけば、いつでもほかほかのまま食べられます。蓋を開けてなかを見てみると、先ほどよりもとろみが出ていて、部屋中に八角のいい香りが。……これでマズイわけがない!

↑煮込み終えたルーローファンの具からは台湾の香りがする。やはり五香粉が入ることで日本の角煮とは別物になる

 

さっそく炊きたてのごはんの上に載せて、パクチーとたくあんをトッピングすれば、念願のルーローファンが完成!

↑あまりにお腹が空きすぎてどんぶりに盛り付けたが、ちょっと小ぶりな茶碗に盛るとさらに台湾っぽくなる

 

甘辛く煮込まれた豚肉と白米の相性は抜群。ホロホロとまではいきませんが、加熱時間を長くすればさらに極上のルーローファンが完成するでしょう。今回は4人分を作って社内のスタッフにも振る舞いましたが、ひとりでも平らげてしまいたくなるほどのおいしさ。加熱中は一切何もしていないのにここまでの料理が完成するなんて、まさに神鍋!

 

Mサイズは実売価格が1万1800円、Lサイズは1万3800円なのも良心的な価格に思えます。大同電鍋はシンプルでありながら、マルチに使える調理家電。一度使えば大満足すること間違いなしです!