空気清浄機というと、花粉が飛ぶ春先に活躍するイメージですが、実は冬でも大きなメリットをもたらしてくれるといいます。その理由とは何なのか、そしてどんなモデルを選ぶべきなのか? そんな疑問を解消すべく、新しいスタイルの家電店として話題の蔦屋家電を訪れ、敏腕コンシェルジュの久保雄一さんに「空気清浄機を冬に使うべき理由」と「空気清浄機の選び方のポイント」「オススメの空気清浄機」をうかがいました!
【私が紹介します!】
蔦屋家電コンシェルジュ 久保雄一さん
家電メーカーの研究所勤務を経て、2013年、二子玉川 蔦屋家電を展開するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に入社。現在は蔦屋家電のコンシェルジュとして、空気清浄機をはじめ冷蔵庫から照明まで、「住」にまつわる幅広い家電選びをサポートしています。
【蔦屋家電とは?】
東京・二子玉川にある家電店で、アートとテクノロジー、カルチャーが融合した新しいスタイルが魅力です。書店エリアを核に家電製品や雑貨を販売するコーナーで構成され、豊富な商品知識を持つコンシェルジュがライフスタイルを提案します。
冬場の密閉された部屋では、逃げ場のないハウスダストの除去が必要
花粉を除去する目的で、春先に空気清浄機を稼働させるご家庭も多いと思いますが、実は「冬場も空気清浄機の役割は大きい」と久保さんは語ります。
「近年の住宅は高気密化しており、密閉された室内にハウスダストが逃げ場を失って充満することも。寒さのため換気しづらいと思うので、ぜひ空気清浄機を活用してハウスダストを除去したいところ。また、空気が乾燥して湿度40%以下になるとウィルスが活発化すると言われています。空気清浄機のなかには、ウィルスを除去してくれるものもあるので、ぜひチェックしたいですね。下から空気を吸って上部に吹き上げるタイプは空気を循環させるサーキュレーション効果もあり、暖房効率が高まるメリットもあります」(久保さん)
空気清浄機を選ぶときの4つのポイントは?
空気清浄機とひと言で言っても、各メーカーからさまざまなタイプの製品が発売されています。何を重視して空気清浄機を選べばいいか、久保さんにズバリ聞いてみました!
その1 単機能型がオススメ
「国内大手メーカーの空気清浄機は、加湿器との一体型が多くなっています。便利ではありますが、本体の内部でカビや雑菌などが繁殖する可能性もあるため、一体型はお手入れに気を使う必要があります。そう考えると、手入れが少ない単機能型がオススメです」(久保さん)
その2 フィルター交換型がオススメ
「こちらもお手入れの問題ですね。たとえばフィルターを2週間に1度洗わなければならない製品もありますが、きっちりできる人はまずいないですよね。だとしたらメンテナンスはなるべく簡単で、フィルターを1年に1回交換すればいいというスタイルの製品がベストだと思います」(久保さん)
その3 空気を下から吸うタイプがオススメ
「チリやホコリは床上30cmまでに多く存在すると言われています。ですので、本体の下から空気を吸ってキレイな風を上に出すのが理想的です。部屋の効率がいい空気の循環を考えた場合も下部からの吸い上げ型のほうが適しています」(久保さん)
その4 実際の部屋より広い対応畳数のモデルがオススメ
「実際の部屋の大きさよりも、少し広めの対応畳数の空気清浄機を選ぶのがポイント。清浄速度も速くなりますし、余裕を持って運転できると製品寿命も長くなります」(久保さん)
コンシェルジュ・イチ押しの空気清浄機3選
【オススメモデルその1】
大風量で毎分最大7000Lもの空気を清浄
バルミューダ
BALMUDA The Pure
蔦屋家電実売価格5万7200円
2003年に東京で設立され、扇風機やトースターなどハイエンド家電メーカーの代名詞となったバルミューダの空気清浄機。独自の整流翼とファンで、本体下部に設けられた吸気口から力強く吸引し、天井まで届く大風量で毎分最大7000Lの空気を清浄します。活性炭脱臭フィルターとTrueHEPAフィルター、2枚のフィルターがPM2.5なら30分で、浮遊ウィルス・浮遊菌なら約23分で99.9%を除去します。設置面積はA4の紙一枚とほぼ同じで、場所も取りません。
SPEC●サイズ/質量:W260×H700×D260㎜/約7.4kg●適応床面積:~60㎡(36畳)●消費電力:2W~72W●清浄時間:8畳を8分●運転音:19~64dB●センサー:照度/ホコリ/ニオイ
コンシェルジュ・久保さんのココがイチ押し!
「下から吸って上に吹き上げるタワー型の空気清浄機を、いち早く世に送り出したのがバルミューダ。今回紹介するモデルは2019年3月の発売で、毎分7000Lの部屋の空気を清浄するとメーカーさんからうかがいました。飛行機のジェットエンジンなどでも使われている『整流翼』のテクノロジーによって、より大量の空気を静かに循環させることが可能となっています。適応床面積も36畳と広いので、清浄スピードの速さも期待できます。
なんといっても、この製品の長所はファンを外してお手入れができる点。ファンと整流翼、ファンガードをすべて水洗いできるんです。扇風機の羽根って触ってみるとすごく汚れていたりしますよね。それが洗えるというのは日本人の心にも合っていると思います。
運転中は吸気口や流路が光って作動の様子が視覚的にわかるのもポイント。最大風量の『ジェットクリーニングモード』の場合は吸気口が明滅し、その光によって空気が清浄されていることが感じられます。また、この製品はまるで飛行機の翼についたエンジンのような印象で、デザイン性も優れています」(久保さん)
【オススメモデルその2】
壁にピタッと付けられて省スペースで設置できる
Stadler Form
Roger little
蔦屋家電価格3万1320円
「エア トリートメント」をコンセプトに空気に特化した製品を開発するスイスのデザイン家電メーカー「Stadler Form(スタドラーフォーム)」の空気清浄機。フロントカバーから空気を吸い、ドイツ「フロイデンベルグ社」と共同開発した「HEPA+活性炭」のデュアルフィルターで汚れを取り除きます。本体正面のラインが光って、「赤(汚れている)」⇔「黄」⇔「青(キレイ)」と現在のお部屋の空気の状態を3段階で表示するのも便利。
SPEC●サイズ/質量:W330×H450×D170㎜/約5.5kg●適応床面積:~49m2(26畳)●消費電力:40W●センサー:気体センサー
コンシェルジュ・久保さんのココがイチ押し!
「前面から吸って上に吹き上げるタイプなので、壁にピタッと付けられて省スペースで設置可能。価格もこなれています。フィルターを掃除するときにカバーを外しますが、そのカバーが磁石式になっているのがポイント。ツメでパチンパチンとはめ込む、よくあるタイプのものだと外すのが大変なんですよね。細かいところですが、お手入れの負担が少ないことは重要です」(久保さん)
【オススメモデルその3】
360°全面から吸引する円柱型モデル
cado
LEAF 320i
蔦屋家電価格6万3800円(プレミアムステンレス※)、6万500円(クールグレー/インディゴブラック)
※販路限定。首都圏で展示している家電店は蔦屋家電のみ
「空気をデザインする」をコンセプトにした空気清浄機メーカー「cado(カドー)」のコンパクトな円柱型の空気清浄機。360°全面から空気を吸引し、斜流ファンで真上に送風します。ウィルス、カビ、細菌もわずか20分で99.9%以上除去。ホルムアルデヒドは60分で94.9%除去する(※)など、化学物質やニオイ成分も除去できます。「cado sync アプリ」と連動し、スマホから空気の状態の確認や、電源オン/オフ、24時間タイマーなどの操作が可能。運転モードは「オート」「エコ」「急速」のほか「マニュアル」モードもあります。
※これらのデータは大型モデルAP-C710Sの性能を元にしています。LEAF 320iはその技術を踏襲
SPEC●サイズ/質量:φ242×H652㎜/約6.4kg●適応床面積:~42㎡(26畳)●消費電力:6W(弱)~33W(急速)●最大機器風量:360㎥/h●センサー:ニオイセンサー/ホコリセンサー/照度センサー/温度/湿度●運転音:30~60dB
コンシェルジュ・久保さんのココがイチ押し!
「カドーさんは2011年に、ソニーでウォークマンを開発していたエンジニアの古賀宣行さんが起業したメーカー。2012年、カドーの空気清浄機は世界基準CADR(クリーンエア供給率)において、日本メーカーで初めて世界最高値を獲得(※最高値を獲得したのは大型モデルAP-C700)。現在まで世界No.1を更新し続けていることもあって、信頼性は抜群です。デザイン面も含めて、空気清浄機はどうあるべきかを極限まで考えたらこの形になった…というまさに『理想形のモデル』ですね。家電製品はプラスチックが多いなか、素材もスチール(限定モデルはステンレス)になっていて、高級感もあります
フィルターも光触媒皮膜が施されていて、本体内部でLED光を照射して、光の力によってウィルスやバクテリアのタンパク質を分解。この光触媒活性炭フィルターが非常に有効です」(久保さん)
撮影/黒飛光樹(TK.c)
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