冬の家電量販店は、加湿器を備えた空気清浄機の売り場が目立ちますよね。乾燥対策として、加湿機能を求める声が多く、国内メーカーの場合、高性能な空気清浄機ほど加湿機能を備えています。
加湿空気清浄機の良いところは、1台で収まるので別々に置く場合に比べて場所を取らないことです。一方、課題として挙げられるのがお手入れの手間。空気清浄用のフィルターのほかに、水を使うため加湿用のフィルターの掃除もしなくてはいけません。そんな課題をクリアすべく、ダイソンが発表したのが、加湿機能を備えた空気清浄機「Dyson Pure Humidify+Cool(ダイソン ピュア ヒューミディファイ アンド クール)加湿空気清浄機」(11月29日発売・直販価格8万8000円)。こちらは、加湿フィルターを水タンクで洗浄できるんです。
微生物の専門家とともに、徹底して清潔性にこだわった開発を行う
ダイソンが加湿器の「Dyson Hygienic Mist MF01WS」を発売したのは2015年の10月のこと。もう4年も前のことなんですね。そこから研究を重ね、今回、ようやく加湿機能付きの新モデルの発売に至ったわけです。
Dyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機に関して「室内環境をよくするために最善の設計をしました」と、自信をのぞかせるのが開発責任者のチャーリー・パーク氏。
ダイソンによると、本機は微生物学の専門家とともに、加湿フィルターの素材やUV-Cライトの処理システムの有効性の調査を行いながら開発したとのこと。調査を担当した微生物学のエキスパートであるジェム・マクラキーさんは「開発を始めた当初は、加湿した空気に対する衛生基準もなかったため、テスト方法の開発にも携わりました。さらに、ミネラルの含有量、バクテリア(細菌)など世界中の水道水を研究しました」といいます。
開発責任者のパーク氏は、「加湿機能は、タンク内の水に含まれるミネラルや、バクテリアの繁殖といった問題があります。これらの物質を室内へ放出しては意味がありません。本機は、空気も加湿に使う水もキレイな状態で室内に放出することにこだわっています。また、ダイソンは空気清浄と加湿についてインテリジェントな能力を大事にしています。空気の質を感知する能力を備え、室内の加湿の状態や空気の汚染具合を検知し、清浄な空気を放出することが第一の使命。適切な湿度でキレイな空気が部屋中に届けます」と説明しました。
UV-Cライトで水を除菌し、抗菌フィルターで菌の繁殖を抑える
では、具体的にどのように清潔性をキープしているのかを見ていきましょう。前モデルは超音波式だったのに対し、本機は気化式を採用。さらに加湿能力を高めています。
まず、「ウルトラバイオレットクレンズテクノロジー」によって、タンク内の水を除菌して加湿を行います。これは、水にUV-Cライトに直接当てることで、99.9%のバクテリアを除菌する機能。水が通るパイプは何度もライトを反射するPTFEチューブとなっていて、水がパイプを一度通過するだけでUV-Cライトが複数照射されることになり、瞬時に細菌を除去するといいます。
キレイになった水は、さらに抗菌作用を持つ銀繊維が編み込まれた3Dエアメッシュフィルターを通過し、加湿に使われます。水そのものの除菌と、フィルターの性能により菌の繁殖を抑えるというわけですね。
加湿フィルターのお手入れがカンタンで、手順もわかりやすく表示
とはいえ、どんなに高性能なフィルターでも、使っているうちにカルキなどが付着してしまうという課題があります。そこで、本機では加湿フィルターをカンタンにお手入れする機能を備えています。
フィルターのお手入れが必要な時期になると、電源の近くにあるお手入れ用のボタンが点灯し、お手入れ時期を知らせます。そして、本体のLCDディスプレイにお手入れの順番が案内されます。
お手入れ方法はカンタン。加湿フィルターを取り出し、水タンクに入れ、クエン酸を一緒に入れます。その後、お手入れ用のボタンを押せば約1時間でフィルターがキレイになります。お手入れ中は、フィルターをキレイにするだけでなく、本体内を水が巡回するため水の経路もキレイになるというわけです。
パーツが大きく扱いやすいだけでなく水タンクにお手入れの順番が記載されているため、迷わないのもうれしい配慮ですね。