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2020/1/8 20:00

「名機」と評判のツインバード「全自動コーヒーメーカー(大)」を検証し尽くす。結論は「購入の価値アリ」

【テストその2】ミルの性能・挽き方による味の違いをチェック

粗挽きから細挽きまで、臼式ならではの均一でしっとりした挽き目に

続いてミルの粒度の細かさを見ていきましょう。先述の通り、CM-D465Bは臼式低速フラットミルを採用。コーヒー豆を臼ですりつぶすことで、プロペラ式の豆に比べて豆を均一に挽け、摩擦熱も少ないため、コーヒーの香りを損なわないとのことです。

 

本機では豆を「粗挽き/中挽き/細挽き」の3段階で挽くことができます。下の写真はそれぞれの挽き方による粒度(コーヒー粉の細かさ)を比較したもの。見た目ではそれほど違いを感じませんが、指で触ってみると粗挽きはつぶつぶ感がしっかりある一方、中挽きは粗挽きよりしっとりした触感で、細挽きはかなり“粉感”を強く感じました。

↑粗挽きしたコーヒー粉。臼ですりつぶしながら挽くので、見た目にしっとり感があり、粒も通常の粗挽きより細かく見えます

 

↑中挽きした粉。粗挽きよりわずかに粒が細かくなっています

 

↑細挽きのコーヒー粉。中挽きよりさらに粒子が細かくなり、しっとり度も増しています

 

ちなみに、自宅で使っている他社製コーヒーメーカーで「細挽き」で挽いた粉と比較してみると、粒はCM-D465Bより大きめで、一粒一粒が鋭角にカットされているように見えます。粉のしっとり感も弱めでした。

 

次に、上記のうち中挽きと細挽きで挽いたコーヒーの味を比べてみたところ、細挽きにした場合、苦みがかなり強くなり、やや後味が口の中に残る感じも出てきました。個人的には、コストコのスターバックスハウスブレンドだと、中挽きで挽いたほうがよりバランスの取れた好みの味でした。ただし、苦味の濃いコーヒーが好みなら、「細挽きのほうがおいしい」と言う人も多いと思います。

↑「細挽き」で淹れたコーヒー

 

↑「中挽き」で淹れたコーヒー

 

なお、取扱説明書を見ると、浅煎り・中煎りの豆の挽き方は「中挽き」が、中深煎りや深煎りの豆は「細挽き」が推奨されています。「粗挽き」はよりすっきりした味が好みの人や、本機をミルとして使い、プレス式コーヒーメーカーやネルドリップなどでコーヒーを淹れたい人のために用意された挽き方なのでしょう。

 

テストその3さまざまなタイプの豆で味わいをチェック

豆の種類の特徴をしっかり引き出す抽出の技がスゴい!

筆者はふだんコスパの良いコストコのコーヒー豆を愛用していますが、CM-D465Bでほかの豆を試したらどんな味になるのかも大いに気になります。そこで、カルディコーヒーファームで売られている豆のなかから、酸味の強いグアテマラと、苦味・甘味の強いマンデリンフレンチを選び、その味を試してみました。カルディの紹介によるとグアテマラは「マスカットを思わす甘酸っぱい果実味」が特徴でボディは軽め。マンデリンフレンチは「野性味あふれる香りと強いボディ」が特徴。フレンチロースト(深煎り)にすることでさらに個性を引き出しているそうです。

↑カルディで販売しているマンデリンフレンチ(左)とグアテマラ(右)

 

まずはグアテマラ。中挽きで2杯ぶんを作りましたが、爽やかな酸味が口から鼻に広がります。果実系のフレーバーも印象的。ただし時間が経つと酸味の爽やかさ、鮮烈さが薄れていくので、淹れたぶんはすぐに飲み切るのがオススメです。ちなみに、筆者がふだん使っているコーヒーメーカーでは、酸味の鮮烈さが物足りない印象でした。

↑CM-D465Bで淹れたコーヒー。ローストはやや浅めですが、しっかり“濃い色”に抽出しています

 

次にマンデリンフレンチを試飲。同じく中挽きで2杯ぶんを淹れましたが、CM-D465Bでは苦味とコクがしっかり感じられる力強い味わいでした。さらに、苦味のあとから甘い風味がしっかり存在を主張します。一方、筆者所有のコーヒーメーカーで淹れると、コクと甘い香りはやや控えめながら、苦味とともに香ばしさが強く感じられる味になりました。

↑マンデリンフレンチをCM-D465Bで抽出。色を見てもわかる通り、グアテマラに比べると苦味が強く、フルボディのワインのようなどっしりした味わいがあります

 

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