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掃除機
2020/11/20 17:30

バルミューダ初の掃除機は「掃除キライな人に響く」って本当? 使ってみて「刺さったポイント」を詳しくレビュー

バルミューダ待望の掃除機「BALMUDA The Cleaner」(バルミューダ ザ・クリーナー)が11月17日に発売されました。同社は自然界の風を再現する扇風機「The GreenFan」や、美味しさを追求したトースター「BALMUDA The Toaster」をはじめ、イノベーティブな商品を開発し、家電業界に大きなインパクトを与えてきた会社。今回発売となった「BALMUDA The Cleaner」でもそのDNAは受け継がれており、「ホバーテクノロジー」といういままでにない技術を投入して、まったく新しい掃除体験を提案しています。

 

同社社長が語ったところによると、この「BALMUDA The Cleaner」は「社員モニターを行ったところ、家族のなかでいままで掃除しなかった層にも刺さった」とのこと。果たしてそれは本当なのか? 実際に試してみて、お掃除が嫌いな人もついつい動かしてみたくなる理由を探ってみました!

↑バルミューダ初の掃除機「BALMUDA The Cleaner」。カラバリはホワイト(写真)のほかブラックも用意。本体サイズはW300×D165×H1240mm、本体質量は約3.1kg(フィルタ―含む)。運転時間は標準モードで30分、強モードで10分

 

 

クイックルワイパーの軽快な操作性を掃除機で実現!

家事の中でも「掃除が嫌い」という人は多いでしょう。筆者も嫌いです。だって、掃除機を押入れから引っ張り出すのが面倒だし、いざ掃除を始めてみると掃除機がカーペットに吸い付いてイライラするし、家中を掃除するのに時間がかかって汗だくになるし、そもそも楽しくないし……。バルミューダの寺尾 玄(てらお・げん)社長も、こうした煩わしさが苦手で、家の掃除はクイックルワイパーですませていたそう。その気持ち、よくわかります。軽い力でスイスイ動いて、自在に方向転換ができるから便利ですよね。

 

そんな、寺尾社長が愛してやまないクイックルワイパーの手軽さを、掃除機で実現しよう! というコンセプトのもとに開発されたのが、「BALMUDA The Cleaner」です。本機の特徴は何といっても、ホバークラフトから想起したという「ホバーテクノロジー」。浮いているような軽い操作感と自由自在な動きを実現するとのことですが、百聞は一見にしかず。まずは以下の動画をご覧ください。

上の動画を見てわかる通り、「BALMUDA The Cleaner」は、前後左右斜めと自由自在に動かすことができます。他のスティッククリーナーも手首を返してヘッドを曲げれば横に動くことができますが、手首に負担がかかってそう何度もできるものではありません。一方、本機は動かしたい方向に軽く振るだけで、スーッと滑るように動きます。その感覚はまさにホバークラフト! 異次元の操作感です。

 

ちなみに、実際のホバークラフトは大量の風を下方向に吹き出すことでわずかに浮き上がり、地上との摩擦を減らすことで自在に動けるようにしています。ところが、掃除機は逆に空気を吸い込むものなので、ホバークラフトの原理をそのまま応用することはできません。ではなぜ「BALMUDA The Cleaner」はこんなに自由自在に動けるのでしょうか。秘密は新開発の「デュアルブラシヘッド」にありました。

↑2本のローラーブラシを搭載する「デュアルブラシヘッド」

 

一般的な掃除機のヘッドにはローラーブラシが1つしかありませんが、「デュアルブラシヘッド」はその名の通り2本のローラーブラシを搭載しています。この2つのブラシがそれぞれ内側に回転することで、お互いが同じ力でヘッドを前後に引っ張り合い、その力が相殺されて床との摩擦が大幅に減少。あたかも浮いているような操作感が得られる、というわけです。

 

この「デュアルブラシヘッド」による浮遊感を損なわず、自由自在な操作を可能にするのが「360°スワイプ構造」です。ヘッドとスティック本体をつなげるジョイント部を幅広い可動域を持つ独自設計としたことで、ヘッドを前後・左右360°あらゆる角度に動かすことが可能に。斜めや横方向へのスライドをはじめ、あらゆる角度への移動を実現しました。この「360°スワイプ構造」と、先述の「デュアルブラシヘッド」を合わせた技術の総称が「ホバーテクノロジー」というわけです。

↑前後左右斜めと自在に動く「360°スワイプ構造」

 

実際に使ってみると、これまで筆者が掃除から遠ざかっていた言い訳を本機はことごとく潰してしまいました。あまつさえ、「掃除も意外に楽しいかもしれない」とまで思い始めています。以下、「掃除がキライだった人」の筆者が、まんまとバルミューダのワナにはまったポイントを列記していきましょう。

 

 

掃除嫌いに刺さったポイントその1

掃除が圧倒的に早く終わる!

まずは下の動画をご覧ください。「BALMUDA The Cleaner」はそのまま前後に動かすのはもちろん、ほうきのように両手で持って左右に動かしたり、急に方向転換したりと、掃除機だけを自由に方向転換しながら、効率よく広い範囲を掃除できるのがおわかりいただけるはず。

【動画】BALMUDA The Cleanerと通常の掃除機の比較(音が出ます)

これに対し、一般的な掃除機は基本的に前後の往復運動で直線的に掃除するため 、ヘッドの動きに制限があり、取りこぼしたゴミをもう一度吸う手間も必要になっています。さらに、掃除を完了するまでの時間を計ってみると、倍以上の差がつきました。つまり、掃除機を自由自在に動かせるということは、掃除の時短につながるということなのです。

 

また、一般的な掃除機は押すときに吸引力が弱まりますが、「BALMUDA The Cleaner」の「デュアルブラシヘッド」は押すときも引くときも吸引力は同じ。しかも、一般的な掃除機は引くときにローラーの抵抗で手に負担がかかりますが、「BALMUDA The Cleaner」のヘッドは引くときも力を要さずスピードが落ちないので、一定のリズムで軽やかに掃除ができます。

 

ヘッドが幅300×奥行き165mmと大きく、ワンストロークで幅広いスペースのゴミを取れることも時短に貢献。さらに、2本のローラーがヘッド中央の吸引口に向けてゴミをしっかり掻き込んでいるので、集じん力も強力です。バルミューダによると、デュアルブラシヘッドにすることで、ローラーブラシが1本の場合と比べて集じん力が1.5倍に向上したそう。その結果、ゴミとり性能を表すダストピックアップ率も99%と好成績だったといいます。実際に試してみても、1回の掃除で取りこぼしが少ないため、動画の通り同じ箇所を何度も往復する必要がなく、短時間で掃除を終えることができました。これなら、いち早く部屋がキレイになりますね!

 

掃除嫌いに刺さったポイントその2

ヘッドが滑るように動くから気持ちがいい!

本機はモーター部が下部にある低重心設計で、手首への負担が少ないのがうれしいポイント。本体重量は約3.1kgですが、実際に手首にかかる重量は340g程度と格段に軽くなっています。さらに「ホバーテクノロジー」により、電源OFF時の時の動かす力を100%とした場合、電源ON時には最大29%まで減らすことが可能。つまり、71%の力を節約できるわけですね。その数値が示す通り、実際の操作もラクラク。これまでは、ヘッドが床に吸い付いたり、思い通りに動かなかったりしてストレスがたまったものですが、「BALMUDA The Cleaner」は、スルスルと快適に動かせるので本当に気持ちいい! ハンドルは握りやすいスティック型で、順手、逆手、両手と自分が持ちやすいように自由に持つことができます。くるくる、スイスイ、その快適な操作感を楽しんでいるうちに、気が付けば掃除が終わっていた……なんてことも。ああ、もっと掃除したかったのに! と物足りなく思う人もいるのでは?

↑手首にかかる負担が少ないので、片手での操作もラクラク

 

↑ハンドルはスティック型なので持ち方は自由。ほうきのように両手で持って、左右に振りながら掃除することもできます

 

壁際の掃除も、本機だとまったくストレスがありません。いままでは、掃除機のヘッドを何回も壁に当てるか、当てながら無理やり横に滑らせていたわけですが、これだと時間がかかるし、手首への負担が大きい。それが「BALMUDA The Cleaner」だと、ヘッドを壁に当てながらヨコにスーッと滑らせるだけ。これは「ホバーテクノロジー」の恩恵に加え、ミニ四駆から着想を得たという小型ローラーがヘッドの四隅に搭載され、壁際でのスムーズな走行をサポートするため。さらに、ヘッドの横には2か所の切れ込みがあり、壁に当てながら滑らせてもここから壁際の細かいチリを吸い込むことが可能。もう、何度も壁にヘッドを押し付けたり、力づくでヘッドを滑らせる必要はありません。ああ、この壁際をスーッとひとなでする快感もクセになる!

↑ヘッドの四隅に搭載した角ローラーにより、壁際も抵抗なく移動できます

 

↑力を入れずにヨコ移動できるから、壁際の掃除も気持ちいい!

 

 

掃除嫌いに刺さったポイントその3

家具のすき間にヘッドがうまく入るから、隅々まで掃除できる

いままでは、家具のすき間にヘッドがうまく入らず、イライラが募ることも。かといってアタッチメントを付け替えたり、家具をどかしたりする手間を思うとうんざりしたものです。その点、「BALMUDA The Cleaner」は「360°スワイプ構造」でヘッドが自在に可動するため、それらの手間が不要。家具の隙間にはヘッドをタテにすればすんなり入りますし、ホコリがたまりがちなテーブルやベッドの脚周りも、自在に動くヘッドのおかげでキワまで丁寧に掃除できます。これなら、家具のすき間や家具の脚周りも見て見ぬフリをしなくてOK。隅々まで掃除できた! という爽快感が味わえます。

↑ヘッドをタテにすれば狭い隙間も掃除可能。これも「360°スワイプ構造」だからできるワザ

 

↑ヘッドを回転させながら動かせば、テーブルの脚の奥にもヘッドが届き、キレイに掃除できます

 

掃除嫌いに刺さったポイントその4

手が届く位置に出しておけるから、掃除がしたくなる

いままで我が家で使っていたスティック掃除機は存在感が強く、リビングに置くとどうにも掃除を強制されているイメージがあって落ち着かないため、廊下に設置していました。一方、「BALMUDA The Cleaner」は、「一本のほうきのように自然であること」を目指したというデザインが特徴。バルミューダらしいモノトーンのシンプルなデザインで、リビングに置いてもまったく違和感がありません。

 

ふだんは家具のように良い意味で存在感を消していてくれるのに、掃除をしようと思ったらいつも手が届く位置にある。だから「掃除をするぞ!」と構える必要がなく、「ちょっとゴミが目立つな」と思ったときに手にとって、何も考えずにサ―っと動かせばいい。面倒くさがり屋な筆者でも、気負うことなく掃除が始められるのです。掃除への抵抗感がなくなるのは大きなメリットですね。

↑充電スタンドに乗せるとわずかに後方に傾きますが、これは、最も美しい角度になるよう設計されているとのこと。また、ゴミを見せないようにダストボックスが半透明、かつスタンドに置いたら後ろ側を向くよう設計されています。このさり気なさも心地いいですね

 

↑操作ボタンはたったひとつ。1回押すと電源ON、長押しすれば強モードに。シンプルな操作性もすっきりとしたデザインに貢献しています

 

 

排気が顔にかからず、パーツが水洗いできるのもうれしい

このほか、使ってみてちょっとイイなと思ったのが排気の位置。モーター部が低位置にあり、排気口が本体横にあるので、不快な排気が手や顔にかからないのです。付属のパーツでハンディになるのも便利。お手入れもカンタンで、ゴミはダストカップを外して、中身をゴミ箱に捨てるだけ。ダストカップとフィルターが汚れてきたら、取り外して水洗いすればOKです。「デュアルブラシヘッド」の2本のブラシは、工具やコインも不要で簡単に取り外すことができ、水洗いができるので清潔さを保てます。

↑ダストカップからゴミに触れずにゴミ捨てができます

 

↑ダストボックス、フィルター、ローラーブラシはすべて水洗いできます

 

掃除が素早くラクに終わるから、さらに「おうち時間」が充実する

「BALMUDA The Cleaner」を実際に使った体験を振り返ってみると、やはり本機は「まったく新しい掃除機」なのだと実感しました。滑るような独特の感触を楽しみ、自在に動くヘッドを楽しんでいるうちに、知らず知らずに掃除が終わっている。しかも、いままでより格段に短い時間で。掃除って、こんなに素早くラクに終わるものなんだ……と、ちょっと信じられないような気持ちになりました。

 

家で過ごすことが増えてきたこのご時世、家の中をいかに気持ちよく保つかが重要になっています。必然的に掃除の機会も増えてきますが、どうせならイヤイヤ掃除するのではなく、楽しんで掃除したいとは思いませんか。そのためのツールとして、「BALMUDA The Cleaner」はうってつけ。ストレスを感じることもなく、1日の空いた時間で楽しく気軽に掃除できるでしょう。特に在宅ワークの方は、気分転換も兼ねて本機を使うのがオススメ。家がキレイになって身体もほぐれて、さらに家族にも感謝されて、まさに一石三鳥ですね。掃除を時短して家族との時間を増やし、おうち時間を気持ちよく過ごすためにも、ぜひ「BALMUDA The Cleaner」に注目してみてください!

撮影/中田 悟