家電
空気清浄機
2022/2/24 19:15

美脚な空気清浄機⁉︎ 床上30cmのハウスダストを強力除去する「Blueair DustMagnet」レビュー

新型コロナ対策で自宅でも定期的な換気が奨励されている現在、大きな困り事となっているのが屋内への花粉の進入です。また、室内を閉め切りにしたままでも、ハウスダストの舞い上がりによって健康に悪影響が出るなど、室内の空気清浄は多くの家庭で重要な関心事になっています。

 

そんななか、ブルーエアからハウスダストの除去力を強化した新しい空気清浄機、DustMagnetシリーズが発売されました。同社の基幹技術である「HEPASilentテクノロジー」に新たに「DustMagnetテクノロジー」を加えたこのモデル。とにかくその新技術が気になる!

 

今回は、同シリーズのなかから適用床面積34畳でリビングにも対応する「5440i」をお借りして、じっくりお試ししました。猫が2匹いるため、舞い上がる抜け毛に悩まされている筆者を救ってくれるのでしょうか?

↑SPEC●適用床面積:~56㎡(34畳)●推奨フロア面積:33㎡(20畳)●消費電力:7~42W ●運転音:30~50dB(A)●風量:3.9~8.4㎥/分 ●8畳あたりの清浄時間:9分 ●フィルター交換目安:約6~12か月 ●サイズ/質量:W290×H650×D290mm/約6.8kg

Blueair DustMagnet 5440i

8万4700円

 

独自の気流制御とフィルター集じん技術により床上30㎝までの空気の汚れを素早く除去!

DustMagnet 5440iでまず印象的なのはそのデザイン。底面に長めの4本の脚を備え、正面にはシンプルながら、落ち着きと温かみが感じられるライトグレーのファブリック素材があしらわれています。スウェーデン生まれのブルーエアらしい、北欧家具のような雰囲気を感じられますね。

↑本機は4本の脚を装備。デザイン的な美しさに加え、後述しますが本体底面に空間を作ることで、床面からの360度吸引を可能にしています

 

本機を支える2つの技術「HEPASilentテクノロジー」と「DustMagnetテクノロジー」

「HEPASilentテクノロジー」は、本体内に吸引した空気中のハウスダストや花粉、PM2.5、ウイルスなどをマイナスに帯電させ、プラス帯電した多層構造のフィルターに吸着させて除去する技術。静電気の力で吸着するため、フィルターの網目が大きくても微粒子をしっかり除去でき、フィルターの目詰まりも起きにくくなっています。このフィルター技術により0.1㎛以上の微粒子を99.97%除去できます(※)。

*フィルターの除去性能です。部屋全体への除去性能とは異なります。
↑本体内に吸引した微粒子をイオナイザーでマイナスに帯電。さらに多層構造のフィルターをプラスに帯電させることで、大きな網目でも微細な粒子を吸着して除去します

 

「DustMagnetテクノロジー」は、独自の渦状の気流とプラス帯電したプレフィルターにより、ハウスダストや花粉などの除去率を高める技術です。さらに特徴的なのが、本体の上下から吸気し、本体サイドから浄化した空気を放出する方式を採用していること。特に本体底面からの吸気が強力で、花粉など比重が重めの微粒子が漂う床上30㎝までの空気をスピーディーに吸引します。

↑本体背面側の上下にある吸気口に、それぞれプレフィルターを搭載。プレフィルターもプラス帯電させることで、大きめのホコリやペットの毛もより漏れなく捕集でき、メインフィルターへの負担が減らせます

 

↑本体側面から、左右で異なる方向に送風することにより渦状の気流を創出。部屋中のホコリを効率良く捕集します

 

↑本体天面(写真上)と底面(写真下)から吸気。猫の毛が底面から吸い込まれるのを何度も見ました。天面からは家具などに付着しやすい高さのホコリを吸引するのだそうです

 

使い始めてすぐにパワフルな空気循環性能を実感!

本機を動かしてまず感じたのは部屋中の空気が大きく撹拌されていること。それも人が床上に座ったり椅子に腰かけたりして生活する空間である、床上1mくらいまでの空気がしっかり循環していました。リビングの窓側に設置した本機を最大風量で稼働させると、18畳ほどの部屋の反対側にいても肌がひんやりし、周囲の空気が流れていると実感。

 

最近の空気清浄機は上向きに浄化した空気を放出し、本体側面(及び底面)から吸気するタイプが一般的ですが、本機は本体の右と左から真横に空気を放出します。しかも送風口の高さを左右で変え、かつ送風口のルーバーに角度を付けることで室内下部の空気がより循環しやすくなる仕組みになっています。花粉やハウスダストなど重い微粒子ゴミは、比較的短時間に室内下部~床上に落ちてくるため、部屋の下の空気だけ循環させてゴミを捕集するのは実に合理的。ちなみに本機を運転中、空中に浮遊するホコリだけでなく、リビングに落ちている猫の毛やホコリまで気流の影響で少しずつ移動していて、本機の風量の大きさを改めて思い知りました。

↑本体の右側(写真上)と左側(写真下)に高さの異なる送風口を設置。さらにルーバーの角度を調整し、左側面の風は斜め前、右側面の風は斜め後ろに向かうようになっています

 

一方、フィルターの空気清浄性能もブルーエアの公式ページに表記されているスペックを裏付ける優秀さ。猫の毛やハウスダストが多くて目の周りに重ったるさを感じるときも、最大風量で運転すればスピーディーに目元の重さが解消されました。さらに、ハウスダスト除去に特化したモデルと言いつつ、脱臭性能も問題なし。猫のトイレのニオイや料理臭も素早く除去してくれます。

↑メインフィルターの裏面には活性炭入りのコンボフィルターを装備。VOC(揮発性有機化合物)、タバコ臭、化学物質、調理臭などを除去できます

 

操作はシンプル! アプリを使えば室内外の空気状況の確認やスケジュール予約も行える

本機の操作は本体の操作パネルとスマホアプリの2通りの方法で行えます。どちらも操作はとてもシンプル。電源ボタンで運転のオンオフを行い、風量調整ボタンで風量弱・中・強・オートモード・ナイトモードからひとつを選ぶだけです。オートモードは空気の汚れに合わせて風量を自動で切り替えてくれます。ナイトモードは運転音を抑えるだけでなく本体正面のLEDランプ(空気環境インジケーター)の光量も抑えられ、就寝時に明かりが気になる人にオススメです。

↑操作パネルには電源ボタンと運転切り替えボタンのみ搭載

 

スマホアプリでは本体パネル同様の操作ができるのに加え、室内の空気状況や登録した地域の外気状況の確認もできます。例えば屋外のPM2.5の量が多ければ、窓や玄関ドアの開け閉めの際に早めに強運転にしておくなど、先回り対策が可能。また、空気清浄機の運転開始時間と終了時間のスケジュール予約もアプリで行えます。

 

スマホの位置情報によって帰宅時間を予測し、自宅到着の15分前に空気清浄運転を自動的にスタートする機能の「ウェルカムホーム」も、アプリから設定が可能です。

↑スマホアプリではトップ画面で登録した自宅付近の外気のPM2.5、PM10などの値を確認可能。登録した空気清浄機の名前をスワイプするかタッチすると、運転モードの切り替えができます

 

↑本体操作画面では室内の空気状況の確認、運転スタート・ストップ、運転スピード(風量)の切り替え、モード切り替えなどができます。LEDの明るさもここで調整できます

 

テーブルトップ付きでサイドテーブルのように生活に近い場所でも使える!

お手入れに関しては本当に手間いらずで、プレフィルターに付いたホコリを週に一回程度布巾で拭くだけ。メインフィルターは掃除不要で、半年から1年に一度交換すればOK。交換時期になるとランプが点灯して教えてくれます。

↑プレフィルターのお手入れは、フィルターの網目についたホコリを乾いた付近などで拭き取るだけです

 

特に使い勝手に関して特徴的なのは、天面の吸込口の上にテーブルトップが設置されており、本やリモコンなどが置けること。空気清浄機をリビングで使う場合、どうしても部屋の端に置きがちですが、室内のハウスダストを効率よく捕集するには部屋の端より真ん中付近に置くほうが有利。デザインも比較的スリムで、サイドテーブルとしても使えるので、リビングの中央付近に設置してみるのもありだと思います。

↑テーブルトップに小物が置けて何気に便利。テーブルの耐荷重は約10kgで、モノが滑り落ちないよう、内側に少し窪みがつけられています。ただし、テーブルに飲み物を置くのはNGです

 

ちなみに、筆者の家ではふだん使っている空気清浄機の天面に猫がよく座ります。筆者宅の空気清浄機は天面から送風するタイプなので、毛が入り込むことは少ないと思いますが、それでも送風口が塞がれるのは困ったもの。一方、本機の場合はこのテーブルトップがあるために猫が乗っても天面の吸気口が塞がれません。これは猫を飼っている人には大きなメリットだと思います。

 

こまめな換気とDustMagnetの組み合わせでウイルス対策にも効果が期待できる!

この1~2年、各メーカーから菌やウイルスの除去力に注力した空気清浄機が多く発売されています。ブルーエアの最上位モデル、Blueair Protectもまさにウイルス除去性能を強化した製品。ただ、屋内のウイルス対策には「こまめな換気」が最も有効との意見も。しかし花粉やpm2.5など、外の空気がいつでも綺麗とも限らず、換気を積極的にできないこともあります。そこで、ウイルスに関しては換気をしっかりし、その際に流入する花粉などの除去を空気清浄機に任せる、というのもウイルス対策のひとつのやり方だと思いつきました。そう考えると、ハウスダストや花粉などの微粒子除去機能を強化したBluer DustMagnetの導入はかなり有効。

 

一方で、本機の使用に関していくつか注意したほうがいいことも見つかりました。例えばリビングなどを掃除機がけする際には、人が動き回ることで床上のホコリが舞い上がるため、一般的に掃除中に空気清浄機を運転するとより効果的にホコリ除去できると言われます。ところが、本機を使うと床面近くに大きな空気の流れができるため、一度掃除した場所にゴミが移動してしまいます。特にロボット掃除機を使っている家庭では、ロボット掃除機が掃除を終えてから運転開始するほうが効率的かなと感じました。

↑DustMagnetで空気清浄しながらロボット掃除機で掃除すると、ロボット掃除機が掃除済みの場所にホコリが移動。特にロボット掃除機の高級モデルは一度掃除した場所は掃除しないので、同時に使わないほうが無難です

 

また、オートモードでの運転に関しては、センサー精度が比較的低めに設定されているせいか、空気環境ステータスランプが「空気が汚れている」ことを示す赤や黄色になかなか変わりません。そのため、最初はマニュアルモードで風量最大に設定ししばらく運転、室内の空気がきれいになったと感じたらオートモードに切り替えていました。ファームウェアのアップデートで可能なら、センサー精度を「厳しめ/普通/緩め」など段階的に変えられると、より自分に近い感覚で自動運転ができると思います。

↑LEDランプ(空気環境インジケーター)は本体正面上部に設置されていますが、空気の汚れを検知するセンサーは本体裏側に設置されています。設置場所によっては室内の空気の状態を把握しにくくなることもあるのかもしれません

 

ともあれ、小さな子供がいる家庭やペットのいる家庭、家族にアレルギー体質の人がいる家など、ハウスダストや花粉の量を気にする家庭には、Blueair DustMagnet™️シリーズは文句なしにオススメできます。暖かみのある北欧家具調のデザインで、どんな家にも馴染みやすいのも大きな魅力。まさに「部屋に置いて良し、使って良し」の、非常に満足度の高い製品だと感じました。