食洗機といえばファミリー世帯の代表的な家事お助け家電ですが、家事軽減を願っているのは単身世帯も同じ。最近は小人数向けのコンパクト食洗機も登場していますが、それでも手狭な賃貸一人暮らしにとっては「大きすぎる」「大げさ」という印象があるようです。このようなニーズをうけ、パナソニックは業界初となる単身世帯向けの「パーソナル食洗機 SOLOTA NP-TML1」(以下、ソロタ)を2月中旬に発売します。一人暮らし向けモデルは従来製品とどこが違うのか? パナソニックにて実機をチェックしてきました。
設置面積はほぼA4サイズ、タンク式給水で工事の必要もなし!
ソロタの最大の特徴は「賃貸住まいの一人暮らし世帯」でも気軽に導入できる超コンパクトなサイズと手軽さ。本体サイズは幅31×奥行き22.5×高さ43.5cmで、A4ファイルサイズほどのスペースがあれば設置可能です。
また、狭い部屋に置くことを想定しているため、サイズ以外のデザインにも工夫があり、その一つが食器収納スペースの前後に採用されているクリア窓。背面まで見通せるデザインにすることで、狭い部屋に設置しても圧迫感を感じさせません。その他の注目ポイントは本体背面の処理。一般的な食洗機は本体背面を壁側に設置する前提でつくられています。このため、本体背面はネジやパーツの一部が剥きだしになっており、美しい後ろ姿とはいえません。一方、ソロタは360度どこから見ても美しいデザインを採用。食洗機を置ける場所が限られる狭い部屋では、隠さないといけない面がないのは魅力的です。
賃貸の一人暮らしにも導入しやすいように、給水方式はタンク式を採用。本体下部にある引き出し式の着脱タンクに水を補充して使用するため、水道工事は必要ありません。基本的にシンクに排水することを想定していますが、バケツなどの排水先を用意すれば、キッチン以外の場所でも利用は可能です。
洗える食器点数は6点、中食派向きのモデル
本体サイズがコンパクトだと、気になるのが洗える食器の容量。ソロタの庫内容積は約10Lで、日本電機工業会自主基準による収納食器点数はカトラリーを除いて6点になります。6点なら「3点ずつなら2人分の食器も洗えるのでは?」と感じるかもしれませんが、食器をセットするピンの配置により、最大直径23cmサイズの大皿とカップは1点ずつしか置けません。
ちなみに、ソロタは鍋やまな板などの調理器具の洗浄には向いていないとのこと。このため、主なターゲット層はレトルトや冷凍食品、惣菜などを利用する中食派の単身者だそうです。
時短・節水・清潔性、一人暮らしでも食洗機のメリットは多い
一人分の食器だけなら、わざわざ食洗機を導入する必要はないと感じる人もいるでしょう。しかし、そもそも中食を頻繁に利用する人が料理をしないのは「忙しい」「疲れている」「家事が嫌い」といった理由がほとんど。このような人にとって食洗機は負担の軽減と時間創出の二面からメリットは大きいはず。
また、食洗機のメリットは家事負担削減や時短だけではありません。たとえば、約6点の食器というのは、手洗いなら約20Lの水を使って洗う量。しかし、ソロタなら約2.5Lの水で洗浄できます。一日2回食器を洗う場合は、1年間で12000L以上の節水ができる計算。食洗機の導入は実はエコの観点からも魅力的なのです。
もうひとつのメリットが清潔性。食洗機は手では触れられないような熱湯で食器を洗うため、高温で脂汚れをとかすだけではなく除菌も可能。また、食洗機用洗剤は肌に触れることがないため、一般的な手洗い用食器洗剤よりも強力に汚れを落とす成分が配合されています。そのうえ、高圧水流で手洗いでは難しい狭い隙間までパワフルに汚れを落とせます。この3つの理由から、食洗機は手洗いより高い洗浄力と除菌性能があります。
多くのメリットがある食洗機ですが、じつは2022年の食洗機世帯普及率は3割以下しかありません。いままで「食洗機は単身向けには大げさ」「置く場所がない」などの理由から導入を見合わせてきた単身世帯も多かったですが、業界初の一人暮らし向けモデルの登場で今後普及率がどう動くか注目です。