家電
2023/2/14 20:30

【CES2023】日本での展開が待ち遠しい「EcoFlow」の家庭用蓄電システムとスマートデバイス

ポータブル電源で知られるエコフロー(EcoFlow)が、2023年1月5日よりアメリカ・ラスベガスで開催された世界最大級のIT家電見本市「CES2023」へ出展。「家庭用蓄電システム」のほか、次世代を担うスマートデバイスとして、「Blade 芝刈りロボット」「Wave 2 ポータブルエアコン」「Glacier ポータブル冷蔵庫」を初公開しました。

↑ラスベガスコンベンションセンターのセンターホールに出展したエコフローの会場

 

バックアップ電力として提供可能な『家庭用蓄電システム』

エコフローがブースを構えた会場は、ラスベガスコンベンションセンター(LVCC)のセンターホール。周囲はパナソニックやニコン、サムスン、ハイセンスなどが並ぶ、いわばCESの中心街的な場所。同社はここにソーラーパネルを使った「EcoFlow Power Kits」で発電するシステムを披露し、そこにはキャンピングカーを持ち込んで具体的な活用法を披露したのです。

↑アウトドアやオフグリッド下でも電源供給を可能にするEcoFlow Power Kits。家庭用蓄電システムはこの拡大版ともいえる

 

そして、エコフローはその考え方を拡張して新たに、家庭用蓄電システムとして展開することを発表しました。現代人にとって電気は日常生活に欠かせないものとなっています。それだけに電力網に障害が発生すれば、ストレスが生じるだけでなく、最悪は生命に関わることも想定されます。そんな時に大きな力を発生するのが非常用電源ですが、これまではそれを一酸化炭素を発生するガソリンなどに頼ってきたというのが実情でした。

↑EcoFlow 家庭用蓄電システムソーラーパネルと組み合わせ、クリーンで静かで、安全なバックアップ電力を提供

 

エコフローはそこにソーラーパネルと組み合わせて使用することで、クリーンで静かで、かつ安全なバックアップ電力を提供できる家庭用蓄電システムを開発。環境に優しい再生可能エネルギーを無料で提供し、電気料金の大幅な節約につながる電源として注目されました。すでにアメリカ国内では販売が開始され、今後は欧州への発売も予定されていますが、日本への発売は現時点で未定。日本での展開も期待したいところですね。

↑EcoFlowの考え方を具体的にキャンピングカーに凝縮。多くの人がその内容をチェックしていた

 

驚きの小回りを実現して楽にコントロールできるEcoFlow Blade

また、会場で注目されていた製品がEcoFlow Bladeです。高品質な草刈りサービスと精密な草刈り機の利便性を兼ね備えたのが特徴で、利用者はスマホにインストールしたアプリで簡単にコントロールできます。そのため、手間をかけずに芝生の手入れが行えるというわけです。

 

この芝刈り機で見逃せないのが、前輪に装備された多方向に動くオムニホイールの存在です。芝生の手入れではエンドまで来たら、そこでUターンしなければなりません。もし普通の車輪だったら、車輪の操舵角に応じて大きく転回するしかありません。しかし、オムニホイールなら横方向に回る小さい車輪を使って方向転換できるので、驚くほど小さいスペースで転回が可能となるのです。

 

会場では実際にその様子をデモしており、狭い会場内でも自在に回る様子に拍手が出ていたほどでした。この製品は「CES 2023 イノベーションアワード」も受賞しています。ただ、現時点での日本での発売は未定とのことでした。

 

暖房機能を加えたスポット型クーラーEcoFlow Wave 2

続いて紹介するのは内蔵バッテリーを使ってスポット型クーラーとして使える、EcoFlow Wave 2です。第1世代は冷房機能だけを搭載した「Wave ポータブルクーラー」として2022年に登場しましたが、第2世代ではそこに暖房機能が加えられました。しかもそのサイズは第1世代よりもコンパクトになったというから驚きです。

 

これがあればアウトドアや電源がないオフグリッドでも快適な空間を過ごすことが可能になります。会場ではキャンピングでの活用として紹介していました。このモデルは2023年中に日本での発売を予定しているとのこと。

 

氷も作れるポータブル冷凍冷蔵庫EcoFlow Glacier

EcoFlow Glacierは、業界初の製氷機を内蔵した次世代ポータブル冷蔵庫です。わずか12 分で18個の角氷を生成できる能力を持ち、バッテリーを1 回充電すれば最大 24 時間もの利用が可能。いつでもどこでも食品を冷やして新鮮に保存することができ、ドリンクに氷を入れて冷たくして飲むこともできるのです。

 

この製品のすごいところは、ソーラーパネルがあれば暑い場所でも太陽光を利用して氷を作れるってこと。つまり、今までのような単なるポータブル冷凍冷蔵庫ではないってことです。バッテリー1本で冷蔵なら24時間、冷凍なら10時間作動可能で、バッテリーはパワーポートも用意して他の製品用バッテリーとして使うこともできます。しかも本体にはキャリング用のハンドルが付いているので、脱着可能な車輪を使って簡単に持ち運びできます。多くのシーンで多彩な用途に使えるのがEcoFlow Glacierです。

 

そして、その革新的なデザインとユーザーの生活の質を向上させる可能性を評価され、こちらも「CES 2023 イノベーションアワード」に選定されました。この製品も2023年中に日本で発売される予定。

↑右側にあるのが製氷機能を備えたユニットで、氷は溶けにくい円形で製氷される

 

冒頭でも述べたように、現代人にとって電力は極めて重要なインフラとなっています。しかし、日本のような災害が多い国に住んでいながら、筆者は電力が途絶えた時の対策が十分とは言えない状況です。ソーラーパネルを組み合わせるという、エコフローの示した方向性は、個人レベルでもそれを解決できる重要なアイテムと感じます。今後の同社の展開に注目です。

 

 

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