提供:パナソニック株式会社
2024年9月1日、パナソニックの電動シェーバー「ラムダッシュPRO 6枚刃 ES-L690U」が発売されました。「ラムダッシュAI ナビ」という新機能を搭載し、大幅な進歩があったとのことですが、いったいどれほどのものなのか……? 実際に使って試してみました!
剃り味の良さとデザインに感動!
使ってみると、剃り味がすごくいい。気持ちよく剃れて肌はツルツルになるのに、ヒリヒリしないんです。ヘッドが快適に曲がるので、取り回しも軽快そのもの。
新機能「ラムダッシュAI ナビ(※1)」も楽しいですね。ラムダッシュAI ナビは、「ラムダッシュAI+(※2)」と「ナビLED」「ナビモニター」で構成される機能。自動でヒゲの状態を検知し、ヒゲが濃いところではナビLEDがオレンジ色に光って「BOOSTモード」でパワフルに剃るのを実感できます。ヒゲが薄くなっているところは白色に点灯し、「SOFTモード」でやさしく駆動。
※1:ヒゲの濃さや、シェーバーヘッド内部のヒゲクズによって、センサーが反応(駆動音や光の色の変化)しない場合がありますが、異常ではありません
※2:ヒゲの濃さや、シェーバーヘッド内部のヒゲクズによって、センサーが反応(駆動音の変化)しない場合がありますが、異常ではありません
光の色で表示してくれるので「しっかりコントロールしてくれているな」という安心感があります。シェービング後は、ナビモニターでBOOSTモードとSOFTモードの割合を確認できるのも面白いですね。
デザインにも驚きました。すべてが上質で、チープなところがどこにもない。なんだろう、この見たことのない表面の質感……。絶妙なシボ(凹凸)と独特の色味が印象的で、ヘアライン加工の金属パーツと相まって威厳すら感じます。さすがはラムダッシュPRO6枚刃の最上位モデル、なんとも男心をくすぐるデザインですね。
「ラムダッシュAI ナビ」はなぜ開発に至った? 開発担当者に聞いてみよう!
しかし、今回の新「ラムダッシュPRO 6枚刃」はなぜこのような気持ちのいい剃り心地が実現できたのでしょう。また、独創的な新機能「ラムダッシュAI ナビ」はなぜ開発に至ったのか? そして、信じられないくらいカッコいいデザインの秘密も知りたい……。だったらもう、開発した当事者にお話を聞くのが一番でしょう! というわけで、新「ラムダッシュPRO」の商品企画を担当した池田建太さんにお話をうかがいました。
――今回はよろしくお願いします! まずは、新製品の大きな特徴であるラムダッシュAI ナビの開発の経緯について教えてください。
池田 このラムダッシュPROの6枚刃は当社シェーバーの最高級ライン。こういう高級シェーバーを使われるお客様が求めるのは、「深剃り」と「肌へのやさしさ」の両立。それを実現するのが、ヒゲの濃さを検知して最適なパワーを自動制御する「ラムダッシュAI+」です。ラムダッシュAI+はヒゲの多い部分はしっかりパワーを上げて深剃りし、ヒゲが少ない部分は肌を傷めないようパワーを抑えるわけです。
いままでのラムダッシュにも「ラムダッシュAI+」は搭載していましたが、実感するのは難しかった。だから、これを可視化できれば6枚刃の本来持っている高いポテンシャルをより多くのお客様に知ってもらえる。「深剃り」と「肌へのやさしさ」の両立を実感してもらえると考えたんです。この「可視化」を実現するために搭載したのが「ラムダッシュAI ナビ」ですね。
――可視化することで、やめどきの目安がわかるのもいいですよね。
池田 そうですね。ヒゲの濃さにもよりますが、まだたくさんヒゲが残っているのか、仕上がりに近いところまで来ているのか……光の色で確認が可能なので、お客様の判断に役立つと思います。ただ、やはり一番のポイントは「最後までシェーバーが最適なパワーを選択しているので安心ですよ。お任せください!」ということです。
開発で特に苦労したのは「ナビLED」
――ちなみに、このラムダッシュAI ナビは従来になかった新しい機能ですが、開発に苦労した点はどこですか?
池田 この光のラインの部分、ナビLEDは特に苦労した部分です。グリップの中央あたりにある基盤の上にLEDチップが載っているんですが、その光をここまで導く設計が難しくて。基板やチップは防水しながら、光だけは外側に引っ張ってくるという最適形状の検討が難しいんです。あとは、光の形状や色味、光らせ方、光の広がり方にもこだわりました。たとえば、バチッと光らせるんじゃなくて、ラインの真ん中からじわっと光が広がるような表現を目指しました。
――たしかに、光がやさしいというか、高級感がありますね。
池田 一方で、濃いヒゲを剃ってBOOSTモードに入るとオレンジに力強く光らせるようにしました。この黒いボディだとインパクトが出ますからね。こうした点を踏まえ、結果的に材料の選定と形状の検討を含めて20種類以上の試作を行いました。検証とシミュレーションを繰り返し、何十回も解析を行っていまの形にたどり着いています。
3つの機能と極薄深剃り刃が「格別な剃り心地」に貢献
――続いて、剃り心地も格別だと感じたのですが、なぜ格別なのか、技術的な根拠とともに教えてください!
池田 ポイントは3つ。1つ目は、2枚のアゴ下トリマー刃と4枚の新・極薄深剃り刃が連携する6枚刃システム。さまざまな長さのヒゲを、それぞれが連携してしっかり剃り切ることができます。
池田 そして、2つ目が高速リニアモーター。外刃で肌を押し下げて、露出したヒゲの根元を内刃でカットするわけですが、シェーバーはこのカットするタイミングがとても大事。モーターが速いほうが、より根元に近いところをベストのタイミングでカットできるわけです。3つ目はヘッドが360°全方位に傾く「密着5Dヘッド」。顔の形状に合わせてヘッドが動くため、肌にぴったり密着するんです。密着5Dヘッドと6枚刃システム、高速リニアモーター。剃り心地については、この3点が大きいですね。
――極薄深剃り刃も進化したとのことですが、こちらはどう変わったんですか?
池田 極薄深剃り刃には小さい刃穴がたくさん空いていて、いかにここへヒゲを効率的に取り込むかが大事。そこで、斜めに生えている条件の悪いヒゲでも取り込めるよう改良しました。斜めに生えたヒゲは横幅が大きくなるため、刃穴に入りづらくなります。その点、新しい極薄深剃り刃では刃穴の配列を傾けたため、最初の穴に通らなくても、次の穴がずれて構えているので、以降の刃穴に入るしくみ。あえて斜めにすることで、いずれかの刃穴で取り込める確率を高めたわけです。
感性に訴えかけるデザインへの深いこだわり
――デザインについて聞かせてください。単純に「超カッコいい!」と感動したんですが、かなりこだわったのではないですか?
池田 ありがとうございます。やはり、いままでのシェーバー以上に、男性の感性に訴えかける部分を磨き上げないと。本当にいいモノを選びたい方にはすぐ見透かされてしまうので、そこはすごくこだわりました。たとえば、ナビモニターの表示内容。ディスプレイは必要な情報をシンプルに直感的に伝えるのが重要。そのうえで、最上位モデルにふさわしい色使いや動き、フォントのイメージなどを絞り込んでいます。UI(ユーザーインターフェイス)専門の社内デザイナーやソフトの担当者と何度もすり合わせをして決めていきました。
たとえば、手に取ったときロゴの起動アニメーションが出るんですが、長すぎず、パッと見て印象に残る表示時間を追求して、ロゴが止まる時間を0.1秒単位で調整しました。あとは、このディスプレイって、シェーバー自体が曲面になっているので、ディスプレイのカバーも曲面がついているんです。ですから、実は画像がちょっとだけ歪む。だから、画像を最初から逆方向にゆがませて、映った時に真っ直ぐに見えるように元の画像を調整しているんです。あとは、中の部品や液晶の端が見えないよう、カバーの暗さや内側の液晶の輝度の限界を試しながら開発しています。
塗装では「男の道具感」を表現したかった
池田 デザインでいえば、先進テクノロジーを訴求しながらも、「クラフトブラック」という世界観を持たせて、工芸品のように1個1個を丁寧に作り込んだイメージを大事にしました。通常の商品だと、品番の後ろにK(黒)などの色品番がつくだけのパターンが多いんですが、この商品ではそのまま「クラフトブラック」というカラー名を採用しています。
具体的には、従来モデルより色を漆黒の方に振ったうえで、塗装では不揃いの粒を吹き付ける「プロット塗装」という手法を使いました。よく見ると粒の分布が均一ではなく、不規則なのがわかりますか? 黒の下地を塗ってから、クリアの塗料を塗り重ねて質感を作っていくんですけど、塗装条件が難しくて、距離を離しすぎると均一になるし、近すぎてもダメ。そこは何度もやり直しました。サンプルが上がってきても、3~4回は却下したと思いますね。一眼レフカメラのような「男の道具感」というか、最高のグレードにふさわしい重厚感を出したかったので、安易に決められなかったんです。
――塗装ひとつ取っても、技術を尽くして完成させたんですね。
池田 はい。でもデザインに関してはそれだけじゃないんです。中央のボタンは周囲と一体感を持たせるよう工夫しましたし、肩部分には本物の金属素材を使って、一番これに合う色を選んで染色。ヘアラインの質感も最適化して他のグレードとの差をつけています。あと、グリップ裏の滑り止め形状も従来モデルより溝を細かくしました。とはいえ、あまり溝が目立つと野暮ったいので、グラデーションのように前に回ってくるにつれて目立たない仕様にしています。
新「ラムダッシュPRO」で驚きやワクワク感を感じてもらいたい!
――では、最後にシェーバーを検討している方にメッセージをお願いします!
池田 もちろん、ヒゲの濃い方、肌が弱くて困っている方のお役に立ちたいという思いはありますが、それだけではなくて、「シェーバー選ぶのってあんまり面白くないな」と思っている方や、なんとなく同じブランドをずっと買い続けている方に手に取ってもらいたいです。ラムダッシュAI ナビによって、いままでと違う刺激を得られるようにしているので、シェービングをただの“作業”と捉えていた方にこそ見ていただきたい。お店で実物を見ていただいて、こだわった部分に共感いただけたら。驚きやワクワク感を感じていただき、「カッコいいな!」と思ってもらえたら一番うれしいですね。
と、ここまで見て頂いた通り、開発担当者にお話を聞いてみたら、こだわりが出るわ出るわ……。これはもう、量産品のレベルを超えている。まさに「クラフトブラック」の名にふさわしい、「工芸品」だと感じました。深剃りと肌へのやさしさを両立したい方はもちろん、シンプルに「カッコいいモデル」が欲しい方、ぜひ「ラムダッシュPRO 6枚刃 ES-L690U」を手に取ってみてください!
撮影/湯浅立志(Y2) 取材・文/小林史於(GetNavi web編集部)