家電
2024/12/5 11:30

デザイン重視なのに…なぜ、ここまでウマい? コーヒーメーカー「Mocca」が到達した「潔い味作り」の真価を体感!

温かいコーヒーが身体に沁みる季節になりました。家でも美味しいコーヒーを楽しみたい、でも手間はかけたくない……という方は、コーヒーメーカーの導入を検討してはいかがでしょう。そして、コーヒーメーカーは置きっぱなしが多く、目に触れることも多いゆえに、どうせならオシャレなほうがいいですよね。そこで今回は、優美なデザインで注目を集めるEPEIOS(エペイオス)の「FoElem(フォーエレム)スマートコーヒーメーカー Mocca(モカ)」(以降Mocca)に注目。味わいや機能性を含め、実際に使って体感したことをレポートしていきます。

↑EPEIOSの「FoElem スマートコーヒーメーカー Mocca」。本体寸法は幅18.5×奥行き19.6×高さ41.3cm(電源コード含まず)、本体質量は約2.34kg(水タンク、ドリッパー、コーヒーサーバー、電源コード含む)

 

FoElem スマートコーヒーメーカー Moccaの公式サイトはコチラ

 

エルメスのデザイナーが手掛けた端正なデザイン

エペイオスの家電シリーズ「FoElem」のデザインを手がけたのは、エルメスのスカーフやテーブルウェアのアートディレクターを務めるブノワ・ピエール エミリー氏と、ラグジュアリーブランドで数多くのデザイン経験を持つダミアン・オー シュリバン氏。いかにも端正で、ひと目で「ほかとは違う」とわかるデザインはさすがです。

 

なお、「FoElem」のブランドは、Four Elements(水・火・土・風の四元素)から着想を得て誕生しており、Moccaはそのうち「土」のエレメントを担っているとのこと。上から恵みの水が落ち、土(=コーヒー粉)を通ってコーヒーができるというイメージをデザインに採用しています。そのため、一般的なモデルだと本体の後ろに配置されるウォータータンクを上部に配置して、水からコーヒーができる流れを表現。そのぶんタテに高さが出て、ガラス部分も美しいのでスッキリ見えます。設置スペースが少なくて済むのもうれしいですね。

↑水タンクの容量は約850ml。フタを取って上から水を追加してもいいですし、タンクごと外して水を注ぐことも可能です

 

さっそくコーヒーを淹れてみましょう。水タンクに水を入れ、コーヒー豆を投入した円すい形のドリッパーをセット。本体の台座部分にある操作パネルでコースや量を設定してボタンを押せば抽出がスタートします。

↑付属のドリッパーホルダーにドリッパーを置いてコーヒー粉を投入します

 

↑水タンクの下にドリッパーをあてがい、カチっというまで時計回りにひねるとセット完了です

 

本格派の「Brew like a pro」など3種類のモードを用意

コーヒーのモードは3種類を用意。もっとも品質に特化し、本格的なプロのようなコク、豊かな味わいを追求した「Brew like a pro」、やや短い抽出時間で⼿軽にコーヒーを楽しむための「Daily Brew」、アイスコーヒーやカフェオレを楽しむための「Iced REIKO」があります。時間に余裕があるのなら、やはり味わい豊かな「Brew like a pro」がオススメ。「Daily Brew」はややあっさりした味になるので、朝の忙しい時間帯など、さっぱりしたコーヒーを短時間で飲みたいときに重宝します。

↑台座部分にあるMoccaの操作パネル。ボタンをタッチしてモードや杯数を選びます

 

豆にお湯を注ぐウィーンという音が聞こえるのみで、動作音は極めて静か。注湯は3回にわたって行われ、エレガントなピアノの音が鳴ったら抽出が完了。抽出時間はモードやカップ数に応じて違いますが、約3~7分です。一人暮らしの筆者は1杯で抽出することが圧倒的に多く、たいてい約5分で抽出できました。

↑注湯されるたびにコーヒーが落ちてくる様子がわかります。コーヒーサーバーの容量は約860ml

 

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「マイルドカルディ」は明るい酸味が引き立ち、後味爽やか

では、いよいよ試飲していきましょう。今回、コーヒー豆は一般的なものとスペシャルなものを用意しました。一般的なコーヒーとして用意したのは、カルディコーヒーファームのブレンドコーヒー「マイルドカルディ」(799円/200g)。やわらかな口当たりとやさしい甘さが特徴で、このなじみ深い味がどう変わるのか、とても楽しみです。

 

もうひとつ用意したのは、ウッドベリーコーヒーの「エルサルバドル ミレイディ ゲイシャ ナチュラル」(2700円/150g)。高品質なゲイシャ種を使用し、陰干しすることで独特の風味を引き出すナチュラルプロセスを採用しています。こうしたスペシャリティコーヒーのポテンシャルをどこまで引き出せるのか……こちらも注目ですね。

 

まずは、マイルドカルディから飲んでみると……うん、ウマい! ひと口で明るい酸味、その後は爽やかなアロマを感じます。後味のキレもいいですね! また、ドリップコーヒーだとコーヒーの温度が下がりがちですが、温度がしっかり高いのもいい。やっぱりこれくらい熱いと満足感があります。

↑アッツアツの温度も魅力。これからの季節にはぴったりです

 

スペシャルな豆のフルーティな香りを引き出した

続きまして、ウッドベリーコーヒーを試飲。……なんだこの香りは! ブルーベリーか! いままでに感じたことのないフルーティなアロマがふっと鼻から抜けていきます。ほどよく濃厚なボディでまろやかさも感じられ、これぞスペシャリティコーヒーだよな、と納得しました。

↑Moccaで淹れたコーヒーを楽しむ筆者

 

マイルドカルディ、ウッドベリーコーヒーのゲイシャを飲んで、共通して感じたのが後味の良さ、キレの良さです。同じ豆でハンドドリップしたものとも比べてみたのですが、どうも自分でハンドドリップしたものは、ねっとり感があり、やや雑味が出てキレが悪い気がする……。まあ自分の淹れ方が下手なんでしょうが、Moccaで淹れたほうがよりクリアな味わいになる気がします。

 

それともうひとつ、びっくりしたのが「Iced REIKO」モードで淹れたアイスコーヒーのウマさ。アイスコーヒーでは氷が溶けても味が薄まらないどっしりとしたコク、苦みが重要ですが、「Iced REIKO」ではそれらに加え、ホットとはまた違ったアロマが出ている! ブランデーやラムを思わせるような、かぐわしい余韻が感じられるのです。暑い夏はもとより、折を見て冬でも楽しみたいと思わせる味でした。

↑「Iced REIKO」モードはアイスコーヒーを「冷コー」と呼ぶ喫茶店文化に敬意を表して命名。同モードが使えるのは2杯からで、サーバーに氷を入れておくか、氷を詰めたグラスに注いで楽しみます

 

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ウマさの秘密はシャワーヘッドにあり

ではなぜ、こんなにも本機で淹れたコーヒーはウマいのか……。これはズバリ、第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎英典氏を監修・共同開発者として招き、味作りをしっかり行った成果でしょう。井崎氏は、一度に大量のコーヒーを淹れるコーヒーメーカーは、そもそもハンドドリップとは違うと考え、「ハンドドリップを模倣しない。Moccaに合わせた最適な抽出方法を追求する」とのコンセプトに至ったそう。

 

特にこだわったのが注湯口にあたるシャワーヘッドの見直しで、お湯の流量や速度、シャワーヘッドの穴の大きさや配置を計算し、その最適解に到達。コーヒー粉に湯を均一に行き渡らせ、コーヒーの抽出効率を向上させることに成功したといいます。デザインのみならず、コーヒーの味にもしっかりと向き合った結果、クリアでキレのいい味につながったわけですね。

↑中央にあるのが、6つの穴を備えたこだわりのシャワーヘッド。取り外して洗浄できます

 

アプリを使ってコーヒーの香りで目覚めることも可能

味以外で特筆すべき点としては、「スマートコーヒーメーカー」の名の通り、Wi-Fiを介してスマートフォンのアプリで操作ができること。アプリでは電源のオンオフ操作や保温の有無、モードや杯数の選択が可能。タイマーのセットもできるので、朝、淹れたてコーヒーの芳香で目が覚める……なんていう贅沢な体験が楽しめます。

↑「EPEIOS Life」アプリで操作が可能。アプリ内には湯温や注ぐお湯の量を好みに変更できる「カスタムレシピ」も用意しています

 

お手入れの面では、ドリッパーから水タンク、シャワーヘッドまで、ほとんどのパーツが取り外して洗えるのが便利。清潔さをキープしたい人にはうれしいポイントです。市販のクエン酸を使って内部洗浄を行う「Clean」モードも用意しています。

↑ほとんどのパーツが水洗い可能です

 

デザインも味も重視したい方にオススメのモデル

Moccaを実際に使ってみると、エルメスのデザイナーによる美しいデザインだけでなく、ワールド・バリスタ・チャンピオンによる味作りも魅力というのがよくわかりました。まず、「ハンドドリップを模倣しない」という発想が潔いですし、それがしっかりと機能に反映されているのでしょう。日常使いの豆もスペシャルな豆も、個性を引き出してクリアな味わいに仕上げてくれます。夏には絶品のアイスコーヒーも楽しめますし、アプリ連携の楽しさもあって、幅広い家庭で楽しめるはず。特にデザインも味も妥協したくない! という方には大いにオススメできるモデルです。

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撮影/鈴木謙介