ライフスタイル
2017/2/5 15:50

「面倒くさい!」と「ステキ!」は紙一重? 女の萌えはかくもか細いという話

覗けば深い女のトンネルとは? 第9回「女の萌えはかくもか細い」

以前、知りあいの女性が「キュンとした」といっていた男性の話です。

 

女性と男性A、男性Bとでランチをしていたときのこと。

男性A「お前、食欲ないならヨーグルトでも食っとけよ」

男性B「ええ、そうですね」

女性「Bさん、体調悪いんですか?」

男性B「(シレっと)ああ盲腸で、今日、仕事終わったら手術なんスよ」

 

女性はこのとき、体中に電撃が走ったそうです。

 

わかります、いい話だ……。

 

この話、おもしろいなと思って、ラジオに出演した際に再現ドラマを作ってもらったんです。そうしたら制作スタッフの方が男性Aと男性Bを一人にまとめちゃったんですね。

 

再現ドラマはこんな感じでした。

男性C「俺、今日、ヨーグルトだけにしとくわ」

女性「体調悪いんですか?」

男性C「(元気よく)盲腸で、今日、仕事終わったら手術なんスよぉ~!」

 

全然ダメです。「うわっ! 面倒くさい!」って感じです。

 

この違い、わかりますでしょうか? まあ、まずは解説いたしましょう!

 

1.自分から言わない

Cさんがダメなのは、自分から「俺、体調悪い」っていっちゃってるところ。それ、単にかまってちゃんです。「どうしたんですか?」って聞いて欲しいんですかね。ちょっと子どもっぽすぎです。

一方でリアルBさんのほうは、人に聞かれるまで黙ってるところが萌えです。

 

2.シレっとしてる

Cさんは、けっこう元気よく「手術なんスよぉ~!」と主張してますが、これも「俺、可愛そう?」「俺、すごい?」みたいなアピールに見えて、ぜんぜんステキじゃないです。

一方でリアルBさんは、シレっとしてるところが萌えです。盲腸といえど手術ってちょっとたいへんなことだと思いますが、それを「仕事が終わったら」と淡々といってるところがいいんです。仕事を優先させるところも社畜といわれればそうですが、ちょっとステキ。

 

というわけで、ここはぜったいにAさんとBさんを合体させて一人にさせてはいけないんです(力説)!

 

申し訳ないのですが、スタッフさんに、

「済みません、これだとぜんぜん萌えになりません! むしろ逆効果です!」

といって、作り直してもらいました。「女の萌え」について語る企画だったので、譲れなかったんです。このときに、しみじみ「ああ、女の萌えは男性には伝わらないのだな……」と思いました。

 

「いいこと」とか「好感度の高いこと」って、地味な行動の場合が多いですよね。Bさんだって、Aさんや女性が振ってくれなかったら、これから手術だなんていう機会がなかったわけで。

 

いや、そうだ! そうなんですよ!! 「チャンスがなければ誰にもいわずじまいだったかもしれないのに、それが実はけっこうでかい話だった」からこそ萌えるんです!

 

「えっ!? そんなたいへんそうなこと、黙ってるの?」みたいな。

 

「恋なんて謎があるうちよ」とかいいますが(古い)、「表に出るかわからない、不発になるかもしれなかった情報」だから価値があるんですね。「そんな大きなこと、黙ってたの?」って。

 

だからこそ、その奥ゆかしさに女たちはキュンとするのだと思います。モテる男子は、不発のネタを実はいっぱい持ってるのかもしれません。