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2017/5/10 18:00

【the周年!】“板ガムの定番”が今年で60周年! ロッテ「グリーンガム」はなぜここまで支持されたのか

板ガムの定番商品として、また、エチケットガムの草分けとして知られるロッテ「グリーンガム」。誕生してから60周年を迎える今年、あらためて「グリーンガム」の魅力や変遷をロッテ・チューイング企画室の浅見裕之さんの案内で辿ります。「グリーンガム」誕生の前夜と国民的支持に至った経緯が明らかに!

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↑ロッテ・チューイング企画室 浅見裕之さん

 

「エチケット」をコンセプトに開発された板ガム

ーー「グリーンガム」が発売された1957年以前は、板ガム自体が市場には定着していなかったと聞いています。

浅見裕之さん(以下:浅見) それまでのガムというと、フーセンガムに代表されるような子どものおやつとしてのイメージが強かったようです。そんな中、「大人のエチケットガム」として開発されたのが「グリーンガム」でした。

↑1957年に発売された「グリーンガム」の初代パッケージ。ペパーミントの爽やかな風味で当時の若者に絶大な支持を得た

 

浅見 大人のエチケットガムというコンセプトに基づき、ガムではあまり使用していなかった天然チクルという素材を使ってふくよかな噛み心地を実現。また、クロロフィル(葉緑素)を使用するなど、こだわりの品質に仕上げているのも特徴です。結果的に大ヒットとなり、60周年を迎えた現在まで長きにわたって、お客さまに支え続けていただいている当社のロングヒット商品になりました。

↑素材となった天然チクル。「グリーンガム」登場に先立って、1954年に同社が日本で初めて採用したものだった
↑素材となった天然チクル。「グリーンガム」登場に先立って、1954年に同社が日本で初めて採用したものだった

 

ーー「大人がガムを噛む」ということに限っては、「グリーンガム」が最初だったのではないでしょうか?

浅見 そうかもしれないですね。特に発売当初は、恋愛を楽しむ若者たちの間で親しまれていたようです。例えば、「デートの前にガムを食べる」「食事をした後にガムを食べる」といったことで、エチケットやコミュニケーションのアイテムとして、ご支持をいただくようになりました。このようなシーンで食べられているのは、「グリーンガム」の強みであると考えています。

 

「グリーンガム」はプロモーションも斬新だった!

ーー「グリーンガム」がヒットしたのち、派生した商品だけでもかなりの数がありますよね?

浅見 「グリーンガム」のヒット後に板ガム市場を開拓したこともあり、当社でもガムは筆頭商品になりました。「クールミントガム」「フラボノガム」「キシリトールガム」に至るまで、様々な価値の板ガムを開発しています。

↑一般メディアでのプロモーションだけでなく、ガムの自動販売機も発売当初から展開。飲食店などでは卓上販売機もあった

 

ーーどうして「グリーンガム」は、ここまで支持されるようになったとお考えでしょうか?

浅見 商品自体の素晴らしさもあったと思いますが、同じようにプロモーションにも力を注いだ結果だと思います。発売当初は、玉置 宏さんが司会を務める番組「ロッテ 歌のアルバム」の冠スポンサーとなったことが、「グリーンガム」の認知度を上げたと聞いています。その後も、時代ごとの一流タレントさんを起用して宣伝を行ってきました。そういった意味でも、お客様に対してガムの素晴らしさを伝えていったブランドという自負があります。

↑1993年には、ロッテ本社ビルを「グリーンガム」「クールミントガム」のパッケージでラッピング。通常のガムサイズに換算すると、約3億個分のサイズに拡大されたという
↑1993年には、ロッテ本社ビルを「グリーンガム」「クールミントガム」のパッケージでラッピング。通常のガムサイズに換算すると、約3億個分のサイズに拡大されたという

 

2014年には味・パッケージを大幅にリニューアル!

ーー発売以来数回のリニューアルが行われていますが、各時代の風潮にイメージを合わせること以外には、どんな思いが込められていたのでしょうか?

浅見 歴史のある商品だからこそ、デザインはいつも時代に合わせた形でリニューアルを行っています。また、2014年にはデザインだけでなく大幅な商品リニューアルを行い、ミントのこだわりを追求した初摘みミントを使った「グリーンガム」に生まれ変わりました。

↑1970年にリニューアルされた「グリーンガム」のパッケージ
↑1970年にリニューアルされた「グリーンガム」のパッケージ

 

浅見 ミントに関しては当社もこだわりが強く、長年かけて検討を繰り返してきました。特に初摘みミントは、その年に花が咲く前に最初に刈り取ったミントのことですが、雑味が少なくフレッシュでバランスの良い香りが特徴です。当時のリニューアルでは、ミントのおいしさを楽しんでもらいたいという強い想いから、「グリーンガム」に使用するミントオイルはすべて初摘みミントのものに統一しています。

↑1993年にリニューアルされた「グリーンガム」のパッケージ
↑1993年にリニューアルされた「グリーンガム」のパッケージ

 

ーーこれだけ長く販売されている商品ですと、リニューアルといってもそう簡単にできるものではないと思うのですが?

浅見 確かにリニューアルして発売するまでは、ミントの味わいや食感の改良などの研究に加え、消費者調査も行いました。そして実際に販売したところ、お客さまから高い評価をいただき、いまも継続的に売れています。

 

↑2007年にリニューアルされた「グリーンガム」のパッケージ
↑2007年にリニューアルされた「グリーンガム」のパッケージ

 

主流は粒ガムだが、板ガムには手厚い支持がある!

ーー「グリーンガム」は板ガムですが、現在は粒ガムのほうがシェアが大きいのではないでしょうか?

浅見 いまの主流は粒ガムですね。当社でも様々な粒ガムを発売していますが、「グリーンガム」同様、スッキリとした息を演出するような商品や特定保健用食品(トクホ)といった機能的な商品が主流です。もともと板ガムに関しては、女性の方を中心に「ちょっと大きい」という声もいただいており、そこから粒ガムが開発された経緯があります。

↑2014年にリニューアルされ、現在まで続く「グリーンガム」の最新パッケージ。粒ガムが市場のメインとなりつつも、板ガムの「グリーンガム」は根強い人気を誇っている
↑2014年にリニューアルされ、現在まで続く「グリーンガム」の最新パッケージ。粒ガムが市場のメインとなりつつも、板ガムの「グリーンガム」は根強い人気を誇っている

 

浅見 ただ一方で、長年ご愛食いただいているお客さまからは「ガムは板ガムじゃないと」という厚い支持もいただいております。特に板ガムは、ガム本来のボリューム感や味を楽しめるものです。粒ガム、板ガムともにそれぞれの良さを特化させながら、これからも販売していきたいと思っています。

↑「グリーンガム」で開拓されたミントのスッキリ感や食感の楽しさを継承するガムは、現在も同社から続々と登場している。“息をデザインするガム”「ACUO」は、人気商品のひとつだ
↑「グリーンガム」で開拓されたミントのスッキリ感や食感の楽しさを継承するガムは、現在も同社から続々と登場している。“息をデザインするガム”「ACUO」は、人気商品のひとつだ
↑食感が楽しい「Fit's」。こちらも人気商品のひとつで、若者からの支持も上々のようだ
↑食感が楽しい「Fit’s」。こちらも人気商品のひとつで、若者からの支持も上々のようだ

 

お馴染みのキャッチコピー「お口の恋人」の由来は?

ーーロッテのキャッチコピー「お口の恋人」。今年で60周年を迎えた「グリーンガム」同様、80年代からそのジャンルを市場に広めた「のど飴」もやはり「お口」がテーマで、長きに渡って支持を得ていますね。

浅見 「のど飴」は今年で31周年を迎えました。「グリーンガム」で培った技術をガム以外の商品に応用させることはなかなか難しいのですが、味の仕立てという部分では、「のど飴」にもその知見が活かされています。

↑「お口」の恋人のキャッチコピーで知られるロッテ。80年代「のど飴」もスッキリ感を味わえるキャンディとしてその道を切り開いたが、やはり先輩格商品「グリーンガム」が同社のヒットとなり、影響を与えたところは大きい
↑「お口」の恋人のキャッチコピーで知られるロッテ。80年代「のど飴」もスッキリ感を味わえるキャンディとしてその道を切り開いたが、やはり先輩格商品「グリーンガム」が同社のヒットとなり、影響を与えたところは大きい

 

浅見 当社で販売しているチョコレート、ビスケット、アイスクリーム、キャンディといったスタンダードなお菓子はもちろんですが、それらに加えて“生活のケア”をする商品を開発できるのが当社の強みだと思っています。これからはさらなる高齢化が進みますので、板ガム、粒ガムはもちろん、健康を意識した商品を継続的に出していきたいと考えています。

 

まさにガムに歴史あり! 今年で60周年を迎えた「グリーンガム」は板ガムとしてだけでなく、他の商品にも多大な影響を与えていたようです。「グリーンガム」をはじめとしたロッテ製品の最新情報は、下記からチェックしてみてください。

 

【URL】

ロッテ https://www.lotte.co.jp/