ここ数年、観光地へ行くと外国人観光客と日本人観光客の比率に驚かざるを得ません。東京に次いで外国人に人気のある京都では、観光客が来すぎて逆に困っているという地元民の話もよく聞きます。
さらに、2030年には6000万人の訪日観光客を目指している日本政府。日本で外国人を見る機会が増えているいま、いったい彼らには日本という国がどう映っているのだろうと疑問が湧いてきませんか?
ポーランドに住む筆者の夫はポーランド人。夫はこれまでに10回日本へ渡航し、彼の家族や兄弟、友人も日本へ訪れました。そこで今回は、複数のポーランド人から聞いた「ここがスゴいよ、日本(人)」エピソードをお伝えします。
【その1】自動販売機がどこにでもある
筆者が初めて海外へ行ったとき、まず気付いたのは自動販売機が圧倒的に少ないことでした。逆に外国人からすると、日本にはジュース、お酒、タバコの自動販売機が道路や駅のそこら中に設置されていることが不思議でならないようです。
飲料やスナックを売る自動販売機は多くの外国に存在し、それ自体が珍しいのではありません。
しかし海外で自動販売機を見かける場所といえば、たいていは駅のホール、大学、人気の観光施設など人通りの多い箇所。それなのに日本ときたら、人口がそれほど多くない田舎町や山の頂上にまで自動販売機があります。
【その2】バスや電車の中で居眠りする日本人
公共の場所で堂々と眠る日本人、これは日本で見る奇妙な光景のひとつだそう。欧米の多くの国では、幼いころに親から「バスや電車の中では寝てはいけない」と教えられます。理由は、うっかり寝ている間にカバンや貴重品を盗まれる可能性があるから。
また隣や向かいに座っている人が迷惑に感じることもあるため、マナー的にも公共の場所で居眠りすることはよくありません。
しかし日本では多くの人々が電車で眠り、時には隣の人の肩にもたれかかり、そして降りる駅に到着する10秒前に突然目を覚まします。ほとんどの外国人は、この日本人のミステリアスな行動に驚きを隠せません。
【その3】ふと見かける日本限定の食べ物
外国人観光客が日本で堪能したいもののひとつといえば、和食。日本の伝統料理や寿司、スイーツを食べることを楽しみに訪れる外国人は意外と多く、スーパーやコンビニ、レストランに並ぶ美味しそうな日本料理についあれもこれもと欲が出てしまうのだそうです。
そして母国でも見慣れているマクドナルド、ケンタッキーなどのファーストフード店、ケーキやアイスクリームには日本しか見られないバリエーションがあることに気づき、さらに仰天します。
例えば、キットカットには抹茶や苺、マンゴー味と見たこともないフレーバーがありますよね。
アイスクリームには甘い小豆(あんこ)が入っていたり、予想外の組み合わせには目が点に……。豆を甘くするという発想自体、外国人にはなかなか受け入れてもらえません。
夫の家族が日本へ来たとき、良かれと思って私が買ってあげたファミリーパックのアイスバーが小豆入りと気付いた瞬間、みんなの顔が歪んだことをよく覚えています。
【その4】安いのに先進的なカプセルホテル
日本はどちらかというと世界的に見ても物価の高い国です。そんな日本の都心部で少しでも安く泊まろうと宿泊施設をチェックしていると、必ずと言っていいほど検索結果に出てくるのがカプセルホテル。
しかも見た目は悪くなく、逆に未来的でカッコイイと感激してしまうのだそう。カプセルホテルの短所といえば狭いだけで、ひとつひとつのスペースにドアがありプライバシーはきちんと守られています。
中には照明、テレビ、ハンガー、ラジオ、さらにはパジャマまでもが用意されているところも……。最近では女性用のカプセルホテルも増えており、予算を抑えながら快適に宿泊できると外国人観光客に好評です。
【その5】マスクは日本人の必須アイテム
日本人なら年に何回もお世話になるマスク。いまやマスクがファッションと化し、色がついているマスク、小顔に見えるマスクなど薬局に行けば様々な商品を見かけます。
しかし、重病でもないのにマスクを日常的に付けるというのは外国人には到底理解できないこと。「日本はそんなに空気が汚染されているのか……」と、思わず警戒してしまう外国人も少なくありません。
欧米ではマスクは一般に購入できるものではなく、生涯一度もマスクを付けたことのない人が99%を占めるでしょう。例外として、病院や医療機関では医師や看護士がマスクを付けていますが、外でマスクを付ける機会は滅多にありません。
以上、外国人観光客から見た日本での驚くべき発見を5つ紹介しました。日本では当たり前のことが外国人にとってはどれだけ奇妙であるか、痛感せずにはいられません。海外旅行の際は、日本と外国とのちがいに焦点を当てて観光してみると面白いでしょう。