りんかい線・国際展示場駅から目視できる、全面ガラス張りの目立つ建物。それが、3フロアからなるパナソニックの情報発信拠点「パナソニックセンター東京」である。この場所で7月24日、2020年の東京オリンピック公認プログラム「いっしょにTOKYOをつくろう。」の発表会見が行われた。今回はその模様をお伝えする。
5つの参加型アクティビティでオリンピックムーブメントを醸成
まず「いっしょにTOKYOをつくろう。」とはナンダ? という話から。簡単に言ってしまえば、オリンピック・パラリンピックのスポンサーでもあるパナソニックが、オリンピックムーブメントを作っていくために参加型のアクティビティを行っていこうという取り組みだ。パナソニックセンター所長・浜崎佳子氏が語るに、具体的にはまず、下記5つのプログラムがスタートする。
プログラム1「東京都江東区オリンピック・パラリンピック教育推進計画に位置付けられた教育プログラム」
パナソニックセンター東京のある江東区の小学校5、6年生およそ8000人が、パナソニックセンター東京に設置されているオリンピック・パラリンピックの教育施設「Active Learning Camp」を見学し、能動的に学ぶ。
プログラム2「KIDSプレスセンター」
小中学生に各種文化プログラムの取材体験を提供し、表現力の向上や文化の理解を促進。同時にオリンピック・パラリンピック競技への関心を高める。
プログラム3「Sports Design. Camp(スポーツデザインキャンプ)」
スポーツの魅力をアートとテクノロジーで表現し、観客と一緒に体験できる新たな映像インスタレーションを発案し、制作を行う。有名クリエイターも講師として招集。完成した作品は国際展示場で開催される「東京国際プロジェクションマッピングアワード」でお披露目される。
プログラム4「大学生考案によるオリンピック・パラリンピックワークショップ」
筑波大学の学生によるオリンピック・パラリンピックの理念や精神をテーマとした子ども向けのワークショップを実施する。
プログラム5「オリンピック・パラリンピックの競技体験」
オリンピアン・パラリンピアンや指導者による競技体験を通して、子どもたちにオリンピック・パラリンピックをより身近なものに感じてもらう。
子どもたちを第一に考えたプログラムの数々である。江東区長の山崎孝明氏もスピーチのなかで「オリンピックも大事だが、それ以上に子どもたちをいい子に育てるのが大切。それが大人の責任なんです。オリンピックを通して、世界中の国旗と国家について学んでほしい」と話していたっけ。未来ある子どもたちが夢を見ることのできるオリンピックになってほしい。
ちなみに、パナソニックセンター東京のある江東区はオリンピック10会場、パラリンピック7会場がおかれる競技の中心地となる予定。オリンピックレガシーを次の世代まで残すという想いが強いのも納得だ。
6人の現役のアスリートも登壇
会見の終盤には6人の現役のアスリートが登壇。なかでも2020年から追加種目となるサーフィンの選手、宮坂桃子・莉乙子姉妹の笑顔が眩しい。心からサーフィンがオリンピック競技になることを喜んでいるとわかる。「波という自然と対峙することは生半可なことではできません。競技を通して”波”に乗ることを知っていただけると嬉しいです」という発言からも勢いが感じられる。
そして、6人全員が語ったのがオリンピックへの思いの強さ。2008年の北京オリンピックに出場したバレーボールの福澤達哉選手は「実際に出ると、感覚が全然違うんです。競技人生にオリンピックが入ってくると、常に4年という単位を意識するようになる。私自身、いろいろな世界大会に出場しましたが、やはりオリンピックは別格なんですよ」と熱を込めて話す。
会見後は、本プログラムに合わせてリニューアルされた、パナソニックセンター東京1階の体験型フロアを見学。サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングといった新競技体験ができるアトラクション、日本特有の美意識が生み出す世界観を体験できる展示、オリンピックを通じて文化、環境、相互理解を学ぶスペース、と盛りだくさん。キチンと見たら1日かかるのでは? というくらいボリューミーな参加型アクティビティで、クオリティはかなり高い。
3年後の7月24日に、東京オリンピックは開幕する。そのための準備を目撃し「もう、オリンピックは始まっている」ことを実感。本番も重要だが、整える準備も必須なのだ。オリンピックムーブメントが盛り上がり、最高の環境で選手が輝けるといいなぁと思った。