ライフスタイル
2018/7/30 23:00

【備えの1冊】防災バッグの中に何を入れる? 命を守る5点セットとは――『りすの四季だより』

 

「防災用」をあえて揃えるのではなく、日常でも使えるものをチョイスしよう

もうひとつ、りすさんの教えで気づいたことは、「防災は日常生活の延長線上にあってこそ、役立つ」ということ。

 

たとえば雨を伴う非常事態の場合、レインウエアがあるとかなり助かる。だが、100均のものでは心もとない。

 

おすすめは、透湿防水素材でできているアウトドア用レインウエア。普段使いにも便利で、そのまま災害用としても使えるからだ。お手入れすれば10年はもつので、確かに初期投資は必要だが、結果的には良いものを長く使うことの方がお得なのではないだろうか。

 

さて、ここで迷うのが、子ども用だ。すぐにサイズアウトしてしまうことを考えると、上下セットで6000円は高すぎないだろうか?と悩む人も多いだろう。

 

そこで、りすさんはこうひらめいた。

 

アウトドア用レインウエアは、世界中どのメーカーでもYKKのファスナーが使われていることが多い。そのため、製造番号が同じであれば、大人用と子ども用をジョイントできるのだ。

 

赤ちゃんを前で抱っこするときは、ママと子どものコートをジョイントして、ママコートに。歩けるようになったら、上だけ着せてレインコートに。もっと背が伸びたら、上下で着せる、といったように、120cmサイズの子ども用レインウエアを0~6歳まで使い倒したとのこと! このアイデアならば、1000円程度のすぐに濡れてしまうようなものを成長にあわせて買い換えるよりも、ずっと経済的だ。

 

災害用をあえて用意するのではなく、普段使いできる自分のお気に入りを揃えておくこと、そしていろいろなアイデアを持って活用することが、何より大切なのである。

 

 

「やらなきゃいけない」が「やってみたい」に。楽しみながら防災対策をしよう

『りすの四季だより』には、子どもでも大人を助け出せる古武道を使った救出術や、川遊びに必須の滑りにくい靴の作り方、寒さ暑さに対応する着こなし術、災害直後のトイレ問題、部屋の中の耐震化と家具固定法などなど、ぜひ家族で一度読んでおいてほしい内容が満載である。実際、私も実家の両親に1冊送ったほどだ。

 

ポイントは、いつ起こるかわからない災害に恐れるが故に「防災対策は嫌なこと」とネガティブに捉えるのではなく、「ちょっと試してみたい、普段から楽しみながら挑戦できるポジティブな防災アイデア」ばかりだということ。

 

もちろん、この本さえ読んでいれば必ず助かる!のではなく、りすさんから学んだ知識を応用できる知恵を身につけることが最大の目標だ。

 

備えあれば憂いなし。楽しみながら備えて防災を日常にし、心にゆとりを持って毎日を送りたい。

 

 

【書籍紹介】

りすの四季だより 家族の笑顔を守る暮らしの知恵

著者:あんどうりす
発行:新建新聞社

「やらなければ」が「やってみたい」に変わる! 口コミで年間100回以上の講演依頼がある伝説の防災講座、初の本格書籍化! 本書では、防災をマニュアル化するのではなく、アウトドアの知恵と技術を使って「読者と生き延びるための『知恵』を分かち合う」ことを目指しています。

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