ライフスタイル
2018/8/17 20:30

自衛隊の訓練中は脳内で「ガメラ2」を再生? ――激レアさんの自衛隊での日常がレアすぎる。

あふれる自衛隊愛

波乱万丈な人生を送ってきた大仏見さんだが、そもそも自衛隊での経験を本にまとめようとした背景には、どんな思いがあるのか。

 

「自衛隊に関する情報は世間にほとんど出ていません。あったとしてもミリタリー図鑑みたいなものでしか知ることができません。自衛隊=戦争という極端な図式を思い浮かべる人がいますが、実際は入隊の動機も転職で困ってとか、そういう人が結構多かったりするといった、普通の人が普通に生活している世界でもあるという事実を伝えたかったことがあります」

 

自衛隊の意義に関しても、体験者ならではの言葉には独特の重みがある。

 

「私が横須賀の基地にいた時、行軍訓練で山まで歩いていくんですが、お年寄りの方々が通過する時に会釈してくださるんです。すごくありがたくて、それだけで頑張れたところもあります。国民の応援で力が発揮できるんです。辛い訓練もありますが、困っている人の力になれなければ自衛隊である意味がありません。自分の力がダイレクトに誰かのためになるという感覚がすごい馬力を生み出すんです」

 

そして今でも、自衛隊に対する愛情は尽きることがないようだ。

 

「自衛隊では、100%力を出し切った後さらに出すことができるんです。身近の誰かのためということです。日本は災害が多いので、そっちで頑張れる、誰かのためになれるということで、本当にエネルギーが生まれました。自衛隊では苦労した気持ちがしません。もちろん辛いっていうのはあるんですが、やり遂げられたっていう充実感が毎日あって。辞めた後悔ばかりしてます。いればよかったなって(笑)」

 

1日12時間シフトのネジ留めのバイトにしても、自衛隊や外人部隊への入隊にしても、大仏見さんはとにかく行動の人である。そういう人が脳内映画リピートを通して培ったリリックでビジュアルな文章で綴られたのが、『自衛隊入隊日記 完全版』。純粋で上質なエンターテインメントとして楽しめる1冊だ。

 

 

【書籍紹介】

自衛隊入隊日記 完全版

著者:ロボットマナブ、大仏見富士
発行:学研プラス

電子版のベストセラーに新エピソード&描き下ろし4コマ漫画を加筆して再編集した完全版。読みやすくどこかやさしい文章が大好評! 工場勤務の22歳の若者が突如自衛隊に入隊、厳しくも愛にあふれる自衛官のリアルが感じられる自伝的青春小説。

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