もう「いいね!」がない時代には戻れない
「盛り」や「インスタ映え」などのワードを聞くと、「『いいね!』をもらうために写真撮りに行ってるんでしょ? 別にパンケーキ食べたくないわけでしょ?」と思う方も多いかもしれません。
2017年に流行語となった「インスタ映え」ですが、2018年の現在でも廃れることなく健在。流行というかむしろ「インスタ映えして当たり前」な風潮があるようにも感じます。『シェアしたがる心理』では、「そこで食べるパンケーキというモノ」というより、「SNS映えする流行りのパンケーキを食べているコト」のシェアをしていると語られます。
時代が「モノからコトへ」移行しているということはよく耳にすると思います。飲食店でもこれまでの時代は「美味しいモノ」を提供していれば顧客満足度は高かったのですが、これからの時代それだけでは繁盛しなくなってきているということがよくわかりますね!
なぜ「盛る」の?
最近ではアナログカメラのように、ザラザラとした質感の写真も増えてきますが、なぜそのままの写真や動画ではなく、加工し盛った写真や動画をシェアするのでしょうか?
私たちにとって一番の関心の源泉は、多くの場合「自分自身」のことであるが、自分というもには確固たる「答え」がないものではないだろうか。何者にでもなれることの軽やかさとそれゆえの不安や悩ましさが同居する中で、私たちは遊ぶ時間にこそ、そのアイデンティティの不確かさを楽しさへと転換できる。
(『シェアしたがる心理』より引用)
ちょっと難しく書かれていますが、自分をネタにいつもと違う自分になることが「盛り」とのこと。私がハロウィンイベントに参加した時も、おじさんに扮すること=盛りだったので、「祭り」と「盛り」の要素をどちらも満たしていたということが改めてわかりますね。単に可愛くする、キレイにする、かっこよくするというプラスの盛りだけでなく、自分をネタに面白がることも「盛り」なのだと理解しました! なるほどなぁ〜。