コンビニなどでスマートに決済したいなら、日本では電子マネーもオススメ。ここではレジの端末にタッチするだけで簡単に支払えるカード型電子マネーを紹介します。
【教えてくれた人】
岩田昭男さん
クレジットカード評論家として、30年近く取材・研究に携わっています。近著に「キャッシュレスで得する! お金の新常識」(青春出版社)など。
電子マネーの使いやすさはQRコード決済以上!
電子マネーは支払いの簡便さではQRコード決済以上です。特にカード型はカード1枚かざせば決済完了。岩田さんも、「首都圏以外では使えない地域も多いが、支払いは圧倒的にラク」と語ります。
電子マネーにはプリペイド式、ポストペイ式、デビット式の3種がある。カードにチャージして使うプリペイド式は、使いすぎが心配な人に最適。ポストペイ式にはiDやQUICPay+があり、利用額が後日クレジットカードから引き落とされ、そのカードの還元率でポイントが貯まります。デビット式は銀行の発行するデビットカードに紐付けられ、買い物と同時に代金が引き落とされます。
「ちなみにiDやQUICPay+はプリペイドカードやデビットカードにも紐付け可能です。また、複数の電子マネーを使う人にはアプリ型を推奨。モバイルSuicaやnanacoモバイルなど、かさばることなくスマホに複数格納できます」(岩田さん)
【その1】全国の鉄道やバスで使えて買い物でもポイントが貯まる!
Suica(運営:JR東日本)
全国の鉄道、バス、加盟店での買い物に利用できます。JRE POINTウェブサイトで会員登録後、New DaysなどのJRE POINT加盟店での買い物に利用すると、0.5〜1%ポイントが貯まります。JR東日本の電車や駅をよく利用する人に最適。
【ポイント】
JRE POINT 0.5〜1%還元
【詳細データ】
支払い方法:プリペイド式
利用金額上限:2万円(チャージ上限額)
利用可能箇所数:約53万か所(18年9月末時点)
【Suicaでトクするベストカード】
ビューカード
JRE CARD
JRE POINT加盟店での買い物で1.5%、JRE CARD優待店なら3.5%ポイント還元(※1)。定期券購入やSuicaチャージでも1.5%ポイントが貯まります。ポイントはSuicaにチャージ可能。
国際ブランド | VISA、Mastercard、JCB |
年会費 | 515円(初年度無料) |
※1:利用条件により還元率が異なる場合がある
【その2】ポストペイ・プリペイド・デビットに対応し幅広い業種に加盟店あり!
iD(運営:NTTドコモ)
NTTドコモが提供する電子マネー。ポストペイ式なら登録クレジットカードのポイントが付くほかプリペイドカード(※2)、デビット(※3)での支払いも可。大手コンビニやスーパー、タクシーなど使えるシーンが多いのも魅力です。
※2:dカードプリペイド、ソフトバンクカードがiDでの支払いに対応。ソフトバンクカードはApple Pay利用時のみ、iDが使える
※3:三菱住友銀行のVisaデビットカード「SMBCデビット」がiDに対応
【ポイント】
登録カードのポイントが貯まる
【詳細データ】
支払い方法:ポストペイ式、プリペイド式、デビット方式
利用金額上限:登録カードにより異なる
利用可能箇所数:84.3万台(18年6月現在)
【iDでトクするベストカード】
NTTドコモ
dカード
ドコモと三井住友銀行が開発したiDと相性抜群のカード。ポイント還元率は1%ですが、特約店では還元率が2〜5%にアップします。ローソンで使うと3%割引になり、2%のポイントも付与。
国際ブランド | Mastercard、VISA |
年会費 | 1350円(初年度無料/年1回の利用で次年度無料) |
【その3】デビットカードにも紐付けられ高額の買い物にも使える!
QUICPay+(運営:ジェーシービー)
ポストペイ式のQUICPayの利便性を向上。従来のオフライン取引をオンライン化し、デビットカード、プリペイドカードにも紐付け可能になりました。登録カードの限度額まで1回で使え、高額の決済を電子マネーでしたい人にピッタリ。
【ポイント】
登録カードのポイントが貯まる
【詳細データ】
支払い方法:ポストペイ式、プリペイド式、デビット方式
利用金額上限:登録カードにより異なる
利用可能箇所数:約72万台(18年3月時点)
【QUICPay+でトクするベストカード】
ジェーシービー
JCB CARD W
年会費無料ながらJCB一般カードの倍(還元率1%)のポイントが貯まる39歳以下WEB入会限定のカード。入会後は40歳を過ぎても継続利用可能です。海外旅行傷害保険は最高2000万円。
国際ブランド | JCB |
年会費 | 無料 |
【その4】57万か所以上で使え汎用性抜群!楽天市場のヘビーユーザーにもおトク
楽天Edy(運営:楽天)
加盟店数は約57万か所。楽天Edyでの支払い200円ごとに楽天スーパーポイントが1P貯まります(※4)。チャージはコンビニのレジや専用端末のほかクレジットカードでも可能。ポイントはEdyに交換可能で、楽天のヘビーユーザーはよりおトク。
※4:楽天Edyでポイントが貯まる設定にする必要がある場合あり
【ポイント】
楽天スーパーポイント 0.5%還元
【詳細データ】
支払い方法:プリペイド式
利用金額上限:5万円(残高上限額)
利用可能箇所数:約57万か所以上(18年10月1日時点)
【楽天Edyでトクするベストカード】
楽天カード
楽天カード
加盟店で買い物する場合、楽天Edyへのチャージで0.5%、楽天Edy決済で0.5%、ポイントカード提示で1%のポイント3重取りが可能。オートチャージ機能付きで、手動で入金する手間が省けます(※5)。
国際ブランド | Mastercard、American Express、VISA、JCB |
年会費 | 無料 |
※5:カード入会時、もしくは楽天カード会員専用オンラインサービス「楽天e-NAVI」にて申し込みの必要あり。オートチャージは対象店舗のみで可能
【その5】セブン—イレブンやイトーヨーカドーの利用者は必携の高還元率電子マネー!
nanaco
(運営:セブン&アイ)
セブン&アイグループの店舗を中心に使え、還元率1%のポイントを付与。セブンカード・プラスなどからのチャージでもポイントが貯まります。住民税などの支払いに使えるのも魅力(※6)。セブン—イレブンやイトーヨーカドーの利用者は必携。
※6:コンビニ納付に未対応の自治体もあり
【ポイント】
nanacoポイント 1%還元
【詳細データ】
支払い方法:プリペイド式
利用金額上限:5万円(チャージ上限額)
利用可能箇所数:約33万か所(18年8月時点)
【nanacoでトクするベストカード】
セブン・カードサービス
セブンカード・プラス(nanaco一体型)
1枚でカード払いとnanaco払いに対応。セブン—イレブンなどでのカード払いでnanacoポイントが3倍になります。nanacoへのチャージでも0.5%ポイント還元。nanacoオートチャージ対応。
国際ブランド | VISA、JCB |
年会費 | 500円(初年度無料。年間5万円の利用で次年度無料) |
【その6】イオン店舗のキャンペーンの日はさらにオトクにポイントが貯まる
WAON
(運営:イオン)
イオングループのほか、ファミリーマート、ローソンなど全国で利用可能。還元率0.5%のポイントを付与(JMBWAONの場合はJALのマイルが貯まる)。イオン店舗では、毎月5の付く日はポイント2倍など、特典がいっぱい。
【ポイント】
WAONポイント 0.5%還元
【詳細データ】
支払い方法:プリペイド式
利用金額上限:5万円(チャージ上限額)
利用可能箇所数:約40万か所(18年3月時点)
【WAONでトクするベストカード】
イオン
イオンカードセレクト
WAONへのオートチャージを設定でき、引き落とし先にイオン銀行を設定するとチャージ時に0.5%のWAONポイントが付くカード。カード利用で1000円につき1P(5円相当)が貯まります。
国際ブランド | VISA、Mastercard、JCB |
年会費 | 無料 |
Apple Pay/Google Payの利用方法
電子マネーはスマホで使うのもスマートで便利。ここではApple PayとGoogle Payの登録方法などを簡単に解説します。
Google Pay
使える電子マネー●Suica●楽天Edy●nanaco●WAON
Google Payアプリをダウンロード後「電子マネーを追加」から希望の電子マネーを選択、必要事項を入力。nanacoはnanacoモバイルアプリでのみクレジットカードからチャージ可能。WAONはイオンカードでだけチャージできます。
Apple Pay
使える電子マネー●Suica●iD●QUICPay
Walletアプリを開き、クレジットカードの券面をスキャンして情報を確認。Apple Payはカードごとに使う電子マネーが決まっているので、あとは設定不要です。Suicaの場合はSuicaアプリで会員登録し、カード登録することもできます。
文/平島憲一郎、イラスト/ふくたいさお、監修/岩田昭男