勝どき、月島、佃、晴海、豊洲、東雲、有明といった東京の湾岸エリア。十数年前までは工場や倉庫が多く、一般庶民にとっては無縁とも言えた地域でしたが、近年、都市開発により街が大きく様変わりし、ファミリータイプで7000万円以上のタワーマンションが続々に建設されています。そんな湾岸エリアは実際にはどんな場所なのでしょうか?
そこで筆者は、2月上旬に不動産専門スマホアプリの「カウル」が行った湾岸エリアのバスツアーに参加してきました。各エリアの現在と未来、そして湾岸エリアのタワーマンション事情について2本に分けてレポートします。この記事で取り上げるのは晴海、有明、そして東雲。東京でタワーマンションの購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
交通アクセスがよくなった晴海
カウルのバスツアーに参加して、まず驚いたのが築地から豊洲へ抜ける道路ができていたこと。かつてはクルマで銀座方面から豊洲まで行く際、晴海通りの行き止まりを左折し、グルっと迂回しなければなりませんでしたが、この新しい道のおかげで、もっと速く豊洲に行くことができるようになりました。
さらに、昨年には環状2号線という新道路も開通。2020年にはBRT(バス・ラピッド・トランジット)のプレ運行が開始される予定ということで、このエリアの利便性はますます高まっていくようです。
そんな湾岸エリアへの入口として注目を集めるのが、晴海エリアのタワーマンション。「湾岸エリアの街には、それぞれ違った魅力がありますが、特に注目を浴びているのが晴海のエリアでしょう」と渕ノ上さんは言います。
「晴海には、ザ・
2020年東京オリンピックの舞台にもなる有明
続いては有明エリア。と言っても、しつこいようですが、前述の新道路のおかげで、さほど時間がかからず、ほんの十数分で着きました。このエリアは開発が特に著しく進んでおり、複数のタワーマンションが建っています。
「1996年に開催されるはずだった世界都市博覧会(以下、都市博)。この都市博は頓挫してしまったのですが、当時実現を見越していち早く開発されたのが有明です」と渕ノ上さんは説明。
「都市博が頓挫した後10年ほどは活気がなかったのですが、ニーズの高まりによってタワーマンションが続々建ち、街が再構築され、特に近年は活性化が著しくなっています。タワーマンションだけを見ても、このエリアのフラッグシップ的マンションであるブリリア有明スカイタワーを筆頭に、ブリリアマーレ有明、オリゾンマーレ、ガレリアグランデという物件が建っています。なかにはスパやプールを設けたり、
生活面ではスーパーが複数ある一方、ジムやプールが付いたスポーツセンターや公園もあるので、生活環境はいいと思います。ちなみに2020年の東京オリンピックでは近隣の有明テニスの森をはじめ、いくつかが競技場に使われる予定。
このエリアの新築タワーマンションの価格はだいたい7000万円程で、ほぼ売り切れ状態が続いています」(渕ノ上さん)
利便性とお手ごろな価格帯で人気の東雲
続いて向かったのが東雲。湾岸エリアでは比較的古くから、たくさんの人たちが暮らしてきた街であり、タワーマンションだけでなく、低層マンション、都営住宅、UR(公団住宅)などが濫立する地域です。
ほかのエリアに比べると相場が低いことが東雲の特徴のようですが、低層マンションとタワーマンションとの間で大きな価格差はないとのこと。というのも、豊洲まで徒歩圏内と非常に人気が高く、この東雲に住まいを持ちたいユーザーが後を絶たないからなんです。この辺についても渕ノ上さんに聞いてみました。
「東雲は利便性のよさに加え、価格帯のお手ごろ感で人気が高い地域です。また、この地域はスカイツリーを眺めることができるので、ロケーションのよさも人気の理由の1つ。また、橋を一本渡ると辰巳エリアになりますが、こちらは古くから団地が多く、街の雰囲気がガラっと変わります。こういった街の表情がすぐ変わるところも、東雲の面白さだと感じる方も多いようです」
東京生まれの東京育ちの筆者ですが、この「カウル」ツアーに参加したことで、これまで無縁だったタワーマンションや湾岸エリアについて知ることができました。2本目のレポートでは、豊洲、勝どき、月島、佃といったエリアについてお伝えします。