ここ数年で何かと話題になっている加熱式たばこ。皆さんも一度は耳にしたことがあると思います最も有名なのはIQOS(アイコス)という製品です。IQOSはフィリップモリスという海外のメーカーが販売している加熱式たばこで、国内のシェアは断トツのNo1です。IQOSは、その圧倒的なシェアと知名度だけでなく、味わいに関してもユーザーの支持が厚く、従来の紙巻きたばこから完全移行する人も増加しています。また、glo(グロー)という製品も人気を得ておりまして、こちらも海外メーカー製。
では、我らが日本が誇るたばこメーカー、JT(日本たばこ)はというと、Ploom(プルーム)シリーズを展開しています。今回は、このPloomシリーズについて、今さら他人に聞けないような基本的なことを解説します。
Ploomシリーズは3種類の製品をラインナップ
Ploomシリーズは現在、使い勝手や性能が異なる3種類の製品をラインナップしています。「Ploomって聞いたことあるけどよく解らない」という人は、この3種類を理解するだけで、悟りを開くことができるでしょう。
まず、もっともベーシックなのが「Ploom TECH(プルーム・テック)」です。3製品のうち、最初に発売され長らくJTの主力製品でした。次に、Ploom TECHの吸い心地を強化した「Ploom TECH+(プルーム・テック・プラス)」です。この2製品はリキッドを30~40℃で加熱して、発生した蒸気をタバコ葉に透過させて喫煙する「低温加熱タイプ」を採用しています。
一方、今年の1月に発売され話題を呼んだ、「Ploom S」ですが、約200℃でタバコペーストを加熱して発生した蒸気を吸引する「高温加熱タイプ」を採用しています。ライバル機である、IQOSやgloもこの高温加熱タイプを採用しています。
【Ploomシリーズの比較表】
デバイス | |||
名称 | Ploom TECH | Ploom TECH+ | Ploom S |
プルーム・テック | プルーム・テック・プラス | プルーム・S | |
加熱タイプ | 低温 | 低温 | 高温 |
温度 | 約30℃ | 約40℃ | 約200℃ |
充電端子 | 専用USBアダプタ | microUSB | microUSB |
発売 | 2016年3月 | 2019年1月 | 2019年1月 |
スターターキットの 公式オンラインストア税込価格 | 3,000円 | 4,980円 | 7,980円 |
フレーバー(たばこ部分) | |||
名称 | Ploom TECH専用 たばこカプセル | Ploom TECH+ 専用たばこカプセル | たばこスティック |
種類数 | 10種類 | 4種類 | 3種類 |
内包物 | たばこカプセル×5個 + カートリッジ×1個 | たばこカプセル×5個 + カートリッジ×1個 | たばこスティック×20本 |
税込価格 | 490円 | 500円 | 480円 |
※執筆時点でのデータとなります
Ploom TECHのフレーバーは、1箱にたばこカプセルが5個、カートリッジが1個入っています。カートリッジには、たばこカプセル5個を喫煙できる分量のリキッドが入っており、1箱でカプセルとリキッドをちょうど消費できるようになっています。
Ploom TECH+の専用フレーバーは、Ploom TECH専用と同様に、1箱に5個のたばこカプセルと、1個のカートリッジが入っており、カートリッジにはたばこカプセル5個分のリキッドがはいっているのも同様です。ただし、カートリッジには互換性がないため、それぞれ専用品を使う必要があります。
たばこ部分であるフレーバーは、それぞれのシリーズで専用品が販売されており、基本的には互換性はありません。それでは各製品を詳しく見て行きましょう。
最もベーシックかつスタンダードな「Ploom TECH」
Ploom TECHは他の2製品よりも2年近く前に発売され、JT唯一の加熱式たばこ製品として市場に投入されていました。低温加熱タイプということで、喫煙の満足感は高温加熱タイプに劣るものの、ニオイや蒸気(煙)は少ないのが特徴です。
また、高温加熱タイプのように加熱時間が不要で、吸い口から吸い込むだけで自動的に加熱され、すぐに喫煙できるのもPloom TECHのメリットです。その特性のおかげで、紙巻きたばこや高温タイプの加熱式たばこのように「たばこ1本」という概念がなく、一口だけ吸ってもヨシ、バッテリーがつきるまで吸い続けることすら可能。
今後の主力機となるか「Ploom TECH+」
Ploom TECH+は、「もう少し喫煙の満足感を味わいたい」というPloom TECHユーザーや紙巻きたばこユーザー向けに性能をアップさせた、強化版Ploom TECHという位置づけ。低温加熱タイプを採用しながらも、少しだけ加熱温度を上げ、フレーバーを濃い目にすることで喫煙の満足感を向上させました。まさに「プラス」という名前を冠するに相応しいモデルです。
Ploom TECHと形状は似ていますが、リキッドのカートリッジは互換性がないため、それぞれ専用のフレーバーを使用する必要があります。また、喫煙するにはボタンを押してスリープ状態を解除する必要があるなど、Ploom TECHとは相違点があります。
ライバル機を猛追する新型機
最後に紹介するのは「Ploom S」です。Ploom Sはほかの2モデルと違い、JT初となる高温加熱タイプを採用した加熱式たばこデバイスです。専用に開発された「たばこスティック」を挿入し、約200℃の高温でタバコペーストを加熱して、発生した蒸気を吸引するもの。他の2モデルに比べて、圧倒的な喫煙の満足感が得られるのが特徴です。
また、たばこスティックは、JTが長年培ったたばこの製法を活かし、紙巻きたばこ「メビウス」に極めて近い味わいを実現したとのこと。つまり、日本人の日本人による日本人のための加熱式たばこと言っても過言ではないくらい、日本人には馴染みにある味わいとなっています。
結局、どれがイイの?
3種のPloomシリーズのうち、どれがイイかは「ユーザーの好みによる」という、煮え切らない回答になってしまいますが、たばこは嗜好品であるが故に、人それぞれ好みがあるため、一概にどれが最適とは断言できないのが実情です。
そこで、筆者的に「こういう人はコレが向いている」というレコメンドをしてみたいと思います。
まず、とにかく軽いのが好みで、紙巻きたばこも1本まるまる吸わなくても十分満足できるという人は、Ploom TECHを。たばこのニオイや煙が気になる人もコチラを。
次に、それなりの満足感は得たいが、カジュアルに数口吸いたい人はPloom TECh+を。Ploom TECHに比べて、蒸気(煙)が多めに出ますがニオイの少なさは同等です。それでいて喫煙の満足感は高めなので、筆者的にシリーズ中もっともオススメできるのが、このプラスになります。
Ploom Sは、高温加熱タイプだけあって満足感はシリーズ随一。喫煙の満足感を強めに味わいたい人や、紙巻きたばこからの完全移行を考えている人向け。ただし、他のモデルに比べて、多少ニオイはあります。
ということで、ラインナップされている3モデルはまさに三者三様なため、味わいと満足感がシックリくるものを選ぶのが最適解でしょう。