ライフスタイル
2019/6/27 19:00

カビは家中に潜んでいる!梅雨に行いたい「カビ対策」

梅雨に入り、いよいよ湿度が高い時期がやってきました。不快感が増すだけでなく、カビが活発に繁殖するのに格好の季節でもあります。カビは湿度60%、気温25℃以上になると活動的になるため、人が快適だと感じる場所にはカビが生えると言っていいでしょう。
今回は、室内のどのような部分にカビが生えやすいか、カビの対策に何をしたらいいかを、家事・掃除アドバイザーの藤原千秋さんに伺いました。

 

ココに注意!エリア別の対策

カビはどのようなところに生えやすいのか、またどのように対処すればいいのか、室内のエリア別に分けて見ていきましょう。

 

1 寝室

布団や寝具はカビのエサの宝庫!

「カビ」と聞くと、水周りを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日々こまめに使うお風呂やキッチンより、寝室をまず見直しましょう。

 

「布団を干すタイミングがわからない、寝具を洗う時間がないと言って、布団を干していないご家庭をよく目にします。また、お客さまが入らないスペースでもあるので、もっとも掃除が疎かにされがちなのは寝室です。そのため、カビやダニなどが繁殖しやすい環境になっていることが多いのです」(家事・掃除アドバイザー・藤原千秋さん、以下同)

 

・布団は必ず干す
「ロフトや二段ベッドで一見風通しがよく感じられても、布団はしっかり湿気を吸収しています。起きたとき布団をベッドメイクしてしまうと、寝ている間にかいた汗がこもってしまうので、室内であっても布団を干すのが大切です。日光に当てなくても干して風を当て、乾燥させることを念頭におきましょう」

 

・湿度を上げすぎない
「風邪やインフルエンザの対策に、加湿器を使っているご家庭が多いのですが、本当に加湿する必要があるか湿度を測ってみましょう。寒い日であっても換気して外の湿った風を取り込んだり、洗濯したバスタオルを干しておいたりするだけで、簡単に湿度は上がります。くしゃみや咳は、乾燥ではなくカビやダニのせいで起きている場合もありますから、湿度は40%を目安に、それを下回りすぎるようなら加湿するなど、測ってから行うようにしましょう」

 

・エアコンで乾燥させる
「換気が難しかったり、布団を干す場所がなかったりするお部屋の場合は、エアコンをつけて部屋を乾燥させるのがオススメです。寝ている間にコップ1杯分は汗をかくと言われていますから、布団が常に乾いた状態になるように考えてみましょう」

 

2 キッチン

まさかの野菜室にはカビがいっぱい!

キッチンの水周りは、放っておくとあっという間にカビが生えてしまう場所。また、パッキンや竹細工、曲げわっぱなどの黒ずみはほとんどがカビによるものです。

 

「お弁当箱、おひつなど、自然素材のものはイメージがよく素敵なのですが、扱いが難しく、すぐにカビが生えてしまうものでもあります。一度黒く斑点になってしまったものは、カビ取り剤などを使えば生存していない可能性が高いのですが、カビが内部まで浸透してしまい、漂白しても色は取れないことが多いので、潔く諦めて買い換えることにしましょう。また、温度が低いからと気にしない方が多いのが冷蔵庫の中です」

 

・野菜室は月に一度エタノールで拭く
「カビの胞子は野菜や土にたくさんついています。野菜室は冷蔵庫よりも高い温度に設定されていますから、庫内をエタノールで拭いてカビの繁殖を抑えましょう。冷蔵庫は冷気が循環するタイプのものも多いので、食品が傷みやすいなと思ったら、それはカビが原因かもしれません。庫内を衛生的に保つことで食品の持ちも変わります」

 

・自動製氷機は週に一度は清掃する
「ミネラルウォーターは、カルキの入った水道水よりも殺菌効果が低いため、製氷機にもカビが生えやすくなります。できれば製氷機には水道水を入れて使いましょう。また、製氷機は週に一度は洗って掃除してください。氷に黒いゴミがつくようならば、それはカビですから危険です。食中毒にならないようにしましょう」

 

3 バスルーム・洗面所

定期的な掃除と換気が左右する!

風呂場と洗面所は普段から水滴が残っていることが多いため、カビが生えやすい場所のひとつです。「黒ずみを見つけたとき、ブラシでこすったりシャワーで流したりすると、1箇所の黒いカビから数億個の胞子が飛ぶと言われています。掃除するときは、絶対に水をかけず、キッチンペーパーにエタノールをつけて、カビをさっと拭き取るようにしてください。使っていないトリートメントなどのボトル、お子さんがいるご家庭はお風呂場で遊ぶおもちゃや九九表、歯ブラシたての底などにカビが生えやすいので、月に一度は天井や壁も含めてエタノールで拭き取る掃除をするとよいでしょう」

 

・換気扇は24時間回したままにする
「とにかく乾燥させておくことが、カビの繁殖を防ぎます。換気扇は常に回しっ放しがよいでしょう。ユニットバスの場合、エプロンといって浴槽と洗い場の間に取り外せるフタのようなものがついているのですが、実はその中にもカビは潜んでいます。ただしプロに任せるべき領域なので、一年に一度はお掃除を頼むのもよいでしょう」

 

・洗濯機は開けっ放しにする
「洗っていない衣類は、汗でカビやすくなっていますから、汚れ物かご代わりに洗濯槽を使ってしまうと、カビの発生につながります。洗いカゴは別に用意して洗濯ものはそこに入れるようにしましょう。また、洗濯機を使ったらフタは開けっ放しにし、内部が湿気らないようにします。洗濯物に部屋干しのにおいがつくのが気になるようでしたら、それは洗濯槽のカビが原因かもしれません。洗濯槽も定期的に掃除しましょう」

 

続いて、大事な衣類やバッグなどを保管しているクローゼット、また過ごす時間の長いリビングルームではどうでしょうか?

 

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4 クローゼット・押入れ・タンス

グッズを使って湿気から衣類を守る!

押入れやクローゼットなど、扉があって普段閉めてしまうところは風通しが悪く、湿気がこもってしまいがちです。来客がないときは、開け放しておくのもひとつの手だそう。「除湿剤を置いておき、まずはどの程度湿り気があるか確かめてみます。それに応じて、多湿ならば除湿剤を使うなどして対策を立てましょう。靴やコートなどはしっかり乾かしてからしまう癖をつけることも大切です」

 

・風通しのよい空間にする
「すのこやシリカゲルシートなどを使って、乾燥させ風通しをよくしましょう。荷物を詰めるときも壁や天井にくっつかないよう、空間を開けて物を入れるようにします。衣替えのついでに中のものを上下入れ替えるなど、空気を入れ替えることもしてみましょう」

 

・エタノールで拭いてカビを寄せつけない
「雑巾のように洗って使うものではなく、キッチンペーパーなど使い捨てのものにエタノールを含ませて、クローゼットや押入の中の天井、壁を定期的に拭きましょう。また、カビを見つけた場合も、水で洗い流せないところには次亜塩素酸塩系スプレーは使えませんから、エタノールで拭いて処理します」

 

5 リビング

結露からカーテンにカビが生えることも!?

リビングルームで気をつけたいポイントは、窓の周辺とカーテンです。窓に結露が起こるとカビが生えやすく、カーテンに黒く斑点模様がついてしまうこともあります。「結露の防止には、窓をこまめに掃除することと、湿度のコントロールをすることでしょう。窓に家具がくっつくように置いてあると、そこに湿気がたまりやすくなりますから、隙間を開けるなどの工夫もしてみましょう」

 

・カーテンは定期的なクリーニングを
「季節に一回はカーテンをクリーニングし、カビやホコリが付着したままにならないようにしましょう。また、結露しやすい乾燥した冬時期には、1日に3回程は家の中の空気が全部入れ替わるくらいゆっくりと換気して、外の湿った新鮮な空気を取り込みましょう。反対に湿度の高い梅雨時期などは、除湿やクーラーをかけて室内の湿度が高まりすぎないようにします」

 

・エアコンはプロに掃除を任せる
「エアコンは手が届く範囲の掃除を季節ごとにし、それ以外はプロにお任せするのがいちばんです。エアコン内部にカビが付着しているので、2年に一度は内部まで掃除してもらいましょう。カビの生えたエアコンを稼働させていると、そこからカビの胞子が飛び続けることになります」

 

梅雨の時期だけでなく年間を通してカビには注意が必要です。換気やエアコン、除湿機なども上手に使いながら、衛生的な部屋を目指しましょう。

 

【プロフィール】

家事・掃除アドバイザー / 藤原千秋

住宅メーカーで勤務の後、2001年から、オールアバウト「住まいを考える」サイトガイドに就任、住宅関係専業のライターとして活動。ラジオや新聞、雑誌などで活躍するほか、『忙しい人の人生が整う 家事の習慣』(西東社)の共同監修、『人生をピカピカに 夢をかなえる掃除の習慣』(朝日新聞出版)の監修を務める。

 

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