「よく来られるんですか?」と切り出し、相手の出身地を聞くのがセオリー
小林 スナックでの過ごし方も知りたいです。たとえば、ママや常連客にはどんな話題を振ったらいいんでしょうか。会話のコツなどがあれば教えてください!
谷口 大前提として、相手の様子をうかがいながらですね。お客さんのなかには、話かけてほしくない人もいますから。初見の場合でしたら、「初めて来たんです」と素直に打ち明けて、「よく来られるんですか?」いう切り出しがベターです。
小林 なるほど。そこから会話の糸口をつかむ、と。
谷口 はい。なかにはママが気を利かせてくれて「こちらのお客さん初めてなんですって」と、客同士の橋渡しをしてくれるお店もあります。ママが忙しいときは難しいですけど、こういう気遣いができるお店はいいスナックですね。
小林 ほかに鉄板の話題はありますか?
谷口 都会のスナックの場合は相手の出身地を聞く、というのがセオリーです。返ってきた答えの場所を知ってるかどうかで、話がふくらむかどうかという問題はありますけど。出張が多い人や、旅行が好きな人ならこの質問は特に使えますね。
地方では地元の穴場や郷土料理を話題にするといい
小林 では、地方のスナックで使えるネタはありますか?
谷口 まずは観光地や、オススメの店について聞いてみる。「明日はどこどこに行くんですけど、穴場のスポットはありますか?」とか。あとは、地元の人だけが食べているような郷土料理について聞いてみるとか。
小林 やっぱり地元の話題は鉄板ですか。たしかに、外から来た人が自分の地元に興味を持ってくれたらうれしいですよね。
谷口 ですから、できれば前もってその地域のことを調べておいた方がいいでしょう。スナックに限らず、現地の人との会話がふくらみやすいですから。ある程度お互いのことがわかってきたら、「どういったいきさつでお仕事をはじめたんですか?」といった質問をしてもいい。ときには感動的なストーリーや勉強になる話を聞けることもありますよ。
小林 へえ、わりと踏み込んだ質問もしていいんですね。
谷口 人によると思いますが、意外と話してくれます。特に長年やってるスナックのママは、人生経験が豊富な方が多いですから。また、老舗はその地のいろんな情報が入ってくるので、地域の経済状況がわかることもあります。地元の名士が常連というケースもありますし。
小林 スナックをみればその地域の現実が見えるといいますが、本当にそうなんですね。勉強になります!