2019年10月1日から日本では消費税10%。軽減税率も適用されてはいるもののイートイン・テイクアウトで税率が異なるなど、なんだか複雑なことになっている噂は、日本から1万キロ離れたここイタリアにも届いています。
イタリアにも消費税はあり、“イヴァIVA(Imposta sul valore aggiuntoの略)”と呼ばれる「付加価値税」がそれに相応します。税率は、驚くなかれ22%! 幸せな老後が過ごせそうなフィンランドの25%やデンマークの24%よりは低いですが、イギリス・フランスでは20%、ドイツでも19%で、イタリアはヨーロッパ諸国の中でも、高い税率の国になります。
話題の軽減税率も適用されており、イタリアでは主に4%、10%の2種類(他のヨーロッパ諸国では、ドイツは0〜7%、フランスは2.1〜5.5〜10%など各国さまざま)。
【イタリアの軽減税率の例】
4%:小麦粉・パスタ・パンの主食の他、牛乳、バター、チーズ、生鮮野菜・果物、オリーブオイルなどイタリアの食生活に欠かせない食材と新聞、学校教材、また歯科矯正具などの医療補助器具など
10%:肉・魚、サラミ、卵、ヨーグルト、冷凍食品、オリーブオイル以外のオイル、水、コーヒー、砂糖、お菓子、ジャム、薬、レストラン・ホテルなど
洋服やコスメ、クルマ、電化製品などは、軽減税率0%で22%の税が課せられます。。なかなかややこしいですが、内税でレシート表示もわかりやすく、IVA絡みでのレジでの混乱はありません。イートインしようが、テイクアウトしようが同じ。
ただ、何に対して軽減税率が適用されるのか否かについては、日本同様に数々な問題が勃発しています。例えば、いわゆる「タンポン・タックス」。女性の生理用品にかかる消費税は、各国ですでに軽減税率が適用されており、スペインは4%、フランスとイギリスは5%、スコットランドに至っては無料など。しかし、イタリアでは22%のまま。オムツも22%です。一方、トリュフの税率は5%(笑)。長く訴え続けられていますが今年も国会で却下され、「生理用品より、トリュフの方が生活必需品なのか!」と話題になっています。
最近では、“おやつ”が増税されるかどうかでひともめ。消費税ではありませんが同じ間接税の「シュガータックス」は、世界で続々と導入国が増え、ヨーロッパではイギリスを皮切りに昨年から導入が始まっています。イタリアでも導入する方向でしたが、9月末、コンテ首相がやっぱりNOと決断し、甘党家族を喜ばせました…が、今月に入り、議論再燃。果糖ジュースや一部の炭酸飲料に対して2020年から導入されることに。なぜ飲み物だけ……謎です。(ついでに、プラスチック税も導入される模様)。
イタリアで消費税が課せられるようになったのは、1973年。12%からスタートし、じわじわ上がり続けて1980年に15%。1997年には20%、2013年に22%に到達。そして2020年は25.2%、軽減税率も10%が13%に引き上げられるとかならないとか。実際のところ、毎日のお買い物では内税のおかげ(せい?)でイマイチ値上がり感を感じにくいのですが、チリも積もれば…ですよね。
消費税に関わる問題は、先進諸国ならもはや避けて通れない道。日本はかなりマシかもしれません?!