ライフスタイル
2019/11/14 19:30

塊根に多肉、エアープランツ…個性派が続々!「観葉植物」の最新トレンドと育て方

インテリアに変化をつけたいとき、明るく気持ちのよい空間を演出したいとき、手軽にできるのは観葉植物を配置すること。植物は部屋を華やかにするだけでなく、芽が出たり枝が伸びたり、毎日の中で起こるちいさな発見も楽しむことで、ともに“暮らす”感覚で癒しを与えてくれるはず。

 

今回は、初心者でも比較的育てやすいものを中心に、観葉植物のトレンドと育て方を、都内での最大級の品揃えを誇るオザキフラワーパークの観葉植物担当・百瀬謙太郎さんにご紹介いただきました。

 

観葉植物を育てる4ルール

まずは、上手に育てられる基本的なポイントをおさえておきましょう。種類によって、水を控えて育てた方がいい植物や、反対に湿り気を好む植物など、育て方に違いはありますが、基本ルールはすべての観葉植物に共通するものですから、覚えておきましょう。

 

1. 人が心地よいと感じる場所に置く

観葉植物の置き場所に迷ったら、自分がいて気持ちのよいところに置くのがいいでしょう。「直射日光が当たらず、風通しがよくて寒すぎず暑すぎず、という場所が、人にとっても植物にとっても快適です。トイレのような窓がなく自然光が入らない場所より、明るいリビングやキッチンの窓辺などがおすすめです」(オザキフラワーパーク 観葉植物担当・百瀬謙太郎さん、以下同)

 

2. 植え替えは暖かい季節にする

鉢を好みのものに変えたいときや、成長に合わせて植え替えたいときは、春か秋の天気がいい日を選びましょう。「植え替えるときに根が傷むので、時期を間違えてしまうと根の回復に時間がかかってしまいます。根が成長しやすい時期に植え替えることで植物が弱ってしまうリスクを減らすことができます」

 

3. 肥料は化成肥料がおすすめ

肥料は、植物が成長するのに必要な栄養素です。「植物の体を作る元になりますので、成長期に入る春と秋頃に適量与えましょう。室内で育てている場合は、油かすなどの有機肥料は虫が湧きやすくカビの原因にもなりますので、化成肥料を与えるほうがいいでしょう。根の張っていない植え替え直後や、成長の緩やかな真冬の時期は与えません」

 

4. 活力剤は元気がなくなった植物に使う

活力剤は、植え替えの直後や暑さの影響で元気がなくなった植物に使えるものです。「肥料成分はほとんど入っていませんが、ミネラルや植物に必要な微量元素が含まれていて、根の成長を助けたり調子を整えたりする効果があります。肥料と合わせて補助的に使いましょう」

 

オザキフラワーパーク選! 2020年におすすめの観葉植物

観葉植物を置きたいと思っても、種類が多かったり育て方がわからなかったり、どのようなものを選んだらいいのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

「近年は、塊根植物やエアープランツなど、見た目におもしろいフォルムの植物が安定して人気があります。観葉植物を選ぶ際は、自分が見て楽しめることはもちろん、相性も考えてみるといいと思います。

毎日こまめに面倒を見たい方には、お世話が毎日必要で“かわいがれる”ものがいいでしょうし、反対に毎日は面倒が見られず忘れやすい方には、多少乾燥してしまっても大丈夫なものを選ぶと、ストレスなく植物と生活することができます」

 

初心者が育てやすい観葉植物

ここでは、はじめて観葉植物を購入する人にも育てやすいものをご紹介します。

 

1. 観葉植物の入門はコレ!「パキラ」

「パキラ」
・アオイ科パキラ属
・原産地 中南米

パキラは、大きくなると20mにも育つ高木です。

「種から育てられたものは幹が徐々に膨らんでいきますが、挿し木で増やしたものは幹が太りません。さまざまな仕立てや成長段階の株がありますから、お好みのフォルムで選ぶといいでしょう。

土の表面が乾いたら、水やりをしてください。多少忘れても大丈夫な強さがあるので育てやすいと思います。また、通常は葉が緑色ですが、白い斑点のような模様が入った“斑入り”のものは発現率が低く稀少価値があり、お祝いやコレクション用途としても人気があります」

 

2. 塊根の形が独特で個性的!「ガジュマル」

「ガジュマル」
・クワ科フィカス属
・原産地 東南アジア・沖縄など

沖縄のような暑い場所に自生しているガジュマルは、幹の途中から気根という根を生やす植物です。

「水やりのメリハリを好むので、水のやりすぎに注意が必要な植物です。用土が湿った状態が長く続くと根が傷んだり根腐れしてしまったりするので、土が乾いてきたと感じたら水をやるようにしましょう。寒さに弱く、明るいところを好みますから、玄関やベランダよりリビングやキッチンなど、温かく日光が差し込むところに置くのがよいでしょう。

こちらも膨らんだ塊根の形がさまざまあって個体差を楽しめる植物ですから、置き場所によってサイズを選ぶといいと思います」

 

3. 艶のある葉は春にぐんぐん伸びる「コーヒーの木」

「コーヒーの木」
・アカネ科コーヒーノキ属
・原産地 アフリカ・マダガスカル

定番の観葉植物であるコーヒーの木は、大きくなっても樹形が乱れないので、剪定などの手間がかかりません。

「明るい場所を好みますが、直射日光に当てると葉が日焼けしてしまうので、窓辺に置くときは光が当たりすぎないよう注意してください。寒さに弱く、7~8℃はある環境に置くのが望ましいでしょう。乾燥には強いので、土が乾いたら鉢の下から滴るほどたっぷりと水をあげ、成長が緩やかな冬場は水やりを週に1~2度程度にとどめておきましょう。いい環境で育てるとコーヒーの花が咲き、赤い実が見られるかもしれません」

 

続いて、育てること自体を楽しみたい人へ、手を掛けた分だけ育つグリーンを紹介します。

 

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手をかけて育てたい人に向いている観葉植物

続いて、毎日こまめにお手入れして育てたい方に向いている植物をご紹介します。

 

1. 葉の模様がさまざま!数百種もある「カラテア属」

「カラテア属」
・クズウコン科カラテア属
・原産地 熱帯アメリカ

葉の形や模様、枝ぶりがさまざまあるカラテア属は、その美しさから観賞用やテラリウム用の植物としても人気があります。

「右はカラテア・ランキフォリアという種類で、葉の面の模様と葉裏のワイン色が美しく、左側のカラテア・サンデリアーナは、コントラストの強い葉脈の模様がきれいな種類です。いずれも湿度と暑さに強く、乾かしすぎてしまうと葉が丸まってしまうので、高温多湿で育てるイメージで用土が乾きすぎないかチェックし、霧吹きなどで空中の湿度を保つことが求められます」

 

2. ゴツゴツとした幹がおもしろい「アリノスダマ」

「アリノスダマ」
・アカネ科ヒドノフィツム属
・原産地 東南アジア

アボカドのような形の緑色をした塊茎が独特なアリノスダマは、この膨らんだ茎がアリの住処になる植物です。

「日本のアリは塊茎内で育つ習性がないので、アリが住みついてしまうことはありませんが、育っていくと塊茎の中にアリが入れるような小さな穴が空いてきます。現地のアリノスダマは、アリに住処を提供する代わりにアリの食べ残したものや死骸などを養分にして、アリとともに生きています。

高い湿度を好みますから、毎日状態を確認し乾燥しすぎない状態を維持しましょう。また、自生地では木の幹などに根を張る着生種なので、水苔やヤシガラチップなどの保水性と通気性を備えた植え込み材で育てます」

 

3. 実はしっかりした水やりが必要!「エアープランツ」

「エアープランツ」
・アナナス科(パイナップル科)ティランジア属
・原産地 北アメリカ南部~南アメリカ

土いらずで育てられるエアープランツは、その名前から“水やりがいらない”と勘違いしている人も多いでしょう。

「ティランジアは、朝晩に濃い霧がよく発生する場所で自生しています。降水量は少ない地域でも、この霧によって朝方は全体が湿った状態になりますので、栽培する際はしっかりとした水やりが必要です。霧吹きやシャワーで流してやり、葉の付け根に水がたまらないよう、しっかり水切りをして干すように吊るしてあげてください。

また、コルクや木の皮に巻きつけて根を張らせることで、丈夫に育てることができます。花が咲くと、その株は時間をかけて枯れていきますが、株元からいくつか子株を増やしてさらに大きく育てられます」

 

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2020年も引き続き話題!人気上昇中の観葉植物

最後に、ここ数年人気が高い観葉植物を2種類ご紹介します。

 

1. 100以上の種類が発見されている「アガベ」

「アガベ」
・リュウゼツラン科リュウゼツラン属
・原産地 メキシコ

アガベは、ロゼット状に育つ多肉植物で、サボテンのように手をかけながら形を整えていく楽しみがあるといいます。

「アガベシロップという甘味料でお馴染みの名前ですが、観葉植物のものとは種類が違います。暑さにも寒さにも比較的強い多肉植物で、育てやすいでしょう。ここ数年で新しい選抜品種や交配種も登場し、バリエーションが豊富なため、決まった系統のアガベだけを集める方も多くいらっしゃいます。幹立ちする品種や、大きなロゼット型になる品種など、種類によっていろいろな姿が楽しめます」

↑左側は「アガベ・チタノタ」という人気のある種類で、ノギ(先端に生える細長いヒゲのこと)が特徴的。右側は白い斑の入った「アガベ・王妃雷神」で、日本で生まれた園芸品種と言われています

 

2.希少価値の高い上級者向け!「多肉系ユーフォルビア」

「多肉系ユーフォルビア」
・トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
・原産地 マダガスカル・南アフリカなど

ユーフォルビア属は、世界中に2000種以上のさまざまな種類が存在します。なかでも多肉系のユーフォルビアは、形状がサボテンそっくりなものや、塊根部を持つものなど、個性的な品種がたくさんあります。

「左側のユーフォルビア 『フィッシュスケール』 は、ゴツゴツした塊根部と、葉脈が白く抜け魚の骨のような葉模様が見どころです。右側のユーフォルビア『プリムリフォリア』は、なめらかな肌とずんぐりむっくりした姿が魅力です。

いずれも風通しがよく、充分に日照の確保できる場所に置きます。冬になるにつれてすべて落葉するのに合わせ、徐々に断水気味に管理しますが、春になるとまた芽が動きはじめるので、少しずつ水やりを再開しましょう。稀少で高価なものが多く、管理のコツを覚えるのに時間がかかるため、どちらかと言えば上級者向けといえます」

 

 

植物があると、空気の入れ替えや温度・湿度管理に気持ちが向くようになり、人にとっても心地よい空間を作ることができます。慣れてきたら、株を増やしたり好みの鉢に入れ替えたりと、手をかける楽しみもぜひ味わってみてください。

 

【ギャラリー】※GetNavi webでご覧になれます

 

【店舗情報】

オザキフラワーパーク

所在地:東京都練馬区石神井台4-6-32
電話番号:03-3929-0544
営業時間:9:00〜20:00(冬季11月中旬~2月末は9:00〜19:00)
定休日:1/1、1/2、そのほか年1回臨時休業あり
https://ozaki-flowerpark.co.jp/

 

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